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大日本サムライガール 5 (星海社FICTIONS) 感想

大日本サムライガール 5 (星海社FICTIONS)大日本サムライガール 5 (星海社FICTIONS)
(2013/04/16)
至道 流星、まごまご 他

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人の抱えた野望が実現の足掛かりを掴む、お話


【簡略ネタバレストーリー】
 第7回目を迎えたひまりんプロジェクトは、杏奈を始めとしたアイドルと有識者に栞を含めた討論を行っていた。テーマは官僚機構。日毬は官僚機構の腐敗を指摘しながらも、自らの独裁で官僚機構が本来あるべき姿を取り戻させると主張し、栞はそんな日毬の独裁体制を批判する。それに未熟ながらも杏奈も意見を出し、有識者や現役国会議員も意見を発し、喧々諤々とした回となり、視聴率も好調だ。
 番組後には、日毬と杏奈と千歳で仲良くお茶もしていた。
 その後事務所に戻ると、日毬から栞の歓迎会をやろうという提案が出る。経営会議で栞の売り出し方を、ゴーストライターを用いた作家方面で始めることを決めたついでに、颯人はそのことを由佳里と壮司に告げると、いっしょに日毬の誕生会もすることに決まる。
 歓迎誕生会の当日は、高級ホテルの宴会場を貸し切って、盛大に行われた。二人もそんな会社の心遣いに感激した。とはいえ、数人程度の集まりなので、話す内容は内輪ネタとなる。その中で、凪沙の自虐癖が相当だということもわかる。
 翌週の経営会議では、壮司がきれいなネット政治推進協会の雑事を請け負い、由佳里は凪沙の写真集、颯人は栞の作家デビューを担当することと決まった。
 その時、由佳里が幼馴染が始めたドーナツ屋をプロデュースしたいと言い出す。そこへ、颯人はKaguraのような事業展開ができるのではないかと提案する。
 翌日、颯人は由佳里に案内されて銀座の隅っこにあるドーナツ屋へ赴いた。由佳里の親友である芹沢佐歩が営むそこは、女性客には人気の店であった。佐歩と由佳里が恋バナに花を咲かせていると、颯人は佐歩の店のプロモーションをすることを決める。
 事務所に帰ると、当初予定していた広告塔である千歳では広告効果が薄いのではないかと颯人が提案した。同席していた栞が名乗りを上げるが、栞とドーナツは連想しにくいので却下となる。日毬はドーナツが食べられない。広告塔は保留にし、とりあえずテレビ局への売り込みは由佳里が担当し、事業計画自体は颯人が担当することになった。
 颯人が栞にゴーストライターを当てることを嫌がっていた栞だが、颯人が栞のことをマルチタレントだと持ち上げると、ころりと態度を変えたのだった。
 きれいなネット政治推進協会の説明会が、世話になった緒方や原田を招いて行われた。蒼通を介していたことや、国の関連事業であることから、ニュースでも大きく取り上げられた。
 一方で、颯人は壮司に記者のランク付けをさせていた。要点は日本大志会に対して肯定的か、という点。そして壮司が見込んだ記者たちを集めてインナーサークルを作り上げることとなった。これにより、インナーサークルの記者たちに優先して日本大志会の情報をリークすることで、日本大志会に関する情報を颯人たちが操作することができるようになる。
 第1回目のインナーサークルは忌憚のない意見を交わしあい、成功を収める。
 ドラマの端役をこなした栞に、颯人はゴーストライターの書いた原稿を渡した。だが、あまりの低知識層向けの内容に苦言を呈する栞。しかし、颯人が栞のことを居丈高だと指摘したことから、渋々ながら栞は原稿を認めた。ちなみに、生徒役として登場していた千歳には、わかりやすいと好評だった。
 颯人は最近の由佳里の成長に危機感を抱いていた。上司である自分が部下よりプランニング能力が低いわけにはいかない。颯人はドーナツ屋をチェーン展開させるためにも、財政危機にある欧州の老舗菓子店を買収しようと、大手証券会社に調査を依頼していた。その中からロシアの1店に狙いを定めた。同時に、建築デザーナーに内装の依頼もこなす。
 さらに、颯人は広告塔として杏奈を起用することを提案し、さっそく西プロダクションの西社長にアポイントをとった。西社長はギャラが正当であることを確認すると、杏奈を呼び出した。
 すると、杏奈は颯人とサシで話しがあるのだといってホテルのフレンチレストランへ誘いだした。
 そこで、杏奈はドーナツ事業を担当する会社の社長に自分を据えてほしいと頼んできた。それは、杏奈がこの先女優になるつもりはなく、それよりももっと人に喜ばれることを自分で想像していきたい、日毬みたいに自分を貫きたい、という想いから発せられていた。
 宣伝効果のある試みのため、颯人はそれを承諾する。とはいえ、西プロダクションがそこまで杏奈をひまりプロダクションと関わらせるわけがない。だから、杏奈はひまりプロダクションへの移籍を提案してきた。
 当然、それは西社長に認められなかった。颯人も譲歩できる最大条件を提案するが、それも断られる。
 由佳里は杏奈引き抜きの話に興奮するが、話しは簡単じゃない。そこで、颯人は改めて四季報で西プロダクションがどのような企業なのかを確認した。すると、不況の上芸能プロダクションであるせいか東証1部上場しているわりには正当な評価を受けておらず、株価が低迷していることに気付く。そこで、壮司に指示を出して買収まではいかずとも、西プロの株を特別会議で拒否権を持つことのできる株式の1/3%を買わせることにした。その方が杏奈獲得には安上がりだからだ。株を買うことだけは西社長にも連絡は入れておいた。
 ところが、西社長は颯人の動きを買収目的だと勘違いし、強硬体制に入ってしまう。
 颯人は西プロへ赴き、西社長とブラフによる化かし合いに勝利し、当初の移籍契約で納得してもらえるように取り計らった。
 翌日、西社長がひまプロに赴き、杏奈の移籍を認めることを約束した。条件は、移籍金5億+この先5年の杏奈の売り上げの25%献金と現在株価での株の譲渡だった。西社長にとって杏奈は娘みたいなものだったせいか、それから西社長は杏奈との思い出を語り始めた。
 それから、杏奈がひまプロ事務所にやってきて、実は日本大志会の党員であり壮司よりも党員番号が上なことに壮司が敬意をはらったり、日毬が杏奈の熱烈なアプローチに困ったりということが起きていた。
 その後、株式売買契約と移籍契約を交わした颯人と西社長は、杏奈のマネージャーである森もいっしょに転職させることにした。でも、森はついででどうでもいい存在だった。
 森は森で、突然の転職提案に戸惑っていたが、年収600万を提示されて心揺さぶられ、転職することに決めた。
 翌日、西プロはMBOを発表し、上場市場から手を引いた。西プロは芸能事務所唯一の東証1部上場企業だっただけに、芸能界の歴史の一部が変わった出来事でもあった。
 それから、佐歩、杏奈、森を新会社の取締役と正社員とすることが決まった。資本金は2億5000万円で100%ひまプロ出資の子会社である。売り込み方は、欧州の老舗菓子店が日本に上陸するという筋書きだ。だが、ドーナツの味は佐歩の味が使われる。会社名は、颯人が適当に思いついた「杏奈プロジェクト株式会社」が杏奈に気に入られて採用となった。
 杏奈が西プロに出社する最終日、なぜか誰もがよそよそしく、西社長にいたっては無視を決め込む。森も辛辣な態度で接してきて、杏奈は泣きそうになる。
 だが、杏奈がエントランスにやってくると、そこには西プロダクション社員全員が杏奈の花道を作って待っていた。誰もが杏奈の門出を祝う声を投げかけていた。皆の心意気に心打たれた杏奈は滂沱し、佐最後には西社長から花束を受け取り、社員たちに向けて出立の決意とこれまでの感謝を述べた。西社長はうずくまり、男泣きをした。
 颯人は杏奈の実家がある大宮へ挨拶に伺っていた。美城春菜(杏奈の実名)の実家は神職で昔は神社だったらしいが、都市開発で土地を売ってしまっていた。父親はいまはサラリーマンだ。両親が言うには、杏奈にはここぞというときは外さない直感があるのだとか。
 杏奈の移籍記者会見で新会社の社長就任も発表した。それから、杏奈の歓迎会を催し、人数も増えたことで事務所移転の話が持ち上がる。それとは別に、杏奈の直感が壮司は何かを隠していることを見抜いた。
 それからは、杏奈に店舗展開の話しをしたり、経営会議にこれからは杏奈を参加させることや、杏奈を社長として育てるために、颯人と由佳里がバックアップ態勢に入ることが決まった。
 それから杏奈は、ピザを合わせたドーナツの宅配サービスを提案したり、出店計画も順調にこなしたりと、颯人を感心させた。そんな杏奈を見て、颯人は自分のプランニング力が杏奈や由佳里に劣ることを認めてしまう。さらに、杏奈は千歳のプロモーションとして、ひまプロの日常をドキュメンタリー仕立てにした番組の提案もしてきた。
 それとは別に、日本大志会が党員3万人を突破したことで、記念党大会開催が決定された。都内のホテルの会場を貸し切って行われ、栞が司会を務めて会場を沸かす。そして日毬の演説はいつも通りに行われた。招待客の中には国会議員や左翼政治家も混ざっていた。
 党大会が終わると、2回目のインナーサークルが行われ、議会進出の話が立ち上がっていた。
 その直後、壮司を通して民政党代表代行の神内が日毬にコンタクトをとってきた。内容は民政党からの日毬出馬願いだった。だが、日毬はすげなくそれを断る。
 そのすぐ後には、今度は緒方を通して自友党の幹事長深見がコンタクトをとってきた。傍らには緒方と政調会長がいる。こちらも、神内と話す内容は同じだった。もちろん、日毬はここでも話を袖にした。
 だが、日毬はこの事態を重く受け止め、これらの与野党を利用してのし上がるべきなのではないかと考え始める。
 このことはインナーサークルでも報告した。だが、当面は推測という形で記事になることとなる。
 事務所移転の日。なぜか移転先のビルに公安の黒谷がやってきて、しつこく話しかけてきた。内容は公安から日本大志会への資金援助だった。公安の狙いが分からないのに資金を受け取ることは危険なため話し半分に聞いていた颯人と日毬は、さらにその援助の額が毎月100万円という小額なことに驚きを隠せなかった。
 その後、不動産契約を終えた壮司が戻ってくると、颯人と日毬を連れてどこかへ向かった。向かった先はアメリカ大使館だった。壮司は日毬への忠誠を疑わないでほしいと告げながら、二人を大使館の中へと案内していくのであった。





【感想】
 FOOOOO!ひまプロの勢いが止まるところを知らないんだぜ!
 今回の目玉は二つありました。そのひとつが杏奈の電撃移籍。まさか杏奈がここまで幅を利かせるようになるとは、1巻で出てきたときには思いもよりませんでしたね。
 その杏奈が新会社の社長に就任したり、予想以上に芯の通った素敵な女の子であることがわかったりと、ヒロインになるには十分の素質を持っておりました。それに比べて、2巻で守銭奴アイドルなんて謳っていた彼女の低迷ぶりといったら・・・。
 それと、杏奈と話している時だけは、日毬もかわいらしい喋り方をしていますね。これも文通だったり、同年代の同業者の友達という環境が作り上げた素晴らしいひとコマですね。
 あとは、今回のことで確定的だと思いますが、基本的に表紙の女の子がその巻の目玉になるようになっていますね。次回に新キャラが出て表紙を飾るのか、はたまたついに由佳里が表紙となるのか、その辺も楽しみだったりしてます。
 由佳里と言えば、由佳里は颯人と二人きりの時だけは、いつもとはちがったフランクな雰囲気を醸している気がしますね。これも颯人へのアプローチだったりするのでしょうか。こういうときの由佳里は普段の2割増しで可愛い気がしてます。個人的に。
 そしてもう一つの目玉は、与野党の大幹部との接触ですね。
 党代表代行やら幹事長やら、日本政治の核に近い人たちばかりとの会談が早くも組まれたことに驚きました。そんなに簡単に出てくるものか?と思いましたが、きれいなネット~に登録されてたり、党員が3万人越えて、日毬は右翼界のドンなんて言われるようになっちゃってるなら接触してくるものか、と思い直しました。
 そしてそれらをあえなくフイにするひまりん!俺たちにできないことを平然とやってのける!そこに痺れる憧れるぅぅ!
 ですが、与野党を利用するのもアリだと考えているようなので、日毬が直接関わらないにしても、なんらかの関係性が出来上がってくるかもしれませんね。
 それとは別に、ラストの行く末も気になりますね。なぜ壮司がアメリカ大使館へ二人を連れてこられたのか。もしかして壮司はFBIとかCIAとか、そこらへんに所属しているのでしょうか?杏奈の直感が見事的中しているあたり、伏線回収が早いなーと思わされました。まあ、伏線というかフラグみたいなものでしたね。
 ともあれ、芸能、経済、政治がバランスよく盛り込まれていた巻だと思います。なにげに西プロ買収しかけたところの流れも好きだったりします。『羽月莉音の帝国』の前半部分を思い出させるような内容でした。
 


もう普通に局に優遇される立場になっちゃってる辺り、プロパガンダ機関一歩手前ですよね


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  1. 2013/04/28(日) 23:44:32|
  2. 星海社FICTIONS
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ゴールデンタイム (6) この世のほかの思い出に (電撃文庫) 感想

ゴールデンタイム (6) この世のほかの思い出に (電撃文庫)ゴールデンタイム (6) この世のほかの思い出に (電撃文庫)
(2013/04/10)
竹宮ゆゆこ

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過去を受け止めることが今に繋がる、お話


【簡略ネタバレストーリー】
 事故から1週間が経ち、香子は音信不通の引きこもりとなっていた。
 事故後は、香子の父親と母親が各人の両親へ直接頭を下げに行ったり、診察代金を肩代わりしていた。とはいえ、万里たちは大けがをすることはなかった。
 だけど、それ以来香子とは連絡が取れない状態で、それを打破すべく、万里たちは千波のバイト先で作戦会議をしていた。
 ちなみに、事故の際に親と合流した千波は、その時に新しい住居の契約を済ませていた。
 連絡が取れない以上、直接会いに行くしかないという結論になるが、千波はバイトでその日に会いに行けない。かといって男3人で出向くのも何か違うということで、彼氏である万里一人で香子に会いに行くこととなる。
 柳沢に聞いた香子の住所へ向かうと、そこは閑静な高級住宅街で会った。場違いな所へ来てしまったと怖気づいていると、車に乗った香子の父親に見つかってしまう。そして、そのまま香子父について行くように、加賀家へやってきた万里。
 香子の両親はともに外科医をしていた。だからこそバルセロナへバカンスに出かけることもできるのだが、今回はひと騒動あったせいでおじゃんとなっていた。
 香子父に連れられて、万里は香子の部屋まで案内された。香子父はすぐに居間へいってしまう。
 万里はなんとか香子を部屋から引きずり出そうと思うのだが、香子は万里を拒否した。それは自らの慢心が原因で起きた事故への自分なりの責任感の表れだった。あんなことをしでかした自分は、もう万里や千波たちと会わす顔がないと思っていたのだ。
 でもそれは過去の過ちから目をそむけているだけだと万里が言うと、香子はまくらで万里を叩きつけながら、万里も過去を捨てたことを指摘した。でもそれは香子のためだと万里は主張する。すると香子は、リンダを切り捨てたように自分も切り捨てるようになるのだと言い始める。それは悪夢となって香子を苛んでいた。
 そんな夢のことを心配していた香子を見て、万里はなんだか笑えてきた。香子は香子で、万里への罵声を反省した。そうして抱き合いながら、互いに温かい言葉を掛け合っている瞬間を、マルちゃん製麺を手にした香子父は見ていた。
 ちょうど香子父と対面する形にいた万里は、香子に悟られる前に消えろ、とアイコンタクトで訴えたのだが、テンパった香子父は声を上げてしまう。
 当然香子は怒り、再び引きこもりと化そうとしていたので、万里は無理やり香子を居間へ連れて行った。そこで香子は父親から説教を受ける羽目になり、万里は香子父の持っていたマルちゃん製麺を作ることになる。
 煌びやかで豪華なキッチンに圧倒されながらも、万里はマルちゃん製麺を作り上げた。居間にはソファで寝息を立てる香子がいた。どうやら不貞寝をしてしまったらしい。香子父は万里からマルちゃん製麺を受け取ると、ダイニングでそれを食べ始めた。万里は、寝息を立てる香子の寝顔を見ながら、彼女が悪夢に苛まれないようにエールを送るのだった。
 翌日。万里は人ごみでざわめく花火会場にいた。今日はおまけんの4年生の就職祝い兼合宿代わりの飲み会だった。コッシー先輩こと輿野のツテで、あるお店の屋上を貸し切って、花火を臨みながらの飲み会が行われる予定だ。
 万里が屋上に着くと、2,3年生はすでに準備に取り掛かっていた。そんな先輩たちが万里を認めるや否や、なぜか生温かく接してくる。その理由は、コッシー先輩が出欠メールの来ない万里と香子のことに考えを巡らし、結論として、二人は別れてしまったのだと思ったのだ。だから、別れてもどちらかがサークルを止めないように、生温かく接していたというわけだ。
 真相が明らかになった時、ちょうど香子も屋上に到着したのだが、彼女はまさしく極妻というメイクと浴衣で登場していた。急な話で、どこかのばあさんがやっているサロンへ行った結果が極妻だった。
 それからは、メイクを直した香子と準備を進める万里だった。
 すると、4年生も到着したのだが、ここから「30セカンズホワイトアウト」が始まる。
 まず、唯一のNNTだったホッシー先輩も内定が出たということではしゃいでいたのだが、実はNNTのままだったことが判明。(もちろんソースはコッシー先輩)さらにそこへ、万里と香子の事故を、おそらく柳沢経由で知ったリンダが、帰省していた静岡から飛んできて、万里と香子につめよる。すると思わず呆気にとられるほどの大量の花火が空に舞い、どこから突っ込めばいいのかわからずも、万里と香子は手を繋いで、「バルシーシャンス!?」と叫んだ。
 その後、コッシー先輩は見事小間使いとなり、リンダは万里たちの無事を知ることができた。そんなタイミングで、万里はリンダに過去の自分は花火を見たことがあるのかと問うた。
 それは過去から逃げず、捨てず、受けとめようと決意した万里の気持ちの表れだった。さらに、そこに便乗するKY香子の後押しもあってか、リンダは呆れ半分に万里との思い出を語った。
 すると、リンダはこの流れに乗るように、今度静岡で高校の同窓会を行うことが決まっているのだと打ち明けた。万里は行って、いいものかどうか悩むのだが、香子がなかば無理やりに参加することを決定してしまった。
 その後、万里と香子は「爆裂もんじゃ」という屋台を目指して屋上を出たのだが、あいにく完売していた。店へ戻る道すがら、二人は人ごみを割けて回り道をしていたのだが、その途中で「ロッキュー」の音程に合わせた花火が打ち上がり始めて、その花火見たさに近くにあった公園のジャングルジムによじ登りながら、花火を見上げた。
 花火が終わると、香子は勝手に同窓会参加を決めてしまったことを謝った。そして、香子の好きな面しか見えない万里よりも、万里すべてが好きだから、香子は万里に里帰りしてほしいと思っていた。そんな香子に、万里もこれまで抱えていた過去がないことの怖さを、スルリと吐き出した。思わず出てしまった本音に、万里は驚き、そんな万里も好きだと言ってくれる香子の言葉に、万里は涙した。
 万里が帰省すると、実家には新たな住人である猫がいた。両親はその猫をばんりと呼んでいるような節があったが、定かではない。
 そんな万里の元へ、ゴリラとしか思えない兄の運転する車に乗ったリンダがやってきた。ゴリラ兄ことアニは、久方ぶりの万里との再会を喜んでいた。
 そのまま二人は会場である母校へ、アニの車で送ってもらった。のだが、そこで万里は怖気づいてしまった。今日来る人たちの求めているのは、自分じゃなくて過去の万里なのだと思ってしまう。そんな万里の目をふさぎ、手を繋いで誘導するリンダに、恥ずかしくなるような感謝の言葉を述べた万里だったが、その手を繋いでいたのが、過去の同級生にすり替わっていて、恥ずかしい思いをするのであった。
 それからは、体育館で因縁だったドッチボールを元同級生たちと行い、教室ではわいわい賑やかした。元同級生の中には、妊娠し結婚したものや、中学時代からの友達、恩師もいた。その誰一人として覚えていない万里に、彼らは過去の万里ではなく、今の万里として接してくれた。そんな元同級生たちといたからか、万里もはしゃぎ、リンダとツーショットの写メをとったりした。いつか破った過去のリンダの写真を取り戻すかのように。
 夜の飲み会もお開きとなり、万里はリンダといっしょにアニの迎えを待っていた。その間、万里は事故に遭った時に見た、リンダのお見舞いの記憶のことを伝え、リンダはあの時の言葉がきちんと万里に届いていたことを内心で喜んだ。
 ふと、二人は万里がおぼれた川の橋までやってきていた。そこで、万里は香子に過去を乗り越えた証として、橋からの夜景を写メにとって送ろうとした。
 ところが、橋の中央まで来ると、質感を伴ったフラッシュバックが起こった。橋を渡る自分に、バイクがぶつかり、自分は川へ落ちていく。万里の目には、走り去るバイクの後ろ姿が見えていた。だが、すぐさま川に落ちかけた自分の腕をつかむ。だが、自分は万里の手をはがして行く。そしてもう自分が川に落ちそうになった瞬間、万里は現実に戻って来ていた。
 ふとポケットを探ると、香子にもらった手鏡が割れていた。アニの車のクラクションを聞きながら、万里は自分の記憶がよみがえりつつあることに思い至った。
 





【感想】
 ひとまず、祝アニメ化!
 ですが、ただアニメ化するだけでは喜べなくなってきた昨今、どうなるのか今の段階からすでにハラハラドキドキです。ですが、あまり悲観的になりすぎるのもよろしくないので、私はテレビ放送を楽しみに待っておきます!
 さて、今回は海の帰りに遭った事故後から始まったわけですが、事故の後処理や各人の落ち込みようが妙にリアルっぽくて、若干引きそうでしたが、そこはさすがのゆゆこ節。シリアスの中でも独特のギャグセンスを盛り込むことで、絶妙で奇妙な展開を繰り広げて言っています。
 親父のおネエ言葉は、始め親父の台詞だと認識できなかったw
 コッシー先輩はアホすぎるし、ドッチボールの試合なんかも面白かったです。
 ですが、今回の内容はシリアス分が多めとなっておりました。引きこもり香子の思いの丈や、万里が過去と向き合おうとしたり、リンダも万里と中途半端な関係を清算することができたりと、各人の立ち位置、想いの方向性というものが明確になり始めたのではないかと思います。
 万里は最後に、自分の記憶を失う瞬間を思い出したわけですが、この先は香子との関係がどうこうというよりも、亡霊万里との対面が重要となってくるのでしょうか。
 この先もひと波乱ありそうで、続きが楽しみです。





マルちゃん製麺、おいしいよね!


  1. 2013/04/22(月) 21:46:15|
  2. 電撃文庫
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ココロコネクト アスランダム下 (ファミ通文庫) 感想

ココロコネクト アスランダム下 (ファミ通文庫)ココロコネクト アスランダム下 (ファミ通文庫)
(2013/03/30)
庵田 定夏

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日々の積み重ねが絆という繋がりになる、お話


【簡略ネタバレストーリー】
 孤立空間へやってきた太一だったが、孤立空間で目が覚めると他の文研部員たちがいない。携帯は圏外なため、歩いて探しに行こうとした矢先に、永瀬と合流することができた。
 二人は学校の敷地外に稲葉たちが出て行ってしまったのではないかと思い、校門を目指すのだが、進んでいる感覚はあれど校門までたどり着けない。
 そんな二人は、同じく校門を目指していた渡瀬、瀬戸内、中山、石川の4人と出会う。4人は暗示によって孤立空間と現象についてすんなり受け入れている節があった。
 二人は4人と別れた後、校舎内である女子グループを見つけた。そこでは、グループの内誰かの存在感を忘れてしまう現象が起きていた。そこで、二人は孤立空間の人間全てに現象が起きていることを知る。
 次に校舎裏へ行くと、現実で欲望解放が怒っていた1年生グループを発見した。どうやら言い争いをしていたようだ。すると突然、言い争いをしていた二人が消えてしまった。太一と永瀬や、同じグループの少年たちも困惑してしまう。その現場を、大沢美咲を探していた雪菜も目撃する。太一と永瀬が雪菜と話そうとしたとき、校内放送で、生徒会長の香取譲二が全校生徒を体育館に招集した。
 消失者については保留とし、全員体育館へ向かった。そこには3年生を除いた100人程度の生徒たちが集まり、それら全員を救わなければならないことに重圧を感じ始めた太一。だが、そんな太一の元へ残りの文研部員が合流した。
 香取は持ち前のリーダーシップで生徒たちを安堵させ、生徒会を使って名簿の作成をすることにした。文研部員もその手伝いをすることとなる。
 名簿作成も終わると、雪菜が太一たちに話しかけてきた。曰く、美咲も欲望解放グループの消失者のように消えてしまったらしい。
 とりあえず雪菜の話しを聞こうと部室に来ると、雪菜に2番目が宿った。2番目が言うには、ふうせんかずらの到着は遅れるらしい。また、ここでの健康への心配はないことや、強制終了させられると、この世界から消えることを知らされる。しかし、3番目から強制終了の話が生徒たちにされていないので、文研部員がその話をすると、文研部員が危険だという。
 その後、各教室に振り分けられた生徒たちのもとへ、生徒会といっしょに説明に回った文研部員たち。これまで現象に遭っていたことは隠しながら、みんなを落ち着かせて言った。また、そのことを知っている雪菜には、口止めをしておいた。
 校内放送で、体育館へ食料を取りに行くと、瀬戸内と付き合っている城山のグループで諍いが起きたりした。
 その日は、教室や部室で就寝した。
 翌朝、稲葉は太一にだけ弱音をこぼしていた。
 その日の点呼の際に、何人かの生徒が強制終了されていることを知る。困惑する文研部員たちの元へ、後藤にとりついたふうせんかずらが現れた。
 そこで、強制終了が増えすぎると孤立空間が終わり、現実で生徒たち全員に記録抹消が生じる。そうならないためには、文研部が生徒たちをひとつにする必要があり、その時にふうせんかずらが何らかの仕掛けをするのだと言った。
 だから太一たちは経験者であるアドバンテージを活かして、全員に声をかけていった。
 しかし、香取は文研部が経験者であることを秘密にしていたことが気に食わなかった。
 太一たちが教室回りをしていると、再びどこかのグループの女の子たちが強制終了されてしまう。
 そこで文研部は、体育館に生徒を集めて、現象はそのうち終わるものだと説明した。しかし、強制終了を目の当たりにした生徒からの質問に答えることができず、決定打は得られなかった。
 しだいに、生徒間には生徒会側、文研部側という派閥が出来上がりつつあった。さらに、文研部はこの事件の首謀者だという噂が生徒会から流れつつあった。
 それを知った文研部は生徒会を探した。すると、挌技室というところで、生徒会は二人の生徒に殴り合いをさせていた。すると、二人の生徒は強制終了されてしまった。
 香取は強制終了を生還方法だと決めつけ、体育館で公表した。当然、文研部はそれを否定したが、全てを説明することはできずに、受け入れてもらえない。それどころか、文研部への猜疑が深まり、いきなり現れた3番目の言葉で、一気に文研部は生徒たちから敵視されるようになる。
 太一たちはめげずに、仲のよかった友達を尋ねるのだが、追い返されてしまう。雪菜にいたっては、会長について行っているところを見てしまった。
 太一と永瀬は、再び渡瀬たちに会いに行った。だが、そこで彼らは現象に見舞われてしまい、強制終了を起こそうとする。そこで行動を起こしたのは太一だった。
 太一は渡瀬に藤島との仲を取り持つことを約束し、石川にはダブルデートを企画した時の借りとして、自分を信じてもらうことに成功した。
 永瀬も、中山と瀬戸内に愛の力を語って、現象に負けないように促した。
 青木も千尋も円城寺も、ひとりひとりに語りかけるようにして、誤解を解いて行った。
 稲葉は、藤島に自分たちのかわりに香取の代わりとなってくれるように頼んだ。だが、断られてしまう。
 そして唯は雪菜に会いに行った。陸上部全員強制終了してしまい、憔悴しきっていた雪菜を、唯は叱咤激励した。
 すると、生徒たちは香取によって体育館へ招集された。そこで雪菜は強制終了を推奨する証人として壇上に立たされた。だが、彼女は唯からの励ましによって、この世界で戦っていく決意を表明したのだ。
 そんな雪菜に触発されたように、渡瀬も太一という友人の言葉を信じてこの世界で戦っていきたいといった。
 そこにきて、藤島も生徒会執行部という役割を脱して、一人の生徒として生徒たちに声をかけた。こんなのは林間学校のレクリエーションみたいなものだ。それに、この世界で信じられるものは友達しかいないのだと。
 藤島の声に、生徒たちは賛同していった。すると、香取も自分の非を認めた。彼はただ、生徒会長としてリーダーであるべきだという使命感から行動していただけだったのだ。
 すると、体育館の上部に亀裂が入った。まるで空間が割けているように。
 そこに現れたのはふうせんかずらだった。文研部はふうせんかずらから孤立空間の終わりと同時に、自分たちに記録抹消がなされるという宣告を受けた。そのことに憤る一同だったが、あっという間に意識が真っ白になった。
 太一たちは記録抹消により、これまであったはずの恋愛関係や友好関係などがなかったことにされていた。そんな中、太一は自室で見覚えのないノートと紙切れを見つけるのだが、その時は気にも留めなかった。
 一方、千尋と円城寺は自分のカバンに入れた覚えのないふうせんかずらの種が入っていたことに気付くと、円城寺の提案で種の出所を調べることにした。当たりをつけたのは近場の花屋。しかし臨時休業で話を聞くことはできなかった。
 その帰り道で、二人は太一の妹である莉奈と出会う。そこで莉奈はふうせんかずらの種の話を耳にする。莉奈が家に帰ると、太一の自室で、太一がノートに挟まっていたふうせんかずらの種を見つけたところを目撃する。
 太一は、莉奈が1年生コンビと出くわし、ふうせんかずらの種の話しをしていたことを知り、この身に覚えのない種の話しを学校で二人にしてみた。すると、二人も種を買ったりもらった覚えはないという。
 そこで、3人は他にもこの不思議な体験をしていないか聞いて回ったところ、永瀬に、文研部全員に聞くべきだと言われる。部室に集まった部員たちは、そこから永瀬も持っていたふうせんかずらの種を入れていた紙に書かれていた病院へ行ってみることにした。彼らは、何かを忘れている気がしたのだ。
 病院に行くと、なぜか永瀬と太一は抱き合うべきだと思ってしまう。それは人格入れ替わりが起きた時に、永瀬が死を宣告された場所だったからだ。
 二人はおぼろげながら、その場で過去に抱き合った記憶があることを思い出した。同時に、他の部員もある場所が脳裏に浮かんだ。
 青木と唯は、退行現象が起きた時のビルに行き、青木は唯に告白しなければならないと思い立ち、唯は唯で青木に思わず抱きついていた。
 稲葉と太一は感情伝導の時に訪れた山へやってきた。そこで太一と指が触れた稲葉は、太一への好意を思い出したのだった。
 永瀬は廃工場で、自らの意志を示すという決意を思い出した。
 千尋と円城寺は、陸上部のマラソン大会のコースを巡ることで、ふうせんかずらの存在をおぼろげながらに思い出した。
 その後、全員は部室に戻ってきた。その時、太一が持ってきたものは、修学旅行で買った、稲葉とおそろいのペンダントだった。もちろん、稲葉も同じものを持ってきていた。
 7人は全てを思い出したのだ。
 そこへ、ふうせんかずらが現れた。ふうせんかずらが言うには、3番目を出し抜いて、文研部と自分の記憶を保持するのは困難だったらしい。だから、一度記憶を失わせて、取り戻させる作戦に切り替えたらしい。文研部にそのことを伝えなかったのは、妙な不安感を与えず、かつ自分への憎悪で自分のことを印象付けるためだったようだ。
 ふうせんかずらは満足していた。不安定で不完全で、だけど素晴らしい人間の生き方を観察できたのだから。
 これが、ふうせんかずらと文研部の最後の別れとなった。
 時は過ぎ、太一たちは3年生となった。それでも、彼らのやることは変わらない。他愛無い日々を重ねて、友との絆を繋げていく。ただ、それだけのことだ。でも、それはとても意味のあることだ。







【感想】
 ついに本編が終わってしまいました。ですが、予想以上に長く続いたシリーズだったと思います。ランダムに何かが起こる、という制約の中であれだけ色々な仕掛けと人間模様が描かれていたことは、すごいことだと思います。
 今回に関しては、まあ予想通りの経過と結末、といったところでしょうか。特に驚きもなければ悲しみもない。最後にはちゃんとハッピーエンドが待っていました。
 なるほどなー、と思ったのは、ふうせんかずらの種が記憶復活のキーとして使われていたところくらいでしょうか。
 前回から上下巻構成で、規模が大きかったせいか、設定に説明不足な点が多かったように思えます。
 まず、強制終了と記録抹消がごちゃまぜに感じられた。
 ・強制終了=現象中に、現象対象者が不穏分子となるようなら、これを消す。記憶も消える。
 ・記録抹消=現象終了時に、現象に関する記録、記憶を消す。
 ということだと思うのですが、この二つの効果が重なる部分が多くて、どっちがどっちかこんがらがる時がありました。
 また、記憶を喪失した時、瀬戸内はヤンキーとして日々を過ごしていたことになっていましたが、記憶が戻ると清楚系に返り咲いていました。文研部の記憶が戻ると、それに応じるように周囲の環境も現象を受けていた時に巻き戻る意味がわかりませんでした。
 記憶喪失時の太一たちのいる世界は、記憶喪失前の世界と同一のはずなので、記憶が戻るくらいじゃ世界は変わらないと思いましたね。
 でもまあ、そう言う点に関してとやかく言うのは、この作品に関しては無粋なのでしょう。なにせ、テーマが心や友情、恋愛、絆といった抽象的であやふやな概念なのですから。だから、最終的にはみんなハッピィってことで良しとするべきなのです。
 今回は、いつも以上に恥ずかしい内容で、読んでて白けそうになるところもありました。ですが、そう言ったところも含めて、高校生らしさが醸されていて、さらにそんな彼らの信頼関係というものの素晴らしさを感じ取れたように思えます。
 次回作は未定なようですが、次回作も恥ずかしい成分多めな気がしてきますよ。
 とりあえずは、最終巻である短編集を楽しみにしておきます。




終章のタイトルが、受賞時の作品タイトルだったところに、著者の本懐を感じる


  1. 2013/04/21(日) 11:56:36|
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バカとテストと召喚獣11 (ファミ通文庫) 感想

バカとテストと召喚獣11 (ファミ通文庫)バカとテストと召喚獣11 (ファミ通文庫)
(2013/03/30)
井上堅二

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幼馴染の恋がハッピーエンドへ向かう、お話


【簡略ネタバレストーリー】
 3年生と学園長によって試召戦争を中断させられたA組とF組。さらには教室の設備を賭けて3年生と対戦することとなる。この勝負、リンネが裏で糸を引いているようだ。
 明久は、そのリンネから預かっていた手紙を持っていたのだが、それは髙城に渡すこととなった。
 戦闘は、センター試験に準じ、1週間後に行われることとなった。
 髙城は、瑞希への猛アタックを続けるのだが、それは明久によって阻まれた。髙城と瑞希には、なにかしらの関係性があるらしい。
 2年生はクラス連合を組織し、各クラスの委員長が合同会議に臨んでいた。そこで、とりあえずリーダーを決める話しとなるのだが、Fクラスである雄二には反対票が多く、結果として翔子がやることとなった。
 その背景は、雄二に色目を使う小山に対抗するためでもあった。また、内部分裂を避けるため、嫌われ者である雄二は積極的に意見を出しづらい状況でもあった。
 試召戦争が始まった。2年生は翔子によって、戦力を平均的に振り分けたグループをいくつも作成した。対する3年生は、各クラスごとにグループを振り分けているようだ。
 本拠地である教室に行くには、グラウンドを通る必要があり、自然とグラウンドが戦場と化していた。
 明久たちは、清水や玉野といった扱いの難しい連中と組まされていたが、戦闘中はうまい具合に切り抜けた。
 クラス代表が戦死すると、そのクラス全員が戦闘不能になるため、雄二たちは戦場にいない。
 明久たちは後続グループと入れ替わり、点数補充に向かう。その先で、明久と清水のやりとりに美波が嫉妬したり、明久はリンネに、もっと活躍しろ、と忠告されたりした。
 補充が終わり、グラウンドへ向かうと、仲間割れが起きているところが増えていた。その原因は、3年生による干渉だった。そこで明久は、干渉者を見つけ出し、秀吉たちの協力を得て倒すことに成功した。
 昼休みとなり、誰もが休憩している中、翔子だけが午後に向けて作戦を練っていた。その様子は、誰が見ても働き過ぎだった。
 また、髙城が瑞希に再びアタックをかけにきたりもしていた。
 その後、作戦会議では、雄二が翔子の負担を減らすように提案したが、翔子がそれを辞退し、根元による雄二への高圧的な態度で却下された。
 だが、雄二はどうしても再びAクラスと対戦して勝ちたい理由があったため、こんな戦争で負けるわけにはいかなかった。
 午後になると、戦場はグラウンドから校舎に移っていた。優勢は2年生だ。2年生は、午後からは各クラスごとの編成になっていた。しかし、開始後にクラスは分断され、3年の各クラスに紛れ込んでいた3-Aの生徒たちによってどんどん点数が減っていった。
 明久たちは、Bクラスの後ろ盾がなくなったことで、近くにあった教室に退避していた。とはいえ、敵の本拠地はすぐ近くだ。
 その中で、雄二は起死回生の策を模索するのだが、どうにも思い浮かばずに諦めてしまった。そんな不抜けた雄二に鉄拳をかました明久は、雄二に代わってある作戦を考えた。
 黒板消しや菓子袋の破裂音を駆使して、火事を演出したのだ。それによる混乱に乗じて、明久たちは総大将である髙城のいる教室に辿り着いた。総大将を討ち取れば勝利だ。
 しかし、髙城の教室には常夏コンビを始めとしたAクラスの連中が待機していた。動くことのできない明久たちを尻目に、髙城は瑞希へ告白をした。しかし、あえなく振られてしまう。
 髙城はこの告白をするためだけに、明久たちをここまで誘導したらしく、明久たちをみすみす帰らせてしまう。
 しかし帰り際に、火事作戦が雄二の考えた作戦ではないことを知って、明久の評価を改めていた。
 そんな髙城の評価が雄二に火をつけた。明久と同等に扱われてしまったことが不本意だったのだ。
 その後、雄二たちはFクラスのクラスメイトたちを犠牲にして戦線を抜け出すことに成功した。さらには2年生連合を掌握するために、邪魔者である根元の戦死を企て始める。
 そんな雄二たちの元へ、久保、優子、工藤といったAクラスの3人がやってきて、翔子のピンチを伝える。なんとかして翔子のピンチは退けたが、翔子は疲弊していた。
 それは、小山と雄二が付き合い始めてしまうのではないかという不安感から、今だけは一応恋人関係である雄二に自分のことを好きだと言ってほしい故の頑張りだった。
 そのことを知った一同は雄二に優しい言葉を求めるのだが、雄二はぶっきらぼうに返すのみ。
 だが、周りのバッシングに辟易とした雄二は、翔子のいるAクラスに勝ってから、翔子に告白するつもりだったことを発表した。
 雄二の心の内を知って、翔子は涙を流す。
 試召戦争は翌日に持ち越されることになったものの、明久たちは勝利への決意を新たにしたのだった。




【感想】
 クライマックスなだけあって、シリアスな展開で物語が進んでいました。結果、ギャグ成分は少なめでしたが、清水と明久のやり取りには笑わせてもらいましたw
 学年対抗試召戦争という大規模な戦闘の形式はとても面白味があると思うのですが、やっていることはほとんど通常の試召戦争と変わらなくて残念です。この点に関して言えば、連合会議の不和くらいしか取り立てて面白いところはなかったように思えます。
 保健体育が教科として認められているのにセンター試験に準拠する意味はあるのでしょうか?
 今回の読みどころとしてはやはり、雄二と翔子の関係が一応ハッピーエンドを迎える準備ができたところでしょうか。バレバレの結末ではありますが、そうでなきゃな、という思いもあってか、嬉しく思います。
 おそらく、次回が本編最終巻となりそうですが、明久の恋路やリンネの正体に、髙城と瑞希の関係性などなど、謎はいくつも残っているので、そういう要素がどういったラストを形作っていくのか楽しみにしておきます。




前回から間が空きすぎていて、リンネって誰?状態でしたし


  1. 2013/04/14(日) 11:00:22|
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おおコウスケよ、えらべないとはなさけない! 2 (富士見ファンタジア文庫) 感想

おおコウスケよ、えらべないとはなさけない! 2 (富士見ファンタジア文庫)おおコウスケよ、えらべないとはなさけない! 2 (富士見ファンタジア文庫)
(2012/04/20)
竹岡 葉月

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一人の少女を追い求めていたら両手に花になっていた、お話


【簡略ネタバレストーリー】
 かつて蛍がいたポジションである昂介の隣に、今は彗がいる。それが気に入らないクララは、ある決意を抱く。
 昂介のクラスでは6月の体育祭に向けて参加種目を決めていた。昂介は楽~な競技に出る予定だったのだが、体育委員である和歌田唱子によって元野球部の昂介はスウェーデンリレーに出場することとなった。一方、彗はムカデ競争に出場することとなる。
 放課後に第2図書室へ行くと、月穂や空美がハチマキを作っていた。良夜は手伝わされている。彼女たちは体育祭の競技に参加しない代わりに、こうした雑用を任されているのだ。
 そして出場種目のある昂介と良夜は、その後図書室にやってきたやる気満々の先輩方にグラウンドへ連れて行かれることとなった。
 学年通してクラス別対抗形式を取っているため、学年の壁を越えて各クラスが練習に励んでいた。女子たちはダンスの練習をしていた。そこへ遅れてやってきた女生徒がいた。クララだ。彼女からは日頃のオドオドしたオーラが掻き消え、その相貌の美しさをあふれんばかりに振り撒いていた。
 クララの変貌に驚く昂介だったが、もっと驚くべきことに、翌日になると、クララが昂介を賭けて彗に体育祭で勝負を挑むことになっていた。そのことを彗と唱子から聞いた昂介は、放課後にクララを呼び出した。その場に彗も居合わせ、ボートファイトという競技で争うことが決定された。
 家に帰った昂介は、実はクララが自分のことを好きなのではないかと思い始める。思い切って翌日クララにそのことを聞いてみたのだが、あっさりと否定されてしまう。
 第2図書館では何やら怪しい動きもあるようだった。
 そして体育祭当日。昂介が彗の出場したムカデ競争を観戦していると、彗たちが転倒してしまった。もちろん結果はドンケツ。
 そんな時、変な言葉遣いの夫婦が昂介に父兄席の場所を訪ねてきた。そこへ彗がやってくると、その夫婦が彗の両親であることが判明した。昂介と彗は次の競技に参加する必要があったので、夫婦は良夜に案内されることになった。
 昂介のリレーの結果は特に何も起こらなかった。しかし、彗のダンスがあまりにもひどかった。もともとひどいダンスだったのだが、練習で上達したはずだったのだが、なぜかキレがない。
 昼休みとなり、休憩していた昂介の元へ、長老がやってきた。彼は昂介に盗んできた体育祭の賞品を渡すと去って行った。これは第2図書館の伝統であるらしい。
 ほどなくして昂介は体育委員会に見つかり、逃げ出した。昂介は無実の証明のため長老赤星を探していると、彗を見つけた。彼女によって赤星は見つかり、再び賞品は彼の手に戻った。
 心配事もなくなりグラウンドへ戻ろうとした昂介だが、そこで彗がムカデ競争のときに足を捻っていたことを知る。彗はボートファイトに参加することはできそうになかった。それでも参加しようとする彗を抑えて、昂介は女装してボートファイトに参加することにした。
 クララは不満そうだったが、委員会がOKを出したので競技は始った。薙刀を習っているクララが優勢だったが、最後には昂介が逆転勝利を収めた。
 クララは蛍が昂介に恋していることを知っていた。でも蛍はいなくなった。だから、蛍が戻ってくるまで、自分が蛍のように昂介に本を貸したりして蛍の居場所を守ろうと思っていた。だから、彗の存在を認めることができなかったのだ。
 そのことを知った昂介は、蛍と彗を混同することはないと伝えた。
 その後、昂介は彗を背負って保健室へ向かおうとしたのだが、階段から落ちてしまう。結果、彗は靭帯を痛めてしまう。落ち込む昂介の元へ、良夜がやってくると、彗と蛍は同一人物かもしれないと言いだした。
 昂介と入れ替わるように彗のお見舞いにやってきたクララは、そこで彗のあるお願いを聞くことになる。
 良夜の推測を受け入れられないままの昂介は、松葉杖をつくことになった彗を、自転車で送り迎えすることになった。
 校門で別れた二人。昂介はその後、地味に戻ったクララを発見し、クララが昂介を信じていることを伝えられる。下駄箱に行くと、良夜と彗が楽しげに話していた。
 良夜はそこで知った彗の血液型と星座が蛍と一致していたことから、彗=蛍説の確信を強めていた。
 それから数日後、昂介は学校帰りに彗の買い物に付き合い、そのまま荷物を彗のマンションに持っていくこととなった。高級マンションに一室である彗の家で、彗がお茶を出している間に彗の部屋へ買った服を持っていくこととなった。昂介はそこで蛍=彗説の証拠を探そうとしたのだが、彗の下着類が無造作に置いてあって探すことができないでいた。
 昂介を呼びに来た彗にそのことを怒られたのだが、とりあえず居間に連れて行かれた。そこにはケーキが置いてあり、いきなり彗がクラッカーを鳴らした。今日は昂介の誕生日だったのだ。誕生日のことはクララから聞いたらしい。
 二人はそのまま話していると、彗は読書が苦手だという話になった。そこで、昂介はいつか蛍が自分にしたように、彗へあるライトノベルを勧めた。もちろん、結末を自分が体現する約束付きだ。
 そこへ、彗の両親から電話があり、今日は帰れないことを告げられる。
 すると、唯一の部屋の明かりだった蝋燭の火が消えて、部屋が真っ暗になった。その時、彗が蛍を彷彿とさせる言葉遣いで昂介へ話しかけてきた。昂介は彗が蛍なのではないかと思い、中学の頃の思い出を話してしまう。
 だが、彗は彗だった。昂介たちが自分にそっくりな友達の話をしていることは知っていた。だからクララにお願いして蛍のことを知り、カマをかけたのだ。自分の知らない誰かと自分を比べられることが不愉快だったから。
 彗は家を飛び出した。けれどすぐに帰ってきた。二人は体裁を取り繕うようなぎこちない会話を交わして、別れた。
 それからの二人は、いつも通りのようでいて、どこか見えない壁が隔たっているような関係となった。
 そして夏休みが明けて、新学期。昂介と彗の関係は回復していなかった。放課後になって、昂介が教室に忘れ物を取りに行くと、彗がいた。こっそりと昂介に借りていたライトノベルを昂介の机に入れようとしていたのだ。
 きまりの悪くなった彗はすぐさま逃げ出し、昂介は追いかけた。そして学校を抜け出してから彗に追い付いた。そこで二人は、互いに蛍の存在を気にかけ過ぎていたことを了解し合った。
 学校に戻りながら、彗は昂介に借りた本を読んだことを伝えた。すると昂介は、本の布教に成功した喜びを抱えて、物語の結末である、プールへダイブを決行した。
 そんな昂介を見て、彗は昂介に告白した。昂介はその告白を受け入れそうになっていた。
 そこへ、彗の口調が蛍のそれへ変化した。また彗の悪戯かと思った昂介だったが、蛍の口調の彗は、蛍と昂介しか知らない中学校のコンクールエスケープの話しをし始めた。
 それで確信した。彗は蛍だったのだ。
 すると彼女は急に気絶した。そんな彼女の元へやってきたのは、彗の母親だった。彼女の車に乗せられた昂介は、そこで蛍失踪後の話しを聞いた。
 蛍は父親と祖父と夜逃げした後、二人の元から逃げたらしい。そして母親にすがりつこうとしたが、母親には新しい家庭があった。そこで叔母である彗の母親に国際電話で助けを求め、蛍はアメリカで暮らすこととなった。
 ただ、蛍には空想癖があり、アメリカでは彗として過ごすようになっていた。だが、蛍が彗であってもいいのか判断しかねた両親は、蛍を再び雛口市へ連れて来たのだ。
 急に人格が復活したため、蛍は少しの間入院した。その間に良夜やクララもお見舞いに来て、再開を喜んだ。しかし、そこに彗はいなかった。
 復学すると、彗しか知らないクラスメイト達は戸惑うものの、蛍を受け入れた。
 第2図書館を、蛍はいたく気に入っていた。昂介からも本を貸してもらえるようになっていた。でも彗はいない。
 そんなある日の帰り道、蛍は家庭環境から恋愛を忌避していたが、昂介を好きになっていたことを告げた。そして、昂介も蛍に好きだと告げた。その瞬間。
 笑みをたたえて彗が現れたのだ。そして、彗は彗で昂介へ好意を隠そうともしない。こうして、昂介は一人で二人の少女からの好意を受け止める羽目になったのだ。
 翌年。文化祭にやってきた中学生を勧誘しようとして失敗する、昂介と蛍の姿があった。芳しくない結果に落ち込む昂介を、蛍が慰めていると、今度は彗が表象した。
 結局、昂介はどちらかえらべないままに、恋を続けていたのだった。




【感想】
 いいですね。揺れる少年の恋心と、彼らを知る人たちの反応が実に面白い。というか個人的に好きな部類のお話でした、という話なんですけどね。
 蛍と彗の関係性が無難すぎてちょっと残念でしたが、2巻構成ということを考えれば、ちょうどいいのかな、と思ってしまいます。
 この巻の最大の見どころは、やはりヒロインたちの関係性なのでしょうが、個人的にはクララの変身と思いの丈が最大の魅力だったように思えます。
 親友のために柄にもないことをしてまで頑張ってしまう彼女の健気な行動がとても綺麗に思えました。
 最終的には、タイトル通りの結末を迎えましたが、彼女たちの間柄を考えると、その選択も間違いではないのではないかと思えてきます。
 たった2冊というラノベにしてみれば驚きの短さできちんと物語を丸められた、貴重な作品だと思います。
 テーマも青春していて、個人的にとても楽しませてもらえた作品でした。





彗の母親の、ファッキン=すごく、という和訳がツボに入りましたw

  1. 2013/04/11(木) 21:35:08|
  2. 富士見ファンタジア文庫
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変態王子と笑わない猫。4 (MF文庫J) 感想

変態王子と笑わない猫。4 (MF文庫J)変態王子と笑わない猫。4 (MF文庫J)
(2011/09/21)
さがら総

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猫像なんて必要ないんや!、というお話


【簡略ネタバレストーリー】
○月光ロストワールド 
 横寺がまだ1年生だった頃、陸上部の鬼ランニングをエスケープして、彼は保育園を覗きに行った。そこで出会ったのは、鬼の仮面をつけた少女だった。
 少女に怪しまれる横寺だったが、横寺が自分の姉の学校の人だと分かると、少女は横寺を怪しむのを止めた。
 それから横寺はエスケープの度に少女と会っていた。時には少女のおへそを突いて怒られたりもした。
 そんなある日、少女は横寺に相談を持ちかけた。少女の夢は保育士らしいのだが、顔に本音が出やすく、先生となることは難しいとおもっているそうだ。横寺は、自分は逆に建前でしかしゃべっていないことを語った。
 それから二人の邂逅は一月続いた。
 その日、横寺は少女の新しいお面を選ぶ手伝いをすることになっていた。だが、エスケープしようとした矢先に、校門でうずくまっている他校の制服を着た少女を見つけてしまう。助けようとすると激しく罵倒されたのだが、結局は保健室へ連れて行った。さらには鋼鉄の王にも見つかってしごかれてしまう。
 そのせいで、鬼の子と会うのは夜になってしまった。鬼の子は狐のお面をかけていた。さらには横寺の高校の制服を着ていた。
 少女は高校入学を期に、保育園通いを止めた。最後まで少女は自分の名前を明かさなかったが、高校で自分を見つけてほしいと、横寺に告げた。


○沖縄ハッピーエンド
 横寺の計らいで沖縄にやってきた梓とモリイ、モリヤの三人。梓は横寺からの連絡がないことに怒っていたが、モリイとモリヤはこれを期に梓との仲直りを画策していた。
 喫茶店で三人が休憩していると、モリヤが横寺とのH事情を梓に聞いて来た。当然そんな経験のない梓は困惑する。そこへ、同じく経験のないモリイが梓をフォローするのだが、梓が強がって経験があるようなことをいうものだから、モリヤの加勢し始める。
 それから話しは横寺のどこが好きなのかという話しに逸れ、梓が滔々と横寺の魅力を語るのだが、二人にはそれが理解できなかった。結果、二人は横寺にはイケメンな兄がいて、その兄と梓が付き合っているのだと結論付けた。梓は本当のことを言い出せなかった。
 それから三人は沖縄の海に出かけた。だが、途中でモリイが熱を出してホテルへ向かった。モリイが目を覚ますと三人は川の字になって寝ていた。そこで、モリイは過去の修学旅行のことを謝り、梓はそれを許していた。
 その後、梓の元に横寺から電話が入った。会話を盗み聞きしていたモリイは、自分も彼氏を作ろうと決意するのだった。


○教会シンドバット
 横寺がまだ中学生の頃、友人ポンチの飼っていたウサギを探して、目撃証言のあった教会へやってきた。
 するとミス・エマヌエーラと呼ばれる少女がシスターからお叱りを受けていた。その少女が泣き出しそうだったことを察した横寺は、教会の裏で泣いていた少女を慰めようとした。
 ところが、少女は汚い言葉でシスターを罵倒し、さらにはキザったらしい横寺にも険悪な態度を示した。
 すると、少女がウサギを抱えていることを知り、それを返してもらった。その時、教会から少年少女の讃美歌が聞こえてきた。横寺は少女がハブられていることに気付き、慰めたのだが、少女に自分の卑猥な画像を取られてしまった。
 それから3ヶ月、横寺は少女ことエミに付き合っていたのだが、我慢の限界に達して、教会へ告発文を送った。しかし、それをエミに読まれてしまい、より一層虐げられてしまう。
 ある日の夜、エミは礼拝堂をメチャクチャにしようとするのだが、横寺にそれを否定される。そしてエミは父親に相手をされてないことや聖歌隊に悪態をついたりしていた。そんなエミを、横寺は肯定した。
 それからも二人はいっしょに遊んだ。告発文はいつしかエミと遊んだ日記帳となっていた。



○陸上ダイヤモンド
 ある日のこと、鋼鉄の王は陸上部副部長と横寺を部室に呼びだした。鋼鉄の王は二人のこの先の陸上部を託そうと思っていたのだが、この二人の仲の悪さを憂いていたのだ。副部長は鋼鉄の王の崇拝者であり、変態王子である横寺を蔑視しているのだ。
 そこで、鋼鉄の王はお手製双六をつかって二人の仲を深めようとした。ソースは家で月子と双六をしていたことだ。
 その双六には下着を渡すだの、頭を撫でるだの、お姫様だっこだのといかがわしい内容ばかりだった。製作者は鋼鉄の王だ。
 だが、最終的には双六に書かれていた月子の注意書きによってゲームは終了した。
 だが、今度は鋼鉄の王が横寺と横寺弟(妄想)とダブルデートをしようと提案し、副部長もそれに乗っかるのだった。



○幻想メリーゴーランド
 イタリア学校事件から、梓は幾度となく横寺にとりとめもない電話をかけ続けていた。それが横寺には梓が楽しそうなのか分からなくて、思い切って梓を遊びに誘ってみた。
 すると、梓は横寺に遊園地へ行きたいと言ってきた。遊園地では恋人プランを使ったり、ゴーカートではしゃいだりして、デートらしきものを楽しんでいた。
 しかし、その現場に児童館の遠足の下見に来ていた月子が出くわしてしまう。月子と横寺は居心地悪くなったのだが、梓はそのまま月子も合流させて、レストランへ入って行った。
 そこで梓は好きな人とファーストキスをする夢を見たなどと語り、月子は二人の仲の良さに嫉妬して、横寺の膝に座りながら、付き合いは自分の方が長いのだと主張するのだった。




【感想】
 短編集ということで、各ヒロインの可愛さがそれぞれの短編で存分に発揮されているように思えました。月子とエミの過去話を読むことで、二人のフラグがどのように建ったのかよくわかりました。
 鋼鉄の王に関しては、最初のクール一徹ながら月子にだけ甘い、というスタンスもよかったのですが、お姫様だっこされて恥ずかしがる姿も最高でしたね!
 というかコマメちゃんこと梓の沖縄旅行が面白かった。ギャル二人組の良い子さもよかったのですが、それ以上に梓の可愛さが際立っていました。
 なんというか、猫像が関わっていない方が断然面白く思えてしまう。でも猫像なしでは話に刺激が加わらないので、なんとも言えない感じがします。




モリヤのビッチ具合がラノベにあるまじきビッチさだった


  1. 2013/04/07(日) 15:45:43|
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ラノベとゲームの感想を中心に気ままに更新しているブログです。
※備忘録としても使っているので、ネタバレを含む内容となっているところがあります。
文章がおかしな点が多々あるとは思いますが、勢いだけで書いているので見逃してください。

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