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ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫) 感想

ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)
(2013/02/22)
三上延

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親子・友人・姉妹・知人といった人間関係に進展が訪れる、お話


【簡略ネタバレストーリー】
 震災が起こってから数日後、栞子の母親である條川知恵子が間接的に大輔と接触するも、特に変化はなかった。
 そんなある日、栞子に謎解きの依頼が舞い込む。依頼人は来城慶子という高齢者。依頼には代理人として妹の田代邦代を立てた。来城慶子は震災で足を悪くし、さらに咽頭癌によって喋ることも不自由であったためだ。
 彼女の依頼は、彼女と愛人関係にあった故人、鹿山明が残した金庫を開けることだった。報酬として、江戸川乱歩の初版本ばかり集めた作品集を売ると言っている。さらに、彼女は栞子を試す様な問題を出し、栞子は見事に説破し、依頼を承った。
 金庫には3つのセキュリティーがある。暗証番号と錠前(キーロック)と暗証文字(パスワード)だ。暗証番号はすでに見つけたのだが、残り二つが見つからない。そこで栞子たちは鹿山明の実家に鍵がないか探しに行くことになる。
 その間に、大輔は栞子にデートの誘いを申し込み、返事を待つことにした。
 後日、鹿山明の息子である義彦に、鹿山明の人物像や過去話を聞く。その中で、来城慶子から聞いていた鹿山明の人物像と食い違う証言があったのだが、2面性のある人物として気にはしなかった。
 また、鹿山明の書斎を拝見した際に、乱歩の作品『少年探偵団』のBDバッジを見つけたり、倉庫で義彦が小さい頃に読んでいた『少年探偵団』を見つける。そこから、義彦の妹、鹿山直美にも話を聞くことになり、二人は彼女が努めるヒトリ書房へ向かった。
 彼女が働いているヒトリ書房の店主、井上は、鹿山兄妹と幼馴染に当たるそうだ。ヒトリ書房で直美から話を聞くも、収穫はなかった。しかし、栞子は、彼女が何かを隠しているのではないかと疑る。その時、店主であり、栞子のことを警戒する井上が帰って来て、二人は退散した。
 すると後日、ビブリア古書堂に井上がやって来た。彼は来城慶子と知り合いだった。彼は古書店を始めた時、素人ゆえに大きな痛手を負っていた。それには條川知恵子も関わっており、それがトラウマとなって、井上は條川親子を警戒していたのだ。そんな井上に資金援助として乱歩の古書を提供してくれたのが、鹿山明だった。
 そんな折に、條川知恵子から鹿山明を紹介してほしいと頼まれた。さもなくば、厳格な人物として通している鹿山明が古書好きなことや、井上が直美に内緒で鹿山明から援助をうけていたことをばらすと脅される。
 そんな過去を語った井上は、鹿山明に嫌われながら育ったと思っている直美の誤解を解くことだった。
 そこで栞子は、直美を鹿山家の書斎に呼び出した。方便としては、井上の書いた直美と結婚させて欲しいと言う旨の鹿山明宛ての手紙が眠っているはずだから、というものだ。
 直美を待つ間、栞子と大輔はクローゼットの中で待つようにしており、そこで、栞子は以前誘われていたデートに応じる返事を返すのだった。
 すると、直美がやってきて、書斎にあった機械仕掛けのソファに隠されていた『少年探偵』シリーズを取りだした。そのソファは、鹿山明の隠し場所であることを、直美は幼少期に見つけていたのだ。
 直美は井上に騙されていたことを知ると、店番へと戻って行った。井上は、本当に手紙を書いていたのだが、郵送することができなかったことを語ったのだが、直美はそれに取り合わなかった。
 そんな二人を見送った栞子と大輔は、ソファの中に鍵がないことに肩を落とした。しかし、栞子は直美の語ったソファの過去話から、書斎の扉が仕掛け棚になっていることを見抜き、見事そこから鍵を見つけ出したのだった。
 その鍵が金庫の鍵かどうか確かめに、来城家へ赴いた二人は、そこで條川知恵子と対面する。栞子は言葉を交わすことなく車へ戻ってしまうのだが、智恵子は栞子の妹の文香と会うためビブリア古書堂へ向うから、と同乗することとなる。車の中で、栞子は自分の知識と知恵が、母親に劣ることを思い知らされる。大輔も、智恵子の栞子以上の智謀に舌を巻いた。
 ビブリア古書堂に帰ると、文香は予想に反して、智恵子を歓迎した。そして食事の席で、文香は智恵子に、栞子には何故本を残して、自分には残してくれなかったのかと問うた。(これが最近の姉妹間の不和の原因だ)しかし、本当は文香にも本が残されており、それは栞子が保管していた。残された本は旅の絵本だった。
 そして文香は、智恵子が無理に帰ってこなくてもいいと言う。ただ、帰ってこない間に、自分たちが母親を忘れても知らない、とも言う。そんな娘の成長を、母親は感慨深げに受け止めるのだった。
 食事後、栞子は鍵について智恵子に話すことになり、智恵子が鍵のあった場所に暗証文字の手がかりもあるのでは、と察したことを察し、栞子と大輔は急いで鹿山家へ向かった。
 しかし一足遅く、すでに智恵子がやってきたあとだった。だが、暗証文字のヒントである二銭銅貨は、義彦の息子である鹿山渉が取っていた。渉は二銭銅貨を渡す代わりに栞子にデートをせがむのだが、大輔の存在と栞子の本好きにドン引きし、二銭銅貨を渡した。
 二銭銅貨には、乱歩の著書、『二銭銅貨』に則した暗号があったのだが、二カ所ほど、鹿山明自作の暗号が混じっており、栞子は答えに窮したのだが、大輔との対話の中で答えを見つけることが出来、後日来城低へ赴いた。
 栞子の答えは見事に正解し、金庫は開かれた。智恵子は、金庫の中には乱歩の著書『押絵と旅する男』の草案が入っていると予想しており、予想通り、草案と思われる『押絵と旅する女』が入っていた。
 栞子は草案を後で読ましてもらうため、別室でくつろいでいたのだが、嫌な予感に駆られて、家を飛び出した。彼女の行く先には田代邦代がいた。そして彼女の横にいた、彼女の息子であるはずのカズヒロは、なぜか彼女を「おばさん」と呼んでいた。
 栞子と大輔は、田代邦代と共に喫茶店に入り、事の真相を聞いた。実は、田代邦代と来城慶子は姉妹逆転していたのだ。つまり、田代邦代こそ、本当の来城慶子であり、『押絵と旅する女』とは、鹿山明の作品なのだった。
 そして栞子は、『押絵と旅する女』を読むことなく、田代邦代を見送った。そこへ條川知恵子がやってきた。彼女は、『押絵と旅する女』はすべてが鹿山明の著作ではなく、途中からは本物の『押絵と旅する男』の草案ではないかという仮説を立て、いっしょに田代邦代を追おうと栞子を誘ってきた。栞子はその甘美な誘いに乗りそうになったが、栞子を行かせてはならないと思った大輔の呼びかけに応じて、踏みとどまることができた。その時、大輔は條川知恵子がから冷たい視線を投げかけられたことを自覚した。
 後日、栞子と大輔はデートに出かけ、大輔は思い切って栞子に告白したのだった。
 しかし、数日たっても栞子から返事をもらえない。そんな日に、志田が店を訪れた。そこで大輔は、智恵子に近況を教えていたのが文香ではなく、実際は志田だったのではないかと、志田を問い詰めた。志田はその事実を認めた。そして志田は、智恵子が家を捨てた理由が、ある本を探すためなのだと語ったのだった。 
 
 


【感想】
 今回はこれまでとは違って、本単体ではなく、一人の作家に焦点を絞った内容でした。それゆえに、短編が組み合わさって一つの物語になるような、今までの手法ではなく、長編一本で書き切られていました。
 そして長編ゆえに、いくつもの仮定や謎が錯綜し、明かされる納得の真実の連続でした。姉妹の入れ替わりや、親子の確執、何十年も前に遡ってまで続く謎の真実などなど、読みどころ満載の内容でした。
 ラストの、栞子が謎を解いていく様を、来城慶子が喜ばしそうにしている気持ちが、なんとなくわかります。
 お母さんついに登場!という巻なのですが、それ以上に印象に残っているのは、やはり大輔の告白ですかね。これまで遅々として縮めてきた栞子との距離感が、今回で一気に加速します。前半のこれまで通りの絶妙で悶えるような距離感も好きでしたが、この先どうなるのかわからない二人の距離も楽しみです。
 あとがきに、物語も後半に入ったとあったので、この先のクライマックスに期待しております。




智恵子さんと栞子さんの似たもの親子な感じがいいですね


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  1. 2013/02/28(木) 22:21:21|
  2. メディアワークス文庫
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明智少年のこじつけ1 (ファミ通文庫) 感想

明智少年のこじつけ1 (ファミ通文庫)明智少年のこじつけ1 (ファミ通文庫)
(2012/01/30)
道端さっと

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ミステリかと思った?残念!コメディでした!、というお話


【簡略ネタバレストーリー】
 突飛な推理でなんちゃって怪事件を解決しようとする明智京太郎。そんな京太郎の推理でいつも犯人にさせられる小林修司。京太郎の推理にいつも同調する玉村文美。兄への暴力は許さない京太郎の妹、二重。小動物系教師、中村先生。
 彼らは中村先生のもちこむヘンテコな事件を解決していく。真相は誰でも気付きそうなちゃちなものだ。それらの事件を仕組んでいたのは、探偵役の京太郎だ。彼の両親は互いに愛人を作っており、数年前は悲惨な家庭環境にあり、二重にいたってはヤンキーになっていた。そこへ、京太郎が助けとなり、二重を更生させた。その時、二重は修司に想いを寄せるようになった。
 だから京太郎は、二重に何もしてやれなかった代わりに、せめて修司と恋仲になれるように、彼の悪評を校内で流すために、事あるごとに修司を犯人に仕立て上げ、二重しか見られないようにした。
 文美も家庭環境は悪いようだが、スルーされている。
 修司と文美は、そんな京太郎を許し、再びなんちゃって怪事件の解決に乗り出すのだった。

 


【感想】
 合う合わないが激しすぎる作品だと思います。
 キャラクターの名前に、明智だの京太郎だの小林だのと付いており、さらに各章もミステリ系作品のタイトルのパロディだったので、こいつは無能探偵の裏で、犯人役にされたやつが事件を解決していく感じの物語なのかと思いきや、内容が全然まったくミステリーじゃない!完全にコメディでした。
 さらにコメディ性が他作品頼りなところがたくさん見られる。小ネタのほとんどが他作品のパロだったところに萎えます。同時期のえんため大賞入賞作品の『SUSHI-BU』でもそうでしたが、他作品ありきのネタが前面に出てくるのはいかがなものかと思います。
 その他、別段強調するべき場面でもないのにわざわざ行間を空けてセリフを強調したり、奈須きのこみたいなルビの振りかたしたり(これについては別に悪くはないのですが、蛇足なところが多い気がしました)と、それって効果あるのかな、と思ってしまう箇所が多かったです。
 また、キャラクターでは、二重のキャラがまったくつかめません。ブラコンなのか修司のことちゃんと好きなのか、過去に不良やってたにしても背景描写薄すぎるだろ、って思いながら読んでました。文美にいたっては投げっぱなしですし。
 京太郎が修司を孤立させた作戦にしても、京太郎は学校内でも有名なアホのはずなのに、そのアホの言うことを真に受けて周囲が修司から離れて行くものなのでしょうか。どっちかというと、京太郎がいるから修司に近寄ってこないと言う方が納得します。
 あと、探偵役が犯人だったって、ミステリでやっていいものなのでしょうか?本編でパロとして使われた作品でもそういう内容の作品がありましたが、それってアリなのかな、と思ってしまいます。でも、ミステリじゃないから大丈夫なのか、と自己完結してしまう。
 最後の展開にしても、ワクワクはしましたが、肩透かしを食らった気分です。
 文美の家庭環境については次巻以降で語られるのかもしれませんが、今巻で付いていけなければ、1巻しか読まなかった人にとってはその謎も語られないままです。
 軽快なテンポで繰り広げられる会話劇は、コントみたいなおかしさがあって、ところどころでクスっとするところもありました。勢いに乗せて読ませる文体は、最近のラノベっぽいなーと思いました。
 この作品を読む前に『ビブリア古書堂』の4巻を読んでいたのも、こんな感想を書いてしまった要因なのかもしれません。




まさしく「こじつけ」



  1. 2013/02/28(木) 20:07:51|
  2. ファミ通文庫
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新約 とある魔術の禁書目録(インデックス)〈3〉 (電撃文庫) 感想

新約 とある魔術の禁書目録(インデックス)〈3〉 (電撃文庫)新約 とある魔術の禁書目録(インデックス)〈3〉 (電撃文庫)
(2011/12/10)
鎌池 和馬

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海外でドンパチが勃発する、お話


【簡略ネタバレストーリー】
 バードウェイに連れられてハワイへやって来たのは、上条・美琴ペア、黒夜・浜面ペア、番外個体・一方通行ペア。彼らは分乗して新ホノルル空港へやってきたのだが、そこで空港テロを模したバードウェイによるグレムリン誘致作戦が始まる。
 おびき寄せられたのはサンドリヨンという魔術師。彼女に苦戦する一同だったが、バードウェイの航空機突撃によって彼女を打倒する。そして彼女から情報を引き出そうとするが、グレムリンの新手によって操られたサンドリヨンは口封じをされてしまう。
 一行は新手の魔術師を探しだすために市外へ探査に出るのだが、その行く先々で一般人に襲われる。それは洗脳能力を持つ魔術師に人質を取られた一般人たちで、魔術師の命令によって上条たちを狙っていた。
 また、上条たち以外にもその一般人に狙われている人物がいた。ロベルト=カッチェ。彼こそは現職大統領であり、アメリカ政府の上下院が何者かに乗っ取られようとしている事態を察知し、単身それに立ち向かおうとしているのだ。彼はインペリアルパッケージという端末を使って、政府のクラウドシステムにアクセスする者たちの中から裏切り者を特定しようとしていた。また、大統領補佐官であるローズラインや首脳陣たちも大統領の行方と裏切り者の特定を急いでいた。
 一方で、バードウェイは逆探知で、敵が監視カメラを通じてこちらの動きを把握していることや敵の場所を探り、あるショッピングモールに行き着いた。そこにカメラ妨害役の美琴と番外個体以外の面子がやってきて(美琴はこの間にペアのタグリングを購入している)、人質の無力化などを行っていたのだが、主戦力たる一方通行が魔術を行使するように誘導されピンチに陥る。
 魔術師には逃げられたが、そんな一方通行を救ったのが大統領だった。大統領と合流した一行は、魔術師がサーニャというロシア成教くずれであり、インオエリアルパッケージのデータからグレムリンは「起爆剤」というキラウェア火山を噴火させる爆薬が目的だとわかる。「起爆剤」が爆発すれば、観光客に被害が及び、それによる諸外国からの糾弾によりアメリカが困窮して世界経済の低迷を狙っている。
 大統領によるアテで、パールハーバーの米軍基地へやってきたバードウェイたちと、キラウェア火山探査に向かった浜面・番外個体・黒夜。
 基地にはすでにサーニャが先回りしていたのだが、上条たちによって退けられた。しかし、「起爆剤」はすでにキラウェア火山に運ばれていた。おまけに、上条たちは海の上に不時着し、海軍に拾われた。
 キラウェア火山では起爆剤阻止をしようとした浜面たちだったが、起爆剤のすべてを取り除くことはできず、キラウェア火山は噴火してしまった。しかし、火山灰以外の被害は軽微だ。
 それを艦艇から見ていた大統領たちを、EUのミサイルが襲ってきた。敵はEUなのかとも思われたが、それはブラフで民間軍事企業による攻撃かもしれないと思い至り、グレムリンが社会的にも権力を有していることが推測された。
 ローズラインたちはパールハーバーの基地へやって来た。しかしそこで待ち受けていたのはトライデントという民間軍事企業の部隊だった。危うく死にかけたローズラインたちは、一方通行とバードウェイによって救出される。そんなローズラインに、メディア王であるオーレイ=ブルーシェイクから電話がかかる。彼女こそが今回の首謀者だ。
 彼女が首謀者であることは、大統領の推理から上条たちも行き着いた。彼女は祖父から受け継いだネットワークビジネスを基盤とした業務拡大を続け、世界の有権者にまで成り上がったのだ。FCEというカメラのネットワーク化を図ったのも彼女だ。そして情報を制するからこそ、政治にもコネクションを持っている。そんな彼女の目的は、アメリカを宗教大国に作り替え、アカルト関係の強化を図ることだった。だからこそグレムリンを雇い、さらにアメリカで秘密裏に行われていたノーリッジ12という原石を用いた超能力開発の裏話にも精通していた。そして彼女にとって邪魔なローズラインは殺されることになるのだが、ローズラインはオーレイの娘を人質に取ることで形成を逆転しようとした。
 リンディ=ブルーシェイクはオーレイに虐待を受けていた。そのため、緊急保護という社会的にまったくの別人として生きて行く処置を政府から特別に受けていた。彼女はカウアイ島にいる。
 ローズラインは信用のおける海兵隊を出動させ、オーレイはトライデントとグレムリンを使い、上条たちは地力でカウアイ島を目指す。リンディ争奪の三つ巴の始まりだった。
 上条たちは別れて行動を行った。レベル5の二人と番外個体は軍による民間への被害の防止。他のメンバーは二手に分かれてリンディを目指す。最初にリンディを見つけたのは上条と黒夜だった。しかしすぐにサーニャとトライデントに追い付かれる。
 そこへ、大統領と浜面とバードウェイによってリンディは救出されたのだが、海兵隊に苦戦していた。あやうく殺されかけるのだが、大統領を慕う海兵隊による援助と美琴の援護によって切り抜けた。それによって大統領はローズラインへ交渉を持ちかけた。リンディは確保したから、いっしょにトライデントの指揮官無力化を共同しようと。結果として、トライデントの指揮官を追いつめることはできたが、指揮官は大統領の反逆罪軽減という甘言には乗らず、サーニャの援護に全部隊を回した。
 その頃上条は、サーニャの術式を解読しながら闘っていた。ポンコツと化した黒夜は使い物にならない。上条は、これまでの情報と闘いからの情報から、サーニャは一定の区画を自治領とすることで部外者の行動に干渉する魔術なのだと解読。そして魔術の起点となっていた植物の根っこ(今巻の裏表紙のイラスト参照)を右手で引っこ抜くことで勝利した。
 そして表舞台に上がってこなかったオーレイに関しては、大統領からグループに圧力がかかり、オーレイの財産権が娘のリンディに委譲することで、彼女は破滅を迎えた。
 しかし、事はそれだけで終わらなかった。FCEを通して一方通行と美琴の脅威を知った国外学園都市協力研究機関が学園都市との協力関係の解消の共同声明を発表した。そしてそれを目論んでいたのがバードウェイだ。上条はバードウェイが学園都市を陥れようとしていたのだと確信し、バードウェイもグレムリンだと疑う。バードウェイは上条に、明確に自分がグレムリンだとは言わなかったが、正義の味方ではないと言っていた。
 上条はバードウェイを追うことを決意し、美琴はそんな上条にタグリングを渡すことなく、自分も上条について行くと宣言した。
 そしてオアフ島には別のグレムリンの魔術師がいた。彼女曰く、グレムリンの目的は火山噴火ですでに達成されていたとか。そんな彼女の前に、サンドリヨンが現れる。彼女はそこで自分が臨時雇用の使い捨てだと知る。魔術師は自分こそがグレムリンの正規メンバーなのだと言い、サンドリヨンの始末にかかる。
 


【感想】
 日本人を主演にしたハリウッド映画、といった感じですね。もちろん「微妙」という意味合いで。
 戦闘や機械に関する描写以外はほったらかしになってた印象があります。もっと海外らしい描写がほしかった。というか、会話だけで進み過ぎな気がします。それこそ洋画の字幕を映像なしで読まされている気分でした。もっと地の文で補足説明してくださいよ!
 ですが、軍事や政治が絡んできた点はとても楽しめました。ただ、大統領をはじめにキャラクターが個性的過ぎて、世界1位の経済大国にあるまじき行動や人物像になんだかコレジャナイ感が強かったです。
 他にも、この作品らしい上条さんの無茶な正義感と土壇場の大逆転劇はいつもどおり楽しめました。他にもレベル5が大暴れしていたりするところは痛快でした。
 今回は演出が特殊でした。台詞のカギカッコが『』で読みづらいわ、モブキャラからの視点で話を進めようとするわ、カメラからの映像という演出のせいで場面転換が多すぎるわ(これに関しては毎回場面転換はそれなりに多いけど、今回は異常な気がする)、なんか趣向を凝らしすぎて、逆に萎えるといいますか、とりあえずコレジャナイ。 
 あとがきに、魔人の名前が出てきたってありますが、ブリュンヒルド=エイクトベルがそれなんでしょうかね?




キャラが飽和してるのはいつものことです



  1. 2013/02/26(火) 22:03:21|
  2. 電撃文庫
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踊る星降るレネシクル 4 (GA文庫) 感想

踊る星降るレネシクル 4 (GA文庫)踊る星降るレネシクル 4 (GA文庫)
(2011/04/16)
裕時 悠示

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欲望が人を壊す、お話


【簡略ネタバレストーリー】
 サバイバルサマーでもうふに世話になったレンヤは、彼女の親であるふとんに、ひきこもりもいいものだと説得に出かけた。すると、それだけもうふを擁護するなら婿になれと言われてしまうのだった。
 ある日の学食で、レンヤは瑞貴、すまる、なななと飯を食っていた。話題はサバイバルサマーで円離が下した星ノ令による、星柱であるみらのミカホシ追放について。なななが言うには、星ノ令は絶対だと言う三星会の結城優派と、星輩であるなら星柱は絶対というすまるの祖父、舞波重蔵派に分かれている。そして話は星柱候補の話に移ったとき、乾がやって来た。すると、女3人はその話題を止めてしまう。
 そんな彼らは、レネシクルの力を増幅させる「星のちから」が極大となる期間に開催される極星祭の準備をしていた。レンヤのクラスでは、すまると瑞貴とレンヤの宿す精霊になぞった演劇をすることになる。そこですまると瑞貴は、どちらが星降りの舞が綺麗か競うことになり、すまるは負けてしまい、以後演劇において瑞貴の提案を受け入れなければならなくなる。
 そのことで落ち込むすまるの下に、亡き母親の残した着物と、すまるが宿すことを目指す聖霊ベツノカについて書かれたノートが送られてくる。そのノートによれば、気持ちを凍りつかせることが大事だとされており、すまるは翌日からレンヤにそっけない態度を取るようになる。
 そんなすまるをおかしく思ったレンヤは、彼女の幼なじみである乾が何か知らないかと彼を探すのだが、なななにぬいぐるみを作ってくる約束をしてしまっただけで乾を見つけられない。 
 そんなレンヤが最後に来たのは体育館裏。そこには車椅子に座った少女がいた。彼女は乾乾という名前であり、ケンケンと呼んでほしいと言った。彼女は星柱候補であり、瑞貴やすまる、なななたちとは違い、自らに精霊を振らせるのではなく、カードに精霊を降らせることができた。そして、彼女は乾の妹でもある。
 そこへ乾がやってきたのだが、乾は剣幕な様子でケンケンを追い払ってしまう。
 演劇の練習は続くが、すまるの機嫌がよくならない。そこでレンヤはすまるの好物を買いに出かけ、その帰りに、結城優に御神星柱殿へ連れて行かれる。そこでは結城派と舞波派が結集しており、なななの父である七曜成美や更級ふとんもいた。そしてレンヤと瑞貴の師匠である仙陽院みらもやってきた。
 議題はもちろん円離の星ノ令についてだ。レンヤはそのことについて第3者の視点として招かれたのだ。そこでレンヤは、ミカホシの能力が外に漏れていないのは極星樹による結界のおかげであることを知る。そして結城優の狙いは、その極星樹を枯らして日本に内紛を起こすことだった。円離は結城の愛弟子であった。
 結城は自分の考えを知らしめると、円離やケンケンを使って集まっていた人達を石に変えて行った。ケンケンの能力の一つが、石化なのだ。
 騒動の中で、みらはレンヤを逃がすために、自分より強いケンケンに挑みかかる。レンヤはふとんにも助けられながら必至に逃げるのだが、追っ手である轟轟轟によるお金の能力で追い込まれる。そこに乾が助っ人に現れるのだが、深遠橙という暗殺者にレネシクルを奪われてしまう。さらにすまるが加勢にきたり、荒木業児という巨漢が現れてレンヤが瀕死の状態になったりする。そこへ瑞貴と仙陽院莫迦奈が登場し、敵である3人を一蹴する。
 極星祭当日。ミカホシ市が戦場となり、学校だけが莫迦奈と仙陽院狼輝よって安全となっていた。レンヤの瀕死は春河香織によって完治していた。
 狼輝は学校に残っていた戦力を集めて、ペルセウス石化事件について話した。それはペルセウスという研究機関で幽閉されていたケンケンが、乾によって逃がされたことで、多くの人を石化させ、当時の星柱であり、みらの姉である仙陽院かづらが相打ちとなり、乾が彼女を逆に石化させたのだと。そしてその石化を解いたのが、結城だと。
 そしてケンケンに勝つためには、すまるがベツノカを降ろす必要があるのだと言う。
 そんな中で、レンヤは乾がいない事に気付き、彼を探し、体育館裏で見つけた。乾はケンケンに裏切りの呪いをかけられており、レネシクルがないと呪いが発動する。だからレンヤたちから距離を置こうとしていたのだが、レンヤはそんなこと関係ないと言う。その後の警備中に、レンヤはなななにぬいぐるみを渡した。
 その頃、結城と円離は乾家にあった「星鏡の盾」を破壊した。それこそが、以前に乾がケンケンを石化させた奥の手だった。さらに結城はすまる、瑞貴、ななな以外の星柱候補を石化させることで、極星樹の枯死のための準備を順調に進めていた。 
 そしてすまるが母親の着物を着て、ベツノカを降らせられるようにレンヤとイチャイチャしていたとき、襲撃が起こった。
 レンヤとすまるは屋上へ向かおうとしたのだが、それをすまるの義兄である舞波カタナが遮る。レンヤはすまるを逃がし、カタナに致命傷を与えるのだが、カタナはケンケンに操られており、何度も立ち向かってきた。そこへ彼の実妹である桐蔭霧湖がレンヤの代わりとなった。
 しかしレンヤは轟によってグラウンドへ引きずり降ろされ、彼に負けそうになるのだが、御子柴ねじる&とじるによって亜空間を通じて水仙寺遊園がメイド服で現れた。轟は遊園によって倒されたのだが、彼女たちは突如現れたケンケンに負けてしまう。
 そんな絶対絶命のレンヤの前に助けにきたのはもうふだった。彼女はケンケンの攻撃を防げていたのだが、レンヤはケンケンに操られた乾によって背後から刺されてしまう。さらに追い打ちをかけられたレンヤは瀕死になりながらも、乾の目を覚ますことに成功する。だが、二人ともケンケンの石化の攻撃を受けてしまう。
 そんなレンヤの元へ、すまるが屋上からやってくるも、レンヤは石化する前にすまるへ自分のレネシクルを託して、石化した。
 そこへ遅れて瑞貴がやって来た。彼女はレンヤの石像を見て怒りに打ち震え、ケンケンは本気の瑞貴を前にして喜ぶ。
 だがそんな二人を凌ぐほどの存在がその場にはいた。
 レンヤが石化したことで心を凍てつかせ、ベツノカを降らせることに成功したのだ。
 そんな戦場を、莫迦奈と狼輝は学校の一室から見下ろしていた。その手には、すまるの母親の残したノートの最後のページが握られていた。
 

 


【感想】
 なんというクライマックス。
 街の勢力抗争から始まり、イチャコラも交えながら頂上決戦が繰り広げられてます。
 そしてランキングに載っていたキャラクターが大勢でてきます。それはいいのですが、そういう出し方するならラストの展開はもっと後にしてほしかったです。中堅クラスの敵を倒してからのラスボス戦、みたいな感じで。でも、ラスボスは結城たちじゃなくて仙陽院の人達なんじゃないかと思ってたり。
 その他キャラに関しては、忘れてるキャラが多すぎた。え、こんなキャラいたっけ?と思うキャラが何人いたことか…。まあそれは個人的に3巻からの期間が空きすぎていただけですが。
 それにしても、要素詰め込み過ぎな気がする今回の内容。
 街の根幹の話についてはまあ必要ではあったとは思います。(システムの実用性うんぬんは抜きにして。内容は『サクラダリセット』みたいなものでした)そこにイチャラブだの乾家や師匠の因縁だの結城の思いだの、いっぱいありました。それだけの要素をたかだか250pにきっちりつめこめるわけがない!悪い意味で疾走感にあふれていたように思いました。
 でも、展開は王道で少年誌的な流れが面白かったです。バトルも次々繰り広げられて、楽しめました。
 あとがきでは裏切り、もしくは「愛」の話だとあったが、個人的にはそれは乾の「話」であって、全体的にはそれ以外のことのように感じた。
 あと、表紙ってベツノカ化したすまる、ですよね?





イラストの力がハンパないッス


  1. 2013/02/23(土) 23:43:26|
  2. GA文庫
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月見月理解の探偵殺人 5 (GA文庫) 感想

月見月理解の探偵殺人 5 (GA文庫)月見月理解の探偵殺人 5 (GA文庫)
(2011/06/16)
明月 千里

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嘘つきがハッピーエンドを迎える、お話


【簡略ネタバレストーリー】
 初の小箱に決勝戦の連絡が入ってから2ヶ月後。京や宮越たちとの部活を終えた後に、初が自宅に帰ると水無月がいた。そして彼女に睡眠薬を飲まされて、豪華客船につれて行かれる。
 そこには交喙や理解はもちろん、上坂教授の狂信者である神代杜人などがいた。そして決勝戦は前半と後半を二日間かけて行われる。基本的なルールは変わりない。ただ、今回は実際に人が死ぬ。
 ゲーム開始序盤は理解が優位を保っていた。しかしなかなか決定打を打つことができないでいた。
 そんな中で、グラウンド・ゼロは交喙に近づき、自分を殺害することができたら姉の真実を教えると言われた。それは初や理解の計画に支障をきたすので、彼女を止めようとするが、ゲームが始まりそれどころではない。
 理解はグラウンド・ゼロを監禁し殺すことに成功するが、ライフポイントすべてを奪うことはできなかった。理解にとってそれは想定外の結果だった。
 それは連理が理解の能力を奪い、理解以上に昇華させたゆえの結果だった。この時点で、理解は月見月にとって不要な存在となった。
 グラウンド・ゼロはライフポイントが残り1pとなったことで、ドッペルゲンガーと人格を入れ替えた。そのことに交喙は動揺してしまう。
 理解は自分の失敗に動揺し、精彩を欠く推理ばかりしてしまい、連理のいいようにやられてしまう。さらに連理はそんな理解の姿に気を良くして、そんな理解が本当の理解なのだと言い始める。理解は幼少の頃父親から虐待を受けており、怯えていた。しかし月見月家とのゲームに勝利したことで賞金を得たことから、父親から逃げた過去を持っていた。
 初はそんな理解を心配するのだが、途中から彼女の落ちぶれた姿が演技だと見抜き、彼女の計画の助けをすることになる。
 その結果、神代をゲームの方法以外で殺害することで、ドッペルゲンガーと連理を罠にはめた。ドッペルゲンガーは最後に交喙に縋ろうとするのだが、交喙は姉への未練を捨てて、初たちという新しい親しい人たちとの未来を歩む決意と、姉への決別を突き付けた。
 ゲームは、理解が能力のないままハッタリと連理のミスを突くことで連理を殺害することに成功。ゲームの結果、ライフポイントが一番多かった初が優勝することとなった。
 彼は「二羽の鴉」に入っていたメモリーカードを再生不可能なまでに破壊した。そして彼が願った願いごととは理解を救うことだった。
 そんな彼の願いがわかったのは、それから数カ月後のことだ。理解から連絡もなく、なんとなく日常を過ごしていた初の前に、彼女が現れた。これまで聞いていた彼女の口調ではなくなっていたものの、彼女が理解であることには変わりない。初にとって、彼女が傍にいてくれるだけで十分だった。
 


【感想】
 シリーズ最終巻でした。
 一巻から続く難解なゲーム内容に四苦八苦しながら読みました。全然理解できてませんでしたが!
 これまで敷いていた伏線のほとんどは回収されていたと思います。でも、あとがきにもある通り、出てこなかったキャラもいますし、ゾディアック系の人達は三巻だけの使い捨てキャラだった感じが否めなくて、とてももったいなく思います。
 でもまあ、ドッペルゲンガーとかグラウンド・ゼロ関係のことは丸く収まっているので、十分だろうと思います。
 ラストの展開については、正直ゲーム性を重視し過ぎていたように感じていたため、それほど感動できませんでした。理解の過去とかも無理やり提示した感じもしてしまいました。
 とはいえ、面白いシリーズだったと思います。キャラクターも個性的だったし、ゲームは複雑で予測不能だし、人間関係も楽しめた。





もっと俺のIQが高ければ…!


  1. 2013/02/23(土) 22:21:14|
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月見月理解の探偵殺人 4 (GA文庫) 感想

月見月理解の探偵殺人 4 (GA文庫)月見月理解の探偵殺人 4 (GA文庫)
(2010/12/16)
明月 千里

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兄妹愛が描かれる、お話


【簡略ネタバレストーリー】
 ある日、初は交喙から遥香が探偵殺人ゲームについて調べていることを知らされる。そしてその影には、遥香の「友達」が関係しているらしい。
 初と交喙と宮越は、放課後遥香の後を追った。すると遥香が仮面をつけた老人と出会っている現場を目撃した。すると、初たちの前にグラウンド・ゼロを名乗る女性が現れ、彼らを黒の箱庭という探偵殺人ゲームのコミュニティに誘った。彼女について行くと、開発途中の建築物に案内された。そこには遥香もいた。
 そんな初の前に、果無連理という少女が現れた。彼女は、初を探偵殺人ゲームに誘った友人である杵島一史の従弟だと言う。彼女は行方不明となった一史の手がかりを知るため、である探偵殺人ゲームに参加したのだ。また、理解も月見月家の要人がグラウンド・ゼロに拉致されたため参加していた。
 グラウンド・ゼロが言うには、このコミュニティでネットを介さず探偵殺人ゲームを行い、優勝者に「二羽の烏」という欲しいと思う情報が手に入る箱と、どんな願いでも叶えられる権利が与えられるのだと言う。そして、参加者たちには小箱と呼ばれる携帯情報端末が配られ、後日トーナメントが開催されると言う。
 その日は、初、宮越、交喙、理解、連理が初の家にお泊りしながらルールの確認を行った。
 ゲームはいくつかのグループに分けられ、3日間かけて行われるゲームを生き残るごとに加算されるポイントの多寡で勝者が決まって行く。ゲームは決勝までに3回戦ある。
 1回戦は、全員が難なくクリアできた。しかし、2回戦には遥香と会合していた老人である忌月が初と同じグル―プにいた。忌月は、ゲーム敗者が「死亡」する謎について、自分を倒したら教えると言う。そのために頑張る一同だったが、忌月によって場は乱され、初は困惑する。
 そんな中で、水無月にから忌月が遥香と接触していることを知らされ、その現場に初が行くと、遥香に拒絶されてしまう。そんな初に、忌月は自分が元月見月家の使用人であることを告げる。そして、グラウンド・ゼロとは人知を超えた存在者であり月見月家の求めた存在でもあり、理解を敵視していることを知らされる。理解の言っていた要人とは、グラウンド・ゼロその人だった。グラウンド・ゼロは、才能ある子を一人月見月家から攫っていた。
 2回戦2日目、初はなんとか忌月を倒すことができたのだが、決定打を下したのは連理だった。彼女こそ、遥香の「友達」であり、グラウンド・ゼロが攫って育てた月見月家の後継ぎ候補だった。さらに、彼女には理解の持つ人の機微を読む力に似た能力を持っていた。彼女によって、初は2回戦でゲームオーバーギリギリに追い込まれる。
 初は忌月から「死亡」について話を聞こうとしたのだが、すでに連理によって殺されていた。そこへ理解が現れ、連理とは一触即発のムードとなった。
 3回戦には、初と連理と遥香と宮越が同じグループとなった。ここで、連理は遥香と共謀してゲームの主導権を握った。初は心を読まれているので、どうすることもできないでいた。
 苦戦する初の下へ、遥香から電話がかかって来た。遥香は初が父親を殺したのかどうかを知りたがっていた。そして遥香は連理に真実を教えてもらえるとつけ込まれていたのだ。だが、改めて初から真実を聴きだそうとした。だけど、初はそれに答えなかった。
 ゲームは連理の支配に置かれるかと思われたのだが、自分の心を読まれても良いように、初は理解の指示に従うようにしてゲームを進めていた。だから連理の思う通りにゲームは進まない。さらに、連理は誰も殺さないと言いながら違ったことをしていると思った遥香に、連理への猜疑心が芽生えた。そして、遥香は初との対話を経て、連理よりも初を信じた。遥香に裏切られたことで、連理は死亡してしまった。
 初はいまだに何も語りはしないが、遥香は初が何も語らずとも誰かのために行動しているのだと信じることで、真相を知ろうとはしなくなった。
 ゲーム終了後、初は決勝進出の権利を得た。そして初は、花鶏にゲームの詳細について話していたところに、水無月から電話がかかってきた。彼女によると、グラウンド・ゼロはゲームが始まる前にはすでに焼死していたことがわかった。そのことについて花鶏は、グラウンド・ゼロがドッペルゲンガーを洗脳して自分に移し替えたのだと言う。そしてグラウンド・ゼロの能力は、他人を乗っ取り、洗練することだともいう。
 そこへ、初の持つ小箱にメッセージが送られてきた。


【感想】
 いやはや、あいかわらずゲームが難しくて完全に理解できませんでした。そのため、あらすじにもゲームの詳細は書いてません。というか書けません。
 今回は1巻で出ていた探偵殺人ゲームが使われていました。個人的には『インシテミル』を彷彿とさせる内容でした。クローズド・サークル物とかサスペンス・ミステリーをあまり読んでいないので、こういう内容のミステリはよくあるものなのかわかりませんが、面白いと思いました。
 1巻から続いていた遥香との確執もなくなりましたし、主要キャラたちも欠けることなく次回へ続くことができていて良かったですね。「死亡」した人達がどうなったのか気になるところですが、それについては次回わかるのだろうと期待してます。『カイジ』みたいに強制収容所送りにされていたら、地下脱出編とかでスピンオフ出来ますね。
 連理については、わかりやすかったですね。あー豹変しそうって感じがプンプンしてました(笑)





意外とおちゃらけパートも面白かったりするのであなどれない





  1. 2013/02/20(水) 22:28:27|
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楽聖少女 (電撃文庫) 感想

楽聖少女 (電撃文庫)楽聖少女 (電撃文庫)
(2012/05/10)
杉井 光

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少女の偉業の影に控える少年の、お話


【簡略ネタバレストーリー】
 少年は嵐の晩に図書室に籠ることが好きだった。その日も少年は図書室で嵐の音を楽しんでいた。するとそこに犬耳を生やした女性が突如現れた。彼女は自らを悪魔だと称し、メフィストフェレスと名乗った。彼女は文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテとの契約により、少年を19世紀ヨーロッパヘ連れて行き、彼をゲーテにしてしまう。ゲーテは若返るために彼の肉体を自分と入れ替えたのだ。さらに少年は契約の証として名前を奪われてしまい、メフィストフェレスからは、名前の欠片であるユキと呼ばれるようになる。そして悪魔である彼女は、ユキが感動に打ち震えるような体験をし、≪時よ止まれ、汝は美しい≫という言葉を言った時、ユキの魂をいただくと言う。
 高校生の姿のままゲーテとなったユキを、現地の人は誰も不思議に思わなかった。それはゲーテならそれも不思議ではないという認識と、万の軍隊と素手で戦い勝利するようなナポレオンの存在があったからだ。もちろん、史実ではナポレオンはそのような超人ではなかったが、メフィは彼も悪魔によって力を得ているのだと言った。また、そんな史実とは違う点は、電話や列車や飛行船といった史実以上に進んでいる文明からもうかがえた。
 ユキはとりあえず、ゲーテといっしょに事務所を構えているヨハン・クリストフ・フリードリヒ、フォン・シラーという文豪とともに、ゲーテの文才を使って雑誌社や新聞のコラム、批評をこなす日々を送った。
 そんなある日、ユキはフレディといっしょに温泉へ出掛けた。そこで神聖ローマ帝国の統治者であるハプスブルク家のフランツ2世陛下と出会う。彼は二人のファンであり、道中を共にすることになる。その途中、一行の行く手を遮る赤毛の少女がいた。彼女はまだこの世に生まれているはずのないベートヴェンの交響曲を口ずさんでいたのだ。そのことが気になったユキだったが、彼女はすぐにどこかへ行ってしまった。
 少女のことが記憶に引っかかっていたユキは、彼女がゲーテの知り合いだったのではと思い、ゲーテの蔵書を読んで調べてみた。すると、すぐさま彼の物語に感動してしまう。さらにメフィにあの言葉を言わされそうになり、ユキはそれ以降ゲーテの書を読むまいとした。
 その2週間後、ユキの下に陛下から温泉大臣兼娘の家庭教師としてウィーンに招かれることになった。それと同時に、フレディも事務所を止めてしまった。
 ユキは仕方なく宮殿で皇女マリー・ルイーゼの家庭教師をやっていたのだが、そこへ陛下と二十離れた弟のルドルフ殿下がやって来て、ユキを演奏会に誘った。ユキは感動してしまうことを恐れて行く気はなかったのだが、フレディがユキの振りをしてルドルフに演奏会へ行きたいと言っていたのだ。
 かくしてルドルフト向かった演奏会で、ユキは再び赤毛の少女に出会った。彼女は奏者として舞台に上がり、それまでの退屈だった奏者たちと同じ演奏曲をアレンジして弾き、観客を、奏者を皮肉った。そして彼女が改めて弾き始めたピアノソナタを聴いた瞬間、ユキは感動しそうになってホールを飛び出した。
 赤毛の少女は演奏を終えるとユキを追ってきた。そこにルドルフも加わり、ユキに彼女がルドヴィカ・ファン・ヴェートーヴェンだと紹介し、彼女にはユキがゲーテであると紹介した。だがルゥはユキをゲーテとは認めなかった。おまけに彼女には、悪魔と契約者以外には見えないはずのメフィが見えており、彼女がユキと呼ぶ現場を目撃していた。
 ユキは感動しないためにルゥとは距離を置こうと考えたのだが、後日ルゥはユキのアパートの隣に越して来たのだ。
 それからユキはルゥに料理を振る舞うようになった。その時、ルゥにそれとなく悪魔のことを知っているのかと問いかけたのだが、理解されなかった。メフィが言うには、高位の悪魔がルゥをベートーヴェンに据え、さらに周囲や彼女すら彼女をベートーヴェンだと認識させているのだろうと言う。
 その日、ルゥのファンクラブの会員たちに追いまわされながら、ユキはルゥといっしょに楽壇を訪れた、そこで楽壇の重鎮であるアントニオ・サリエルや、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンと出会う。ハイドンは史実には描かれていなかったような筋骨隆々とした偉丈夫で作曲を引退した拳法家だった。
 その後、ユキはさらにルゥの案内されるまま、今度は死んだはずのヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトとマリー・アントワネットと出会う。メフィが言うには、人は生き返られないし、史実の死亡年まではどうあっても生きるのだというが、神様に愛された者なら例外だそうだ。そしてモーツァルトは、レクイエムを完成させるために、初恋相手のマリーを連れて蘇ったのだ。とはいえ、彼はすでに音楽には興味が薄く、一歩も外に出ることなく地下室でマリーと爛れた生活を送るばかりだそうだ。
 十二月になると、ひそかに雑誌社に頼んでいたフレディの行方を知ることができた。彼は国外へ逃亡し、さらに教会から追われているのだと言う。ユキやフレディと教会は関係ないと思っていたのだが、ルゥが可愛がっていた猫が一匹教会の検邪を受けることがあった。この時はさして気にすることはなかった。
 ある日の新聞で、二人はナポレオンがフランスの皇帝になったことを知る。史実なら、それに激怒したベートーヴェンは作曲中の『ナポレオン』という曲名を『英雄交響曲』に変更するはずなのだが、ルゥにそんな気はさらさらないと言われる。それどころか、彼女はナポレオンのお気に入りであるニコロ・パガニーニがウィーンで演奏するという知らせに舞い上がっていた。
 翌週、ルゥはパガニーニの演奏を聴きに行き、ユキは歌劇場の外で彼女を待っていた。そこへ、ナポレオンの妹であるポリーヌ・ボナパルトが歌劇場へ入って行った。メフィは彼女が悪魔であることをユキに知らせ、不安に思ったユキが場内へ行くと、パガニーニの悪魔的演奏や、突如吹き出した火炎を恐れた群衆が逃げ惑っていた。会場に取り残されたパガニーニは、ルゥを貶した後にその場を去った。
 後日、パガニーニはルゥを襲いに来た。そこでユキは、パガニーニの持つヴァイオリンであるカノンが大砲に変化してルゥのピアノを吹き飛ばす様や、パガニーニが悪魔の存在を知っていることを知る。パガニーニはルゥを殺すことが目的ではなく、示威行為としてやってきただけにすぎず、帰って行った。
 ある日、ユキはルドルフの持っていたフレディのサインの入った本を見たことから、フレディがルドルフに自分を演奏会へ連れて行くように仕向けていたことを知り、実は彼は悪魔とグルで自分を感動させようとしていたのではにかとの疑惑を抱く。
 そんな中、ルゥの『ボナパルト』の演奏がフランスからの圧力で中止されることになる。それは国家存亡の危機なのだが、ルゥは構わず信用のおけるオーケストラ仲間たちと練習に明け暮れた。
 そこへ、教会の異端審問官がやってきて、『ボナパルト』はナポレオン賛歌だと称してルゥを、ルゥを庇おうとしたユキを捕まえようとする。さらに異端審問官はユキの著書などを禁書にするとまで言いだした。
 その時、ユキの中でゲーテが憤った。しかしそれは同時にユキの憤りでもあった。彼は史実の死亡まで自分が死ぬことはないと確信し、銃で撃たれようとも彼らに立ち向かった。その姿はまるで悪魔のようで、異端審問官たちは退散して行った。
 ルゥは演奏を行うため、ルドルフの演奏会と偽ってゲリラライブを敢行することに決めた。しかし、その細工は誰の目にも明らかだったので、こっそり変装してまで練習していたことも看破され、陛下とサリエルに会場と奏者たちを押さえられてしまった。そのことで楽友協会へ直談判に行くも、すげなく追い払われる。
 そんなルゥのために、ユキはハイドンやマリーにモーツァルトたちに協力をお願いに行くのだが、断られる。ユキはそんな彼らに、なぜ音楽を見捨てるのかと憤る。
 人集めに奔走していた二人は、演奏会当日の間際まで寝坊してしまう。ルゥは誰もいなくても歌劇場へ行こうとしたのだが、その行く手を、復讐に燃える教会が襲いかかって来た。しかしそこへ、ハイドンが自慢の拳法で加勢に来たり、モーツァルトの魔笛で敵を眠らせたりすることで、難を逃れた。二人ともユキの発破が効いたのだ。モーツァルトにいたっては、本当は幽霊であることを明かし、消えかけてまで助けに来たのだ。
 二人が歌劇場へ着くと、上空にはパガニーニを乗せたフランスの飛行船が空戦を開始していた。歌劇場には観客が押し寄せていた。そして奏者たちも勢揃いしていた。彼らの熱意が、サリエルと陛下の心を動かしたのだ。
 演奏が始まる頃、ユキは歌劇場の屋根の上にいた。そこへ邪魔をしに来たパガニーニが飛行船から落ちてきた。パガニーニを止めようとするユキだったが、返り討にあう。そんな中で、ゲーテがなぜ若返りのために自分を選んだのかを知る。
 ゲーテは自ら綴る小説を現実にしたかったのだ。ユキはゲーテの小説の登場人物になり、パガニーニのカノンを打ち破った。
 倒れたパガニーニは、ユキがルゥにリクエストした曲を聴かせていた。その曲はパガニーニと同じく悪魔的技術を持つラノマニノフの曲であり、未来の曲だ。パガニーニは他とは違う悪魔のような容姿と技術ゆえに自分が悪魔だと思っていたのだが、そうではないとユキに示される。
 パガニーニは去り、ユキはそのままルゥの演奏を聴いていた。感想するかもしれないと忌避していたのだが、ゲーテの真相を知った彼は、ルゥの物語を書き終わるまで、時を止めようとは思わなくなっていた。
 その後、ユキとルゥはスイスにいるフレディを訪れた。彼はユキの持ってきた教科書から自分の死期を悟り、ユキの負担にならないために姿を消していたのだ。教会から追われていたのはユキの関係者だったからだ。
 ルゥは、フレディの詩を自分の曲に使わせてくれるように頼んでいた。
 その様子を見ながら、ユキはメフィにゲーテの真相と、思い出した自分の名前を明かした。ユキの名前は幸(みゆき)であり、ゲーテがこれから書くであろう小説の題名である『ファウスト』と同じ意味を持つ。つまり、ゲーテは『ファウスト』を描くために自分をユキにしたのだ。
 その十日後、フレディは逝去した。遺言書には、親友ゲーテではなく、親友ユキへ宛てた思い出と軽口とメッセージが込められていた。彼はユキの本当の名前を知りたがっていた。ユキはそんな親友へ宛てるように、小説の題名に『ファウスト』と書きこんだ。




【感想】
 『さよならピアノソナタ』を1巻しか読んでない身としては、先にこっちを読んでいいものか迷いましたが、結果読んでよかったです。
 だって面白かったですし!
 主人公像は他の杉井さん作品の例に漏れず、ツッコミ鋭く天然ジゴロで実は熱血系の主人公でしたが、そこがいい!
 登場人物のほとんどが実在人物だったところが、総フィクションの他の作品とは違った面白さがありました。TSものは定番ネタですが、ルゥはかわいいですね。『神様のメモ帳』のアリスを彷彿とさせます。かわいいといえばルドルフ殿下もかわいい!なんで女装のイラストが載っていないんだ!
 あと気になったのは、ユキの名前の制約。『千と千尋の神隠し』他色んな作品でこの設定を見かけるあたり、古典的お約束のようですね。
 ラストあたりに戦闘シーンが来た時はちょっと萎えたのですが、ゲーテがユキを選んだ理由を知ると、それもありなのかな、と思いました。でも、ユキはどうやってあんな右腕になったのでしょうか。魔力ですか?
 最後のフレディからの手紙は感極まりますね。ええスケベやったんやな。
 





とりあえず、メフィの誘惑をはねのけるユキはEDでFA





  1. 2013/02/18(月) 00:49:18|
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幕末魔法士〈3〉The eastern beast (電撃文庫) 感想

幕末魔法士〈3〉The eastern beast (電撃文庫)幕末魔法士〈3〉The eastern beast (電撃文庫)
(2011/08/10)
田名部 宗司

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愛しい人がいなくなってしまう、お話


【簡略ネタバレストーリー】
 ある日、伊織と冬馬のもとへ礼蔵から呼び出しがかかる。彼の元へ来た伊織は、同じ長州藩の昔馴染みである中司俊哉から、以前伊織と冬馬が出会った桂小五郎は偽物であると伝えられる。彼はその偽物による禁呪の実験台にされたことで、見るも無残な姿となっていたため、自害した。
 このことを冬馬と礼蔵に話した伊織は、偽物の幻術をその赤眼で見破っていた冬馬に似顔絵を描く手伝いをさせた。そして出来上がった似顔絵に心当たりのある礼蔵は、清河八郎について話し始めた。その男は、現在丹乃をスパイとして送り込んでいる天誅組に出入りしているのだという。
 その天誅組に入りこむために、坂本龍馬の手引きに縋ることになった。龍馬は天誅組にいる土佐藩の同士たちを自らの海軍塾に引き込むために行くのだという。
 こうして3人は道中を共にすることとなるのだが、その途中で法鷲という若い山伏に襲われる。彼は冬馬が食人の過去を持つ魔人であることを看破したのだ。海外魔法とは違う呪法に苦戦する3人だったが、龍馬の魔法銃が作りだした偽ハーレムで法鷲を困惑させている内に逃げ出した。
 その後3人は礼蔵の手配した高儀隠密が営む旅館に泊まった。すると、食事中に長大な人影を目撃し、それがいった何なのか伊織が偵察に出向いた。すると幕軍の死体の山に出くわし、さらに異形の輩に襲われる。そこへ法鷲が通りがかり、彼の呪法によって退治することができたが、彼は大きく疲弊してしまった。
 伊織は法鷲を宿へ連れて帰った。そして彼女が風呂に入っていると法鷲がやってきた。慌てる伊織だったが、なんとか平静を保ち、法鷲に冬馬に食人の記憶や魔人であることは伏せていることを知らせる。代わりに法鷲は、冬馬は母親を食べていることを教えてくれた。さらに、法鷲も清河八郎にさらわれた小夜を探すために天誅組へ行くつもりだということが分かる。法鷲は冬馬の事情を知らなかったことを反省したのだが、風呂にやってきた冬馬に、伊織を襲っていると勘違いされて、やっぱり仲違いが始まってしまった。
 翌日の道中で、4人は紀州軍の死体の山に出くわす。すると、小夜の姿を見つけた。だが、小夜は自らを鵺子と名乗った。法鷲は彼女が憑魔されているのだと看破し、彼女を助けようとするのだが、小夜は冬馬と同じ魔人であり、彼女の作りだす異形の輩たちや彼女自身の実力に殺されそうになる法鷲だったが、すんでのところで鵺子の中にいる小夜によって助けられる。
 天誅組の拠点に行く前に、一行は幕軍の拠点へ赴き、丹乃と合流した。そこで伊織は、丹乃から魔人とは魂を集めるための器であり、西洋よりも発展していた他の亜人国家を滅ぼした大崩壊を引き起こした召喚獣である東方の獣の餌にするための存在だと知らされる。だから東方聖堂会は魔人を聖杯と呼ぶのだと。そしてすでに東方聖堂会の清河に冬馬は魔人であることがバレているため、伊織は危険を避けるためにも冬馬に彼が魔人であることを伝えた。
 そのことにショックを受けたが、踏ん張ろうとする冬馬を、伊織は優しく受け入れた。
 ヌアザを召喚するための魔力が戻っていない丹乃を残して、4人は天誅組へ乗り込んだ。そこで龍馬は歓迎され、吉村寅太郎という土佐の知り合いに海軍塾へ来ないかと誘ったのだが、幕府の犬になる気はないと断られてしまう。
 そこへ中山忠光という小夜の兄がやってきて、法鷲を幕軍の偵察だと断定して、伊織たちともども牢屋へ投獄されてしまう。
 しかしそこへ、法鷲の叔父が助けにやってきた。彼らは小夜奪還のために、龍馬が囮となり、残り3人で探索をすることになった。3人は屋敷で小夜を見つけたのだが、彼女の目は赤眼ではなかった。さらに彼女は逃げると兄の忠光が殺されると言って逃げるのを渋ったが、伊織に眠らされた。
 一方、龍馬は寅太郎たち相手に優勢を保っていたのだが、途中で鐘の音が鳴り響くと、寅太郎たちは獣魔という異形に変貌してしまった。彼らは鵺子によって改造されていたのだ。
 その頃、逃げる伊織達の前には鵺子が現れた。彼女は獣魔の上位体であり、魂魄転移によって小夜の肉体を乗っ取るまで、魔身結合によって小夜の身体を半分与っていたのだ。さらに鵺子には擬態能力があるため、完全に小夜になりすましていたのだ。鵺子は清河によって造られた存在でもある。
 小夜は半分獣魔の姿を法鷲に見られまいとしようとしていた。その隙に法鷲は鵺子に左足を切断されてしまい、小夜をさらわれてしまう。さらに獣魔が溢れ、伊織と冬馬も撤退を余儀なくされ、丹乃の手引きによって逃走した。
 幕軍拠点にて、逃げてきた龍馬と合流して、法鷲の足も直すと、作戦会議がもうけられた。公儀隠密の宿の女将だった紅も加わり、一同は再び天誅組に乗り込むこととなる。
 龍馬は再び獣魔の囮となったのだが、今度は魔法銃を使わずに、龍に変化する魔法を駆使して獣魔を蹴散らしていった。
 伊織達の方にも、獣魔やゴートンといった魔獣が襲いかかるのだが、丹乃のヌアザや紅によって伊織達は先へ進んだ。そして彼女たちは、魂魄転移の完了した鵺子と清河八郎と対峙した。清河は忠光を囮にして冬馬に転移魔法をかけて、彼をどこかへ転送してしまう。
 伊織は清河に冬馬の居場所を吐かせようと、彼に攻撃を仕掛けるのだが、効き目がない。清河は死んだと噂されていたり、以前冬馬に斬られても平然としていたのだが、それは彼が吸血鬼だったからだ。そして伊織は以前よりそのことを察しており、神聖魔法という吸血鬼用の魔法を習得していた。これにより劣勢となった清河は、伊織の仲間に化けて奇襲しようとするも、逆に伊織の幻術にハマり、絶体絶命のピンチとなった。だがそこへ、法鷲と完全に獣魔となった小夜と闘っていた鵺子に救われ、難を逃れた。
 さらに鵺子は魔人の力を使い、ダゴンというヌアザの3倍以上の大きさの、国をも滅ばす魔獣を召喚した。
 伊織の魔法は毛ほども効かず、龍となった龍馬やヌアサでさえも倒すことはできなかった。だがそこへ、法鷲の奥の手が発動し、法鷲のひじから先の左腕を代償に、中空に大きな亀裂が生じ、そこから腕が出現し、ダゴンを捉えた。しかしそれでもダゴンは抵抗した。すると、小夜が意を決し、上位個体である自らに、周りの獣魔たちを融合させてダゴンを亀裂へ押しやったのだ。法鷲はそれを制止するよう叫ぶのだったが、小夜は法鷲に別れを告げると、腕やダゴンといっしょに亀裂へと消えて行った。
 後日、伊織は丹乃から、冬馬が魂魄転移をされるには時間がかかるだろうことを教えられ、さらに丹乃も冬馬を探すと宣言される。
 さらに風呂へ行くと、法鷲と出くわした。彼は小夜が半分獣魔であったころに約束した、彼女の身体を取り返すという約束を果たすことを決意する。それと同時に、彼女を助け出すことのできなかった己の不甲斐なさと、彼女がもうこの世にはいない悲しみに打ちひしがれ、伊織に聞かれまいと、小さく嗚咽を漏らすのだった。




【感想】
 この作品は、日本史に詳しくない私でも楽しく読める内容です。
 それに、坂本竜馬や勝海舟などは、他の色んな作品でも見かけることはあるので、なんとなーく理解できるところもあり、そういう点を見つけると嬉しくもあります。
 幕末をモチーフにしているため、史実の人物などが出てくる面白さも魅力の一つでしょうが、他にも戦闘シーンやキャラクターの背景などもとても魅力的です。これほど設定が充実している作品も珍しいと思います。
 また、そういったシリアス成分ばかりが目立つことなく、コミカルな魅力もあります。吉野へ行く途中で海軍塾に冬馬が誘われて、行こうかどうか渋っているのは伊織のことが気になるからなのに、そのことに伊織は気付いてないという実にラノベらしい魅力もある。
 今回は、法鷲と小夜が結局はハッピーエンドを迎えられなかったことや、冬馬が最後にさらわれてしまうといった、もの悲しい展開で終わってしまっていますが、これはこれで個人的に好きな終わり方だったりします。次回はピ○チ姫になった冬馬奪還の回となるのでしょうか。
 あと、龍馬ちゃんと出てくるんだ、という驚きもありました。そのことについてはあとがきを読むと納得。
 毎度のことながら、ラストの怪獣大決戦は最高ですね!読む手が止まりませんでした。
 





貧乳男装美少女のかわいさは、いつの時代も変わりはしないということだ




  1. 2013/02/15(金) 23:01:52|
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空の境界 未来福音 (星海社文庫) 感想

空の境界 未来福音 (星海社文庫)空の境界 未来福音 (星海社文庫)
(2011/11/11)
奈須 きのこ

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未来を見据える人達の、お話

※色んな部分で私的見解による紹介や予測が書かれています。それらに関しては公式ではないので、そこのところご了承ください。

【簡略ネタバレストーリー】
○未来福音
 1998年8月3日、全寮制の礼園女学院に通う瀬尾静音は、親の経営する酒蔵の手伝いのために親に呼び戻された。友人のナオミちゃんからの励ましを胸に、彼女は街へ赴いて電車が来るまで街をぶらついていた。そこで彼女はあるおじさんを見つけ、おじさんに「このままだと死にますよ」というとんでもない言いがかりをつけたのだ。
 そこへやってきたのが黒桐幹也。彼は静音の言っていることが信じるに足るものだと考え、静音をふりほどいて先行くおじさんを追いかけた。しばらくすると、彼は静音の元へ帰って来た。おじさんは危うく車の爆発に巻き込まれるところだったのだ。静音は自分のことを信じてくれた幹也の気遣いが泣いてしまうほど嬉しくて、一目惚れのような気持ちを味わった。立ち話もなんだからと、二人は幹也が式を待つ予定だったアーネンエルベに入店した。
 時は遡り、あるホテルの落成式があった日のこと。建築に関わった橙子は式を連れてそのパーティに出席していた。そのパーティは残念ながら爆弾魔の爆弾によって無残な状況となるものの、死人は出て来なかった。そして式はその日に、爆弾魔と出会っていた。自分のことを見られたことに危機感を抱いた爆弾魔は、それから式のことを調べ、殺しにかかった。
 爆弾魔の名前は倉密メルカ。職業的爆弾魔であり、フリーエージェントである。彼の右目にはいつも未来が見えていた。左目に見える現実を右目に見える未来に向かって進める。彼の人生はそれだけだった。だが、そんな彼の未来視をもってしても、式を殺せなかった。理由は、彼の右目が式の死体を見ていなかったからだ。しかし彼は8月3日に、今度こそ式の死体を視た。
 アーネンエルベにやってきた幹也と静音は、彼女の未来視の話について話していた。その中で幹也は、式が爆弾魔に狙われていることを橙子に相談したときの、未来視の話を思い出していた。
 曰く、未来視には未来予測と未来測定の二通りある。未来予測は無意識に視界に納めている情報たちを統合することで未来を映像として予測するのだ。未来測定は予測とは違い、見える情報から未来を決定するのだ。静音の未来視は予測であり、倉密メルカの未来視は測定である。
 そんな未来予測のできる静音はそんな力で他人に干渉することに罪悪感と疎外感を感じていた。だから幹也は、そんな特別な事が出来るのだから、その行為を良い方向へ持って行くように努力しろという。それこそが、特別な能力を持つ者のハンデなのだと。
 8月3日、式は朝方に観布子の母という占い師を尋ねた。彼女こそ、情報がなくとも未来を見通せる、まさに未来視の能力者だった。式は未来視を使う人物がどういう人物なのかを知るために、彼女に会ったのだ。そして観布子の母は式に橋に気をつけろと助言した。そのすぐ後に、式は近くの橋で車の爆発事故に巻き込まれるのだが、川に飛び込むことで事なきを得た。それと同時に、この爆発を仕組んだ倉密メルカの居場所を見つける。
 式は倉密メルカのいるデパートの立体駐車場へやってきた。そこにはすでに倉密メルカの仕掛けた爆弾が、式を殺すために死角なく設置されていた。さらに倉密メルカはその駐車場にいて、式の死体を未来視している。そして彼が爆弾のスイッチを入れようとした時、式は倉密メルカの視ていた未来を殺した。
 未来予測は可能性を視る。しかし未来測定はあやふやな未来という概念をカタチにしている。カタチあるものには死がある。式に未来を殺された倉密メルカの右目は潰れ、その折に式に居場所がばれた。式は躊躇なく彼を殺すつもりだったのだが、彼を見た瞬間に殺すきが失せた。彼はまだ14歳の少年だったのだ。
 立体駐車場を後にした式は、アーネンエルベへやってきた。そこで店内に見えたのは、見知らぬ少女とお茶をしばいている幹也の姿だった。静音は式を視た瞬間に負けを悟り、その場で幹也とは別れて、実家へと帰省した。
 夏休み最終日。静音はナオミちゃんに夏休みの一幕を語った。そして彼女にそれは恋ではなく憧れだったのだとバッサリ切られた。静音自身もそうだと薄々気づいていた。そんな二人の会話に混ざって来た一人の転校生がいた。静音は彼女を未来視した途端、彼女に疑問を持った。もしかしたら彼女は、自分の思い人だったかもしれない人の妹ではないだろうか、と。

○未来福音 序
 瓶倉光溜は26歳になっていた。彼は12年前まで密倉メルカという名称で爆弾魔を職業としていた。しかし、彼はある人物との出会いで絵本作家となった。10年前は橙子が所有していたのであろうビルに事務所を構え、そこで作業するようにしていた。
 その日、彼は屋上で休憩した後に事務所へ戻った。するとそこには長い黒髪の少女がいた。少女の名前は黒桐未那。彼女は彼のファンであり、彼の事務所で出版された彼の絵本を読んでいた。
 彼と彼女の出会いは、瓶倉光溜が貸事務所の家賃を滞納していたことに起因する。貸事務所の債権者だったのはその土地の名代であり、式だった。彼女の計らいで、彼は彼女専属の興信所を兼業することとなった。その時に出会ったのが未那だ。
 その日、未那がやってきたのは興信所の仕事を彼に知らせるためだ。内容は、観布子の母という婆さんを立ち退きさせることだった。彼女は常に夜中の路地裏に居を構えている。未那は、彼に渡された資料から、観布子の母が未来視能力者だと知り、彼についていくことを決めた。瓶倉光溜は彼女の世話係である硯木秋隆にとがめられることを覚悟しながら、観布子の母を探した。
 彼女はほどなくして見つかった。彼は過去に彼女に会ったことがあった。彼女の衰えた姿に、ガッカリする彼だったのだが、彼女が今度は過去が視え始めたということに驚いた。
 未那は過去に両親がお世話になったことへの感謝を述べ、彼女の職業観を知ったことで、彼女の手助けをしたいと言い出した。そんな彼女のお願いを渋々聞くために、瓶倉光溜はとりあえず最難関である式の説得をしなければなくなったのだった。

 1996年1月。彼―両義織は夜道をぶらついていた。そんな夜道で出会ったのが、不幸を回避する方法を教えてくれると噂される観布子の母なる人物だった。適当な事を言うエセ占い師だと思っていた彼は、ジャンパーに忍ばせたナイフに手をやりながら彼女に占ってもらった。すると、彼女はどうやっても彼は死ぬのだと言った。
 それは彼が誰よりも知っていることで、誰も知らないことだった。彼女が本物だということを知った彼は彼女を殺す気が失せていた。
 彼女はしばらくの間彼の未来を視続けた。そして彼の未来に一言付け加えた。
 彼の夢は生き続けるのだと。
 その言葉を聞いた彼は上機嫌になると、占い師に別れを告げて家路を辿るのだった。


【感想】
 やっぱりらっきょは面白いですね。同人で出されたハードカバー版を読んだのが何年か前だったので、内容うろ覚えになってたせいか新鮮な気持ちで読むことができました。
 本編の唯一の続編ということで、本編のだいぶ先の未来が描かれていたことが嬉しいですね。きちんと二人は結ばれて、子どもも元気に育っている。なんとも嬉しいことです。
 未来は確定していないものだから、未来視といっても種類がある。ああ、なるほどなと思わされました。こういう形而上の事柄については、考えれば考えるほどドツボにはまるし、一人じゃ解決が視えないのでほっぽります。とりあえず、式が反則級の強さだったということです。
 そういった楽しみ以外もありました。たとえば、静音のクラスメイトが鮮花なんだろうなーと思っていたり、静音はおそらく月姫の瀬尾と関係あるだろうなーとか、倉密メルカって能力は違うけどDDDの火鉈の戦績表に名前載ってたな―とか、クロスオーバー的な要素を楽しむことができました。
 ラストの織の話も、本編で彼の思惑が予測でしか語られていなかったと思っていたので、彼が本当に式の未来を案じていたのだろうな、ということが伝わりました。
 




未那ちゃんマジ天使!



  1. 2013/02/12(火) 00:21:46|
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SUSHI-BU! 1貫目 (ファミ通文庫) 感想

SUSHI-BU! 1貫目 (ファミ通文庫)SUSHI-BU! 1貫目 (ファミ通文庫)
(2012/01/30)
西野吾郎

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名前関係のトラウマが続出する、お話


【簡略ネタバレストーリー】
 普通が信条である井園鰹(イソノカツオ)は、受験に失敗したことから、フリーダムがモットーである青葉学園花山高等学校へ入学した。
 すると入学早々、江戸前素子という上級生に江戸前寿司部という部活に入れと強要される。その理由は、カツオの名前が、有名国民的アニメに出てくる少年の名前そのままだからだ。素子は静岡生まれながらに江戸っ子に憧れており、その江戸っ子として尊敬しているのがサ○エさんなのだ。
 カツオが渋々部室へ行くと、そこで越戸紫という上級生に出会い、一目惚れ。そのため入部を決意。さらに、その紫に捕まった伊倉圭。彼もまたイクラちゃんというあだ名や男らしくない自分にコンプレックスがあったのだが、カツオのアグレッシブさに感銘を受け、入部。
 素子たちは部室申請のためにあと一人部員が必要となり、新歓で呼び込みをかけると、カツオの幼馴染である本山葵が目にとまった。素子は彼女のスカートが短いという理由だけでワカメちゃん要員としてカツオに勧誘してくるように命令する。
 カツオは過去に、葵にボコボコにされたトラウマがあり、葵は素直にカツオと会話ができないことからギクシャクしていた。しかしそれを、素子が見事に解決し、葵も部員となる。
 意気揚々と生徒会に申請をした一行だったが、これをよく思わない生徒会長の差し金で、地上げ部という部活による嫌がらせが発生した。素子たちは部室申請が職員会議にかけられるまで問題を起こしてはならず、地上げ部のされるがままだった。各人の教室の机にゲイの疑いをかける物を置いたり、女装衣装を置いたり、部室を醤油まみれにしたりとやりたい放題だった。
 そこで素子は一計を案じた。それは、地上げ部の部員で嫌がらせをしている川田に寿司を食べさせたのだ。その寿司は、彼のトラウマを蘇らせた。彼と素子は幼馴染であり、川田は素子の名前をからかっていたのだ。素子は自分の名前がからかわれるのが嫌だったが、いつしかむしろ自分は名前通りに江戸前寿司の職人になるべきだと曲解していた。そして素子は川田に自分が握った寿司を食べさせた。その寿司の具が、川田が可愛がっていたアメリカザリガニだったのだ。そして、今回の寿司のネタもザリガニ。
 川田はそれ以来寝込み、内部分裂していた地上げ部は、地上げに来なくなった。
 そのことに腹を立てた生徒会長だったが、紫が生徒会長の弱みを握ることで、これ以降の嫌がらせも発生しなかった。
 そして職員会議の結果、部室申請は下りなかった。
 納得のいかない一同は、再び部室および部費獲得のために抗議に向かうのだった。




【感想】
 テンポのよい掛け合いと、キャラの常識ない行動で突っ走る内容でした。
 『生徒会の一存』とか『バカとテストと召喚獣』みたいなノリで、主人公がボケなのかツッコミなのかわからない立ち位置でした。さらにこの主人公、普通が信条だと最初に掲げ、さらに常軌を逸した校風を嫌っていたのに、紫の登場だけであっさり反故してます。ナンダヨソレー。
 しかもこの高校、フリーダムって言ってるクセして、新歓の時や最後の部室部費申請だと急に真面目な事言ってます。部費や部室がなくても活動は許可してるんだから懸念される食中毒事件はその内起こってしまうんじゃないの?なら創部自体止めろよ、とか、フィクション設定でフリーダムって言ってるのに全然フリーダムじゃないよ、とか思ってました。
 それに、寿司部である必要あんまりなかったように思えます。名前ネタと絡めるために必要だったのかな。
 会話劇は楽しみながら読んでいました。名前ネタがこれでもかと笑わせてくれます。それに主人公の地の文がテンポいいのでスラスラと読めてしまいます。キャラも面白い性格してるので、設定は気にせず会話劇を楽しむ作品でした。





お魚くわえたドラ猫~♪



  1. 2013/02/09(土) 00:29:42|
  2. ファミ通文庫
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回る回る運命の輪回る―僕と新米運命工作員 (電撃文庫 な 15-1) 感想

回る回る運命の輪回る―僕と新米運命工作員 (電撃文庫 な 15-1)回る回る運命の輪回る―僕と新米運命工作員 (電撃文庫 な 15-1)
(2011/07/08)
波乃 歌

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運命なんかより友情のほうが強い、お話


【簡略ネタバレストーリー】
 野島浩平は、ある日数分後の未来を予知できるようになっていた。しかしそのことを特に気にすることもなく下校すると、その途中でコンビニの爆発事件に出くわす。
 コンビニを爆破した女の子を目撃した浩平は、女の子に殺されそうになるのだが、なんとか逃げのびることができた。翌日、幼馴染のちはるから心配されながらも一日を過ごしていたのだが、その夜に再び女の子の襲撃を受けるが、未来予知の力で女の子を撃退した。女の子はノアと名乗り、自分はソサエティという組織の一員なのだと言いだした。ソサエティは運命を読むことができ、その運命においてイレギュラな存在である浩平を排除しようとしたのだ。しかし排除ができないので、弟子というかたちで密着監視すると言いだした。
 それから浩平はノアに付きまとわれる日々が続いた。そんな時、小学生の頃に疎遠となった岩田優が、不良となって他の不良たちに暴行されている現場を目撃する。過去に、浩平は岩田の冤罪を証言しなかったことを悔いており、怖がりながらも不良たちに立ち向かった。二人はボロボロになりながらも、なんとか不良たちを撃退し、浩平の家でちはるも交えて久々の歓談に興じた。
 それからもノアは変な行動をとったりしていたのだが、ある日桜あかねという芸能人がやってくる。彼女はノアの上司でもあった。そして彼女は運命とは何か、イレギュラとは何かを浩平に伝え、さらにソサエティの反乱分子が浩平を狙っていることを伝える。
 浩平はその後、その反乱分子からノアを誘拐したと知らせを受け、反乱分子の元へ向かった。そこではいくつもの罠が張り巡らされていたのだが、浩平は予知能力を使って反乱分子を追いつめていく。しかし最後の罠には気付かなかった所を、岩田に救われる。そして最後に反乱分子は自爆を図るのだが、浩平は罠を逆手にとってなんとか生き延びた。
 事件後、桜あかねは運命とは何かを浩平に愚痴った。そして事件に居合わせたノアは大けがを負いながらも、今でも変わらず浩平の傍に居続けるのだった。



【感想】
 電撃大賞の拾い上げ作品。タイトルからは面白そうな気がしてたんですけども、そうでもなかったです。
 運命だの過去未来っていうSF要素組みこんだら話に深みは出ますけど、そういった設定をうまいこと使えなかったら逆にシラケますよね。つまりはそういうことです。
 運命って結局どういうことを指しているのか。ソサエティの言う正しさとはどういうことなのか。イレギュラがきまぐれな存在だとしても、その存在の行動も含めて運命なのではないのか。また、ソサエティは運命に抗っている組織のはずなのに、イレギュラという存在の運命には不干渉を決め込むべきとか、いまいち釈然としないところがあります。それに、ソサエティの詳細が語られていないのが残念です。
 あと、終盤に説明が偏りすぎな感じを受けました。前半の部活とか日常パートとは一体何だったのか。
 ただ、幼馴染3人のエピソードは読んでてすっきりしました。仲直りって素晴らしい。
 ヒロインであるノアの、いらない子な感じがハンパない。
 余談ですが、47ページの、話の骨を折るって違うんじゃ…
 


友情万歳



  1. 2013/02/07(木) 21:43:47|
  2. 電撃文庫
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楽園島からの脱出 (電撃文庫) 感想

楽園島からの脱出 (電撃文庫)楽園島からの脱出 (電撃文庫)
(2012/05/10)
土橋 真二郎

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サバイバルのようでサバイバルじゃない無人島生活の、お話


【簡略ネタバレストーリー】
 ある高校に極限ゲームサークルという部活があった。その部活はTRPGのようなゲームを校内外問わず行っていた。参加者は学校の生徒のほとんどだ。そんな部活の部長である斉藤進一は情報収集を好み、部員の神楽坂愛菜はゲーム参加者たちの行動を分析することを楽しんでいた。そんな二人も高校3年生であり、受験勉強を意識する夏休みに、極限ゲームサークルのOBから、ブリッツというゲームを高校最後のゲームにしないかと提案された。OBからはサークルの資金援助をされていたし、二人も時期的にちょうどいいと思い、その提案に乗った。
 ブリッツはとある無人島で行われる。そこで、斉藤と神楽坂を含めた、極限ゲームサークルが募集した男女それぞれ50名が参加する。私物の持ち込みは禁止であり、島にはこの100人以外の人はいない。全員には携帯食や水などが入ったリュックが配られた。さらに、女子は真っ白なワンピースに着替え、なにかの装置を身体に装着される。男子は私服のまま島に上陸した。
 さらに、島に行く船上で、男女50組のペアに分けられた。女子の手首についている静脈認識装置で男子の登録を行う。そこで神楽坂のペアになったのが、沖田瞬だった。彼は以前カウンセラーの資格を持つ養護教諭の心理テストに引っかかったことがある。さらに、極限ゲームサークルの主催した石窟脱出ゲームにおいて、いっしょに参加していた志田賢治、鈴木、花穂結羽を裏切ったことがある。さらに、花穂にはカードゲームながらに酷い行いをしていた。しかし、彼の実力は折り紙つきだった。
 島に着いた時はすでに夕暮れであり、ペンライトしか持たない彼らは、船にいたOBのアドバイスで陽が落ちる前に島の中心を目指した。その途中、中谷という女子が島には不釣り合いな自動販売機を見つけ、さらにそこで台座に座ったぬいぐるみを見つけた。彼女がそのぬいぐるみに触れると電気ショックが彼女を襲った。それほど害はなかったものの、一行はひとまず島の中央を目指した。
 そこは広場になっており、一行は斉藤を中心として現状の把握に努めた。その途中で、電気ショックの話が挙がり、ぬいぐるみを調べており、かつ脱出ゲームの達人と言われた沖田がアドバイザーとなって、全員にこれはゲームだと強調しながら、現状ではわからないことが多すぎると言った。
 翌朝、100人はペアなど無視してそれぞれのグループで行動していた。沖田は神楽坂を伴って、奇妙な音がする場所へ向かった。そこには風車があり、風車にはぬいぐるみと、「白銀の風車:エネルギーポイント」と書かれていた。なんのことかは分からず、とりあえず林を分け行って探索をした。その途中で、沖田はベルトのバックルに付属していた小さなナイフを使った。私物は検査されていたが、ベルトのバックルだったため検査をすり抜けたのだ。そして沖田と神楽坂が見つけたのは綺麗な砂浜だ。そこにもぬいぐるみと「魅惑のビーチ:休憩ポイント」と書かれたプレートがあった。ここで沖田は神楽坂をからかうのだが、逆に神楽坂に、沖田は人のことがわからないだから心理テストでわざと引っかかり、専門家であるカウンセラーに近づいたのだと指摘され、逆上した。しかし、神楽坂は女子全員に装着されているスタンガンで応戦し、難を逃れた。
 沖田が広場に戻ると、田中梨央と出会った。彼女は不思議な女の子で、コレクターだった。砂浜で綺麗だと思うものを集めていたのだという。その中に青い金属製のボールを見つけた沖田は、とりあえずそれを貝殻と交換した。
 そして広場で報告会が行われた。島で見つかった施設は、自販機、ホテル、ショップ、風車、コテージだった。そのどれもにぬいぐるみとプレートがあった。これらがどういう意味を持つのか誰もわからなかったが、沖田は志田からの情報で何かをつかみかけていた。それを察した神楽坂は、襲われたことを弱味にして、全員の前で沖田に謎の解決を持ちかけた。沖田は仕方なく推理を説明した。ぬいぐるみは施設を守る敵であり、ぬいぐるみを倒すには女子のスタンガンを使うのだと。その推理は命中し、自販機のぬいぐるみが倒れると認証システムが起動し、男子がそれに触れると自販機が使えるようになり、さらにぬいぐるみが使用方法の説明を始めた。女子の手首のモニターにある100という数字が、疑似マネーとなるようだ。この時スタンガンを使った委員長と呼ばれる中野香織里の手首に沖田が触れてしまった。すると、沖田は香織里のペアに認識された。男子は複数の女子とペアになれるのだ。
 その後、風車でスタンガンが充電できることが見つかった。そして、女子の手首にあるモニターには、3という限度数が表示されていた。スタンガンの攻撃はブリッツと称された。沖田は香織里を連れて見つけた砂浜へ行き、砂浜ステージを解放した。しかし特に変化はなかった。沖田はここを香織里と神楽坂以外には秘密にすることにした。するとそこへ花穂が現れた。彼女はスチールケースを持っており、その中を覗くとゴムボートと妖精の人形と赤い玉が入っていた。とりあえずそれは沖田が所有することとなった。
 一方、ホテルは斉藤が認識していた。そしてホテルの施設の利用のためには認識者のペアにならなければいけなかった。自販機や風車も同様だ。しかし、認識者は簡単に上書きが可能でもあった。ショップでは女子向けの衣装がふんだんに取りそろえられていた。
 その頃、公正を期すために沖田とペアを解消した神楽坂は鈴木たちと探索に出ていた。そして彼女たちは、脱出ポイントであるチャペル風の鐘のあるステージを発見した。さらにそこで奇妙な計測器を見つけ、広場に人を集めてそのことを報告した。計測器はコンセントのさる広場の街灯で使え、女子の服装やアクセサリーの合計ポイントを表し、男子は持っている果実―沖田が梨央と交換した金属のボールがポイントとして表され、それらのポイントは島脱出後に換金される額を表していることが分かった。そのことに喜ぶ一同だったが、篠田あかりという女子が脱出を提案した。しかしそれを沖田が脱出条件を満たしていないと否定した。さらに、現金もそれほどもらえないと主張した沖田だったが、計測器で沖田が100万ポイントを越えていることを須藤拓也という不良に指摘されてしまった。
 沖田は紅玉が原因だとわかるとそれを斉藤に預けた。そんな中、軽音楽部のグループによって自販機を占領されてしまった。彼らはホテルで見つけたアイテムをつかって、自販機の認証の上書きができなくしたのだ。そのことについて、斉藤や鈴木、如月未来という女子運動部の中心や文化部の中心である篠田などが話合いを設けた。鈴木や如月は強硬策を推したが、斉藤と篠田は話し合いを望んだ。結論は強硬策。コテージで別行動をとっていた須田には篠田や花穂などが協力を仰ぎに行き、沖田は香織里とペアを解消し、西野優子という女子とペアになった。
 コテージには須田の他に志田とその彼女の風子がいた。しかし、風子は篠田たちと同じように須田のペアとなってしまう。須田はペアになった女子にブリッツ返しができるアイテムをコテージで手に入れていたのだ。さらに須田は軽音部ともグルで、捕らえた花穂を斉藤たちにメッセンジャーとして派遣した。その時、沖田は自らのケースと如月が持っていた50万ポイントの衣装が入ったケースを交換した。さらに彼女にあることが書かれた紙も渡していた。
 須田は早期脱出を目指していた。その須田のところへ、斉藤が神楽坂などの女子を連れてやってきたのだが、和解は成立せず、神楽坂を除いた全員が捕らえられた。
 そして須田は女子を従えながらホテルへとやってきた。鈴木たちは強硬策を取ろうとしていたのだが、須田のブリッツ返しに苦しむ女子たちを前にして、無抵抗のまま捕らえられてしまう。そして須田は如月が持っていた紙を読むと、一直線に鐘のステージへ向かった。
 そこで待っていたのは沖田と花穂だった。花穂は須田の隙をついてスタンガンを突き付けることができたものの、争いたくないという心情からブリッツを繰り出すことができなかった。須田は鐘の柱にあった窪みに宝石―金属のボールをはめ込んでいった。そして設置されていたスイッチを押して脱出を完了する、はずだった。しかしその方法は、沖田が紙に書いた嘘条件だった。そのことに驚く須田の隙をつき、華美な衣装を着た梨央がブリッツを繰り出した。ブリッツは衣装のランクによってその威力を増すのだ。そして沖田はいつの間にか優子と梨央を交換していたのだ。
 その頃、神楽坂は斉藤を助けた後、風車ステージで見つかっていなかった何らかのアイテムを見つけた。
 その後、須田は広場に設えてあった檻に入れられることとなった。そして一同の中に、スタンガンは抑止力ではなく、確固たる正当防衛や暴力の手段なのだと認知された。
 そして砂浜では、沖田が須田から取り上げたブリッツ返しを梨央に使っていた。その現場を目撃した花穂は沖田を責めた。だが、梨央は精神異常者であり、彼女をかばって心理テストに引っかかった沖田は、これは矯正なのだと言った。




【感想】
 土橋さんの作品はあまり読んでいないのですが、このお話も面白かったです。
 無人島生活が繰り広げられているのに、ゲームであるという事実と、ルールや施設による理性の制御がなされることで、サバイバルのような血なまぐさい話ではなくなっている。その代わり、100人という大規模なコミュニティを用意し、その中で男女それぞれの役割や能力に差をつけることで、人間関係にどんどんひびが入っていく。今回は島の設備の紹介や人間関係の現状が描かれたりする必要があったためか、それほど派手なことはありませんでした。ですが、須田の反乱から沖田のひねくれた脱出への熱意などは、読んでて面白かったです。
 沖田は人のことが理解しづらい日常に嫌気がさしており、そんな中で見つけたカウンセラーというはけ口に依存していた。でも、そのカウンセラーは突如いなくなり、さらにはそれ以前も以降の足取りがつかめない。だから彼はカウンセラーとつながりのあった花穂と石窟ゲームで接触を図ったが、空振りだった。このような沖田の歪みが、今後どうゲームに影響してくるのでしょうか。
 それにしても登場人物多すぎて把握がしづらい。でも、そんな多人数が登場しているからこそ面白くもあるんですよね。
 そして極限ゲームサークルのOBの思惑と正体とは?
 
 

 
簡単かつ要点を押さえたあらすじを書ける文章力がほしい…





  1. 2013/02/06(水) 00:06:15|
  2. 電撃文庫
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僕は友達が少ない ゆにばーす (MF文庫J) 感想

僕は友達が少ない ゆにばーす (MF文庫J)僕は友達が少ない ゆにばーす (MF文庫J)
(2011/11/23)
平坂 読、裕時 悠示 他

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残念な日常が詰まった、お話


【簡略ネタバレストーリー】
○「ふふん夜空、あたしに友達ができたわ!」「あ、ぞ?」 著:裕時悠示
 ある日、星奈に友達ができたと言われ、驚く隣人部。しかしその友達とは、星奈のクラスメートが彼女をからかって出したメールが原因だったようだ。そのことを男子便所で盗み聞きしていた小鷹は隣人部メンバーに相談して、星奈に本当のことを打ち明けようとしたのだが、星奈の浮かれっぷりに言いだすことができなかった。
 そして、偽の友人は星奈に会いたいと言ってきた。星奈は喜んで会いに行くのだが、いくら待っても偽の友人は来なかった。そんな星奈を見張っていた夜空を除いたメンバーは、なんとか偽の友人のフリをしようとするのだが、ことごとく星奈にバレてしまう。そしてついに小鷹が真相を暴露しようとした時、夜空が現れ、偽の友人は引っ越してしまったと嘘を言う。そのことを信じた星奈は、本当はいない友人の先行きを祈るのだった。


○ぼっちは変化球が投げられない 著:渡航
 ある日、夜空がリア充はスポーツをやっているものだと言いだし、次に星奈がそれなら野球をやろうと言いだした。小鷹は野球は一人でするものだと思いながらも、ホームセンターでプラスチックバットとゴムボールを購入し、日曜日に貸しグラウンドで野球をすることになった。
 理科が恐ろしく高性能なバッティングマシーンを持ち込んだり、幸村が抜刀術を使ってバッターボックスに立ったり、小鳩とマリアにいたってはゲームにならないありさまだった。そんな中で、小さい頃に野球をしていた夜空と、野球を知らないものの自慢の運動神経でそれをカバーする星奈は名勝負を繰り広げた。そして夜空が星奈をフルカウントに追い込んだ時、夜空はカーブを投げた。小鷹は夜空がカーブを投げられることを知らなかったが、なぜか身体が自然と捕球したのだ。それは、小さい頃にタカがソラに教えた球だったからだ。
 こうして星奈は負けてしまうのだが、その直後の2回目の勝負で、両者がボールとバットに泥や石を詰め込んで互いの腹に命中させ、嘔吐し合うという残念な勝負が繰り広げられた。
 ゲーム後、一向はファミレスで疲れを癒そうとするのだが、夜空と星奈はジュースを混ぜて相手に飲ませるという小学生のようなことをして、張り合うのだった。だが、小鷹にとっては、そんな時間がむしょうに楽しくもあった。


○三二四駆 著:志端祐
 ある日、隣人部は学園の倉庫に眠っていた昔のおもちゃを引っ張りだして遊んでいた。その中に、ミニ四駆のパチモンである三二四駆があった。夜空や小鷹は知っていたようだが、星奈はその存在を知らなかった。そして夜空と星奈がひと悶着を起こした後、後日全員で三二四駆のレースをすることになった。
 三二四駆は屋外がコースであるため、一向は校舎裏でレースを始めた。マリアは理科の改造した三二四駆を使ったのだが、出力過多で自分の機体を追うことができていなかった。そしてマリアの機体は園芸部の肥溜にハマり、うんこをまき散らすデンジャラスカーとなってしまった。誰もがその餌食になってしまうのだが、夜空の機体は小鷹との思い出の期待であるため、うんこを被ることを覚悟の上で、機体をかばった。
 シャワーを浴びた隣人部は、次の懐かしいゲームに移って行った。


○将棋はとっても楽しいなあ! 著:さがら総
 ある日、小鷹は商店街の景品で将棋道具一式を当てた、というか貰った。小鷹はよく一人将棋をしていたのだが、それも味気ないと思い、部室に持ってきて、後日将棋トーナメントが行われた。
 一回戦は夜空とマリアの勝負が行われ、天才児であるマリアの優位かと思いきや、初心者のフリをしていた夜空がマリアの油断につけこみ勝利した。
 次の試合では、星奈と小鳩の試合が行われた。小鳩は家で中二ネーミングの指し手を覚えて来ていたのだが、それらの戦法は名前負けの弱い戦法であり、初心者ながら頭脳明晰な星奈にあっさり負けてしまう。
 三試合目は、理科と幸村の勝負だったのだが、理科があまりの弱さに瞬殺される。
 そして二回戦に夜空と星奈が対決した。夜空は様々な戦法を取るのだが、劣勢を強いられる。そこで、試合を1時間中断したり、星奈を挑発したりしてペースを掴んだ。そして最終手段として、どこかから盗って来た将棋の駒をこっそり星奈の持ち駒に混ぜて、無理やり反則負けに仕立てた。
 その後、シードだった小鷹と幸村の試合が始まった。小鷹は幸村に自分の将棋知識をひけらかしたりしていたのだが、実は幸村が手加減していたことを知り、八百長はやめて欲しいと幸村に頼んだ。すると、飛車角を取られていた状況にもかかわらず、幸村は見事に勝利を収めた。
 決勝も、幸村の圧倒的な強さの前に、夜空はなすすべもなかった。
 このトーナメント後、将棋を好きになる部員が増えることはなく、小鷹は一人寂しく将棋を打つことになるのだった。


○魔法少女うんこ☆マリア 著:平坂読
 この世界では小鷹とマリアとケイトは家族だった。ある日、マリアは古本屋に立ち寄った所、小鳩を見つけた。そして彼女と友達になろうとするのだが、嫌われてしまう。店員の夜空にマリアが悪かったのだと諭されると、マリアは小鳩に謝りたいと思うようになる。
 家に帰ると、小鷹といっしょに近所に住む理科のところへ差し入れを持っていた。その時、小鳩が古本屋で見つけた魔導書を使って悪魔を召喚していた。夜空はそんな悪魔を退治する組織の一員で、悪魔を撃退しようとするのだが、あっさりやられてしまう。そして、理科の開発したステッキを使い、マリアは魔法少女となって悪魔と対決することになる。
 マリアに負けそうになった小鳩は、悪魔のコントロールを放棄する代わりに悪魔を強化した。しかしその瞬間に悪魔に裏切られてしまう。そんな小鳩をマリアが助け、マリアは改めて小鳩に謝罪した。悪魔は出力過多で自滅してしまった。
 小鳩はその場を逃げ出してしまったので、マリアの闘いはこれからも続いていく、ことはない。


【感想】
 アンソロジーらしい作品でした。
 それにしても、ほとんどの作品で星奈の扱いが酷いwそのくせ万能超人だから残念さがすごい際立っていました。
 渡航さんは、『俺の青春ラブコメは~』の八幡が憑依しているような小鷹のぼっちっぷりが発揮されていました。今回の作家陣の中で、一番残念な話を書かれていたように思います。
 三二四駆は読んでてすごい懐かしい感じがしました。ミニ四駆世代ど真ん中だった自分としては、あーそんなことあったなーって小学生時代を思い返しました。トライダガーの進路をボタンを当てて変更できないんですよねー。
 さがら総さんは、将棋好きなんでしょうね。専門用語がいっぱい出てきて、どんな攻め方してるのか全部はわかりませんでした。ですが、将棋は駒の動きくらいしかわからない自分でも、楽しく読めました。
 裕時悠示さんだけは、残念な中にも少しだけいい話っぽい要素を詰め込んでいて、こういうのもアリだな、と思わされました。
 そして原作者の平坂さんは一番はっちゃけてました。とりあえずマリアにはうんこって言わせておくか的な思惑を感じてしまいます。
 その他、他のラノベの挿絵などでよく見かけるイラストレーター陣のイラストがすばらしかったです。
 

 
 

 
違う人たちが書いているのに、キャラクターの個性のブレなさに感動した



  1. 2013/02/04(月) 22:37:03|
  2. その他のレーベル
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サイハテの救世主 PAPERII:黄金火山と幸福の少女 (角川スニーカー文庫) 感想

サイハテの救世主    PAPERII:黄金火山と幸福の少女 (角川スニーカー文庫)サイハテの救世主 PAPERII:黄金火山と幸福の少女 (角川スニーカー文庫)
(2013/01/31)
岩井 恭平

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不幸な人達が不幸な出来事を起こしたり解決したりする、お話



【簡略ネタバレストーリー】
 陸たちの幼なじみである又吉がひきこもっているので、それを解決してほしいと陸たちに依頼された葉だったが、説得に失敗し、又吉や陸たちに笑われてしまう。腹が立った葉は自宅に帰ってしまうのだが、そこへノーラが襲来し、葉を連れ去ってしまう。
 ノーラが葉を連れ去った理由は、以前に葉が書いた災厄論文の一つである黄金火山による世界滅亡の危険性が増したからだった。ノーラと葉を乗せた飛行機は北海まで飛行し、北海で停船していたイギリス艦ロイヤルパレスへ着地する。そこで葉の大学時代の級友でありアメリカ海軍の特殊部隊所属であるエリク・グッドオール・ジュニアが葉の護衛として派遣されていた。さらにロイヤルパレスには北海周辺諸国の代表者達や国連事務総長などが葉を待っていた。
 一行は海底にある中立研究機関のゴールド・ピッドへ、マンタと呼ばれる潜水艇に乗り込んで向かった。
 ゴールド・ピッドにはアンジェリンという少女がいた。彼女は黄金火山の危険性を危惧した天才だったころの葉が見つけた少女であり、特殊な脳波によって黄金火山の噴火の予兆を感じとる事がでた。そして彼女の指令によって、噴火を抑制するミサイルであるボトムズ・アンカーが黄金火山へ発射されることで、これまで噴火を抑制してきていた。もし噴火するようなことがあれば、周辺諸国はマグマに呑みこまれ、世界は火山灰で覆われ、大陸は海に呑みこまれてしまう。今回葉が呼び出された理由は、アンジェリンと面会し、黄金火山が噴火するのかしないのか、また被害はどれくらいになるのかを教えてもらうためだった。
 一行がゴールド・ピッドへ到着すると、基地長と案内人に導かれてアンジェリンの居住地へ連れて行かれたのだが、急にアンジェリンが葉と会いたくないと言ってきた。これは葉にとってありがたかった。葉は以前アンジェリンにひどい仕打ちをしたことがあり、それを悔いていたのだ。だから葉はその場から逃げ去りマンタに乗ることに成功したのだが、操縦席はジュニアに代わられてしまった。そんな二人を、謎の潜水艦が攻撃し、危うく死にかけたのだが、なんとか難を逃れ、ロイヤルパレスに拾われた。
 葉はロイヤルパレスの兵士たちを脅して沖縄へ帰って来た。陸や照瑠や海たちの水着姿を見たり、香織に殺されそうになったり、照瑠の勉強を教えようとしてあまりのレベルの低さに愕然としていたらバカ扱いされてしまったりした。その後、葉は再び又吉の家を訪れ、又吉を説得しようとするのだが、またしても失敗してしまう。あげくに沖縄にやってきたジュニアたちに捕獲されて再び北海へ戻ることになってしまった。
 ロイヤルパレスの甲板では、葉を襲った潜水艦がどこの国かでもめていた。さらにアンジェリンがいれば葉は必要ないはずだという話になり、どこかの国がアンジェリンのご機嫌を損ねてしまったのではないかという幼稚な口論が繰り広げられてしまうようになった。そんな時、アンジェリンから要請が入り、ボトムズ・アンカーを発射することになったのだが、その発射予定海域にオランダの潜水艦がいることが判明し、発射を躊躇ってしまう一同。しかし世界滅亡には代えられず、発射しようとするのだが、その潜水艦の船長の兄であるオランダ代表がロイヤルパレス船長へ銃口を向ける。それをイギリス海兵が発砲し止めるのだが、その場は騒然としてしまう。さらに葉はその海兵をアンジェリンだと幻視して艦内へ逃げてしまう。
 ジュニアはどうにか葉を確保するのだが、追ってきたイギリス海兵に襲われる。海兵は頭を吹っ飛ばされない限りゾンビのように挑みかかって来た。なんとかその場をしのいだジュニアだが、艦長から連絡で味方のイギリス海兵たちの幾人かがが攻撃してきていることをしる。そしてジュニアは葉が敵の海兵をアンジェリンと呼ぶことに気付き、敵の海兵だけを倒しながら、なんとか葉をノーラや事務総長たちの所へ送り届けた。しかし、その頃にはオランダの潜水艦にボトムズ・アンカーが撃ち込まれていた。
 これらの一件が落ち着くまで、葉は沖縄へ帰された。そこで陸に、次から遠出する時は行き先を教えて行けと注意される。そして葉はまたしても又吉のところへ赴き、説得を開始した。又吉は中学時代はバレーの優秀選手だったのだが、いくつもの不幸が重なり落ちぶれてしまい、自分が周りにバカにされている気がしていて、遠くへ行ってしまいたいと言った。葉はそんな彼女―又吉三三子の願いを叶えるべく、再び来襲したジュニアに彼女ともども連れさらわれてしまう。
 アンジェリンの許可が下りたため、彼らは再びゴールド・ピッドへ向かったのだが、その途中でまたしても謎の潜水艦に襲われる。危機の中、葉が天才だった頃の搾りかすである脳みそを振り絞ってなんとかゴールド・ピッドへ到着した。しかしそこは死体が点々とする地獄となっていた。3人は警戒しながら通路を進み、敵に出会うことなくノーラたちと合流する。しかし、敵は死体だと思っていたゴールド・ピッドの研究員たちであり、彼らに強襲されてしまう。研究員たちは以前の海兵たちのようにゾンビのように無敵だった。さらに彼らのリーダーのように、案内者が自分たちはアンジェリンを女王に戴くヴォルカノ公国の国民だと称し、黄金火山の噴火をもって地上へ浮上するのだと言った。
 そして、彼女は葉が天才ではなくノーラや事務総長たちを裏切るのなら歓迎すると言いだした。葉はその言葉に誘われそうになるが、陸の顔を思い出して踏みとどまった。その瞬間にジュニアが案内人の首を切り落としたのだが、彼女は平然と生きていた。それでもジュニアや兵士たちはなんとか退路を作り、葉たちは逃げ出した。そして皆でマンタのある格納庫へ向かおうとしたのだが、葉だけはアンジェリンを説得するためにゴールド・ピッドへ残されてしまう。葉はすでに天才ではないが、天才を信じて疑わない人間たちに突き放されたのだ。
 葉は護衛のジュニアと付いてきてしまった又吉を連れて、アンジェリンと邂逅した。
 アンジェリンは葉を歓迎した。それはアンジェリンが葉のことが大好きだったからだ。彼女は天才だったころの葉に憧れ、彼が天才でなくなることを願った。そして葉はそんな彼女に取り返しのつかない事をしてしまっていた。葉が彼女を見つけた時、彼女は未知の病に犯されていた。だから葉は彼女が生き永らえられるように、彼女を人造人間に作り替えた。それこそが新たな災厄「あまりにも我儘なアンジー」になることを知っていながら。アンジェリンは誰かが盗みだした災厄論文を読んで、今回の件を企てたのだ。そして葉に頼ることなく自らをメンテナンスしていく内に、その術を知り、研究員たちを人造人間に改造していった。そして今、葉は再びアンジェリンと対峙している。
 ジュニアは後を追ってきた案内人に敗れてしまい、葉と又吉は、葉がアンジェリンをメンテナンスしていた離れへ避難していた。そして、葉は自らが助かるために、天才の欠片を集めて又吉を改造人間に仕立て上げた。
 又吉は案内人よりも完成度が低かったが、復活したジュニアのサポートもあり、案内人を倒すことに成功した。そして彼女はアンジェリンを連れて海底に面したガラス壁のある場所へ行って、ガラス壁を破ってアンジェリンを水圧によって圧殺した。それらはすべて葉によってインプットされた行動だった。
 アンジェリンは葉のことを愛していた。そして葉も、もしかしたらアンジェリンを愛していたかもしれない。しかし、所詮彼女は葉のファンに過ぎなかったのだ。
 ロイヤルパレスに帰還した葉たちは、アンジェリンの脳に埋め込んでいた彼女の脳波を測定するチップを事務総長に渡し、これからはそのチップの演算をアンジェリンの代わりにさせた。
 沖縄に帰って来た葉は、陸に怒られるのだが、次からはちゃんと行き先を教えると約束した。そして、陸や香織や夏生がいるところへ又吉がやってきて、葉に向かって、汚されたから責任を取れと言い放ち、陸たちから折檻を受けるのだった。





【感想】
 いやー、今回もスケールがでっかかったですね。おかげでネタバレストーリーがものすごく長くなってしまいました。え?それはお前の文才がないからだって?細けえことは気にすんな!
 とりあえず、今回の見どころはたくさんありましたね。軍艦や国際情勢のもつれや二つの災厄論文に又吉の不幸。本当に又吉かわいそうです。もしかすると『とある魔術の~』上条さんよりも不幸なんじゃないだろうか。彼女は不幸の星の下に生まれてきたに違いない。
 そして同じく同情してしまうのはアンジェリン。改造人間にならないと助からないうえに、災厄を退けるための人類の道具にならないといけなかった運命にありながら、同時に自分が災厄自身になっちゃたという、もうドロドロの人生を送るしかなくなっているところがやりきれない気持ちにさせますね。そして彼女自身がそれを望んでいたことが拍車をかけます。
 そして葉もまた、凡人になってしまったが故の悲しさに溢れていました。ゴールド・ピッド脱出のときにノーラたちに突き飛ばされて絶望していたところが特にもの悲しかったですね。さらに誰かに愛されたいと、プライドの高い彼が本音を漏らしたのに又吉に容赦なく切って捨てられるところとかも胸が痛くなりました。他にも、ジュニアが案内人を口説こうと決めたのが、彼女を殺す時だった所とかも。
 いやー、今回は不幸自慢大会でも行われているのかと思うくらい不幸な人達ばかり出てきました。でも、そんな中で変わらず温かく迎えてくれる沖縄の人たちが、とても眩しい存在のように思えてなりませんでした。
 「天才」とは、もう人間扱いもできないくらいの規格外であり、だからこそ「英雄」になれるし、「人間」として扱われることができないんだな、と前回よりそのことが顕著に記されていたと思います。

 
 

 
香織を取り込むことができれば、嘉手納は葉の楽園になりそうだな



  1. 2013/02/04(月) 00:33:51|
  2. 角川スニーカー文庫
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桜色の春をこえて (電撃文庫) 感想

桜色の春をこえて (電撃文庫)桜色の春をこえて (電撃文庫)
(2011/11/10)
直井 章

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暗い過去を背負っているからといって人生が暗くなるわけではない、というお話



【簡略ネタバレストーリー】
 幼い頃に父親と母親が離婚し、さらに母親が新しい男を作って蒸発してしまったプチみなしごである真世は、叔父を連帯保証人にして東京から東北へ居を移し、新たな学園生活を謳歌しようとしていた。しかし、入居予定だった部屋がダブルブッキングしてしまい、隣の部屋に住む澄多の下で厄介になることとなった。
 澄多は過去に、友達が付き合っていた教師を血祭りに上げてしまったことから停学処分を受け、出席日数不足で留年してしまった真世の同級生だった。さらに彼女は父親がおらず、小さい頃には母親に虐待を受けていた過去があった。
 真世はそんな澄多となんとか折り合いをつけながら生活していた。そして、澄多と出かけた際に、澄多が不良に絡まれている所を救ったことから、澄多に懐かれるようになった。ただし、真世は無期停学処分となった。
 二人は互いの似た境遇にはあまり触れることはなく、だけどどこかシンパシーを感じた様に仲を深めていき、星型のキホルダーをペアのように持ち歩く仲になった。
 そんな彼女たちは衝突しながらも、各自の母親との折り合いをつけていくことになる。澄多は癌で入院している母親のお見舞いに一度として行くことはなかったが、死に目にには立ち会う勇気をだして病院へ向かったし、真世は再婚すると連絡が入った母親へ、三行半を突き付けてやった。
 二人は互いの悩みと真っ向から向き合い、克服することできたのだ。





【感想】
 青春もので、同居してて、さらに主人公が女の子二人組の上に実は両人とも暗い過去を抱えているというすごく好みな設定だから期待に胸を膨らませながら読みました。ですが、なんだか少し期待外れでした。
 それというのも、細やかな描写やディープな格闘技系の小ネタの数々が、自分にとっては魅力的に思えなかったからではないかと考えます。
 キャラクターの容姿や、建造物や景色に料理の手順などなど、背景描写がすごく丁寧に描写されていて、それらはどんな場所で何をしているのか、ということをイメージしやすいものだったのですが、いかんせんすべての場面で丁寧過ぎるほどに描写されていて、冗長のように感じられました。描写というより、説明されている感じに近かったです。
 同じ電撃大賞の拾い上げだった『世界の終わり、素晴らしき日々』も似た様に、細やかな描写と起伏に乏しい展開だったように感じます。こちらの作品も設定はすごい好みだったんですけれど、あと一歩、という感じがすごい似てました。
 その他、主人公である二人の少女の家庭事情がとても暗いものだったのですが、それがうまい具合に物語の展開に組みこまれてないようにも感じました。クライマックスの真世が母親を罵る場面も、もっと盛り上げてくれてもよかったと思います。
 起承転結の転がないまま物語が終わってしまった感じを受けました。物語を読んでいるというよりも、日記を読んでいる感覚でした。
 ですが、ファンタジーな要素のない青春物語がライトノベルにあるのは貴重で、こういう作品をもっと読めることを願ってます。
 
 

 

基本的にフィクション内の強面生徒指導教員は恩師になるフラグが立っています



  1. 2013/02/02(土) 17:04:43|
  2. 電撃文庫
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ラノベとゲームの感想を中心に気ままに更新しているブログです。
※備忘録としても使っているので、ネタバレを含む内容となっているところがあります。
文章がおかしな点が多々あるとは思いますが、勢いだけで書いているので見逃してください。

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