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僕は友達が少ない CONNECT (MF文庫J) 感想

僕は友達が少ない CONNECT (MF文庫J)僕は友達が少ない CONNECT (MF文庫J)
(2012/12/21)
平坂読

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隣人部を取り巻く周囲の人とメンバーの繋がりの結果が、隣人部の物語に繋がる、お話



【簡略ネタバレストーリー】
○動き出した時間
 幼少期に小鷹と突然の別れを喫した夜空は、それ以降人との距離感の図り方を間違えるようになり、自分から人と関わろうとしなくなっていた。
 そんな彼女は、小鷹が転校してきたその日に、小鷹がタカだと気付いた。しかし、普段から人と関わろうとしないせいか、どう声をかけたものかわからなかった。そこでエア友達に相談していたところを小鷹に見つかるという1巻のシーンが起こる。流れは1巻のシーンそのままだが、語り手が夜空なので、夜空が小鷹に突っぱねた態度をとっていた理由や、隣人部の目的は小鷹といるためだとか、マリアは脅迫によって顧問になったとか、もろもろの裏事情がうかがえる。
 部活も作り、小鷹と二人っきりになれると思った所へ、噂からリア充だと思っていた星奈がやってくる。

○なぞなぞ
 マリアと夜空による日常。

○はじまりの翼
 天馬と隼人が学生だったころの話。容姿端麗、頭脳明晰、文武両道を地で行く天馬は、なんとなく関わろうとしてくる隼人と風呂屋へ行っていた。そこで、隼人は自らの夢を語り、夢を持たない周囲に辟易としていた天馬は隼人に関心を示していた。だが、隼人は夢のために近道となる学校が男子校だったことに不満があり、女子の出会いがほしいという。そんな彼に、天馬は聖クロニカ学園の知り合いを紹介すると言った。天馬の知り合いであるノエルは日本に留学に来ており、生徒会長を務める快活な少女で、天馬の頼みを快く引き受けた。
 そして天馬と隼人がノエルと合コンのようなことをする日。やってきたノエルはもう一人の少女を連れていた。その少女こそが、後の小鷹や小鳩の母となるアイリだった。アイリは三国志にハマっていて、眼帯を付けて言葉づかいも奇妙な人物だったのだが、隼人はアイリに一目惚れをしてしまった。勢いよくアプローチを仕掛ける隼人に、本来は内気なアイリはあたふたしていた。
 それからも4人は仲良く遊んでいたのだが、隼人はなかなかアイリに告白はしなかった。そして痺れを切らしたアイリが隼人をせっつかして告白をさせて、二人は付き合うこととなった。
 そうなると4人でいる機会は減り、自然と、天馬とノエルも逢うことは減って行った。しかし、とある機会で天馬が聖クロニカ学園を訪れた時、久しぶりにノエルと再開し、二人は恋仲となった。しかし、二人の恋はノエルの留学期間と同時に終了した。その陰には、天馬に許嫁がいたことも関係しているのだろう。
 それからは、隼人とアイリの良き友人として、彼は順調に人生を歩み、聖クロニカ学園の理事長となり、ノエルが話した「面白い」学園を目指して、お高くとまったような学園ではなくし、驚愕かも推し進め、校則も緩めるなどといった、抜本的改革に乗り出した。
 そんな彼に、充実感ばかりは訪れない。アイリの死に悲しみ、隼人への協力を惜しまなくなったり、ノエルが留学期間中に宿していた天馬の子どもであるステラの訪問などといった、出来事が巻き起こる。

○星二つ
 幸村と星奈の日常。タイトルの由来はおそらく、容姿・能力面において比類なき輝きを持つ星奈と、幾重にも重なった人の想いやりという奇跡による結果である幸村、二人の輝きを星と見立てている。

○スーパーノヴァ
 「はじめりの翼」の続き。突然一人で訪れたステラは、ノエルが再婚することを天馬に伝え、母が青春時代を過ごした日本で過ごしたいので、自分をこの家においてほしいと言う。彼女は親の再婚に反対ではなかったが、自分の父親がどのような人物かを見極めにやって来た。天馬は気負いもなく、ステラの居候を認めた。
 便宜上、ステラは家令の爺さんの親戚として家令見習いとして屋敷に住むこととなった。彼女は星奈の世話をしていく内に、彼女の輝きに感銘と暗い嫉妬心を覚えた。それゆえに、彼女は星奈に自分が姉であることを告げてみたのだが、星奈はちっとも気にしたそぶりをしなかった。そんな星奈だからこそ、彼女は自分と対等であるものしか認めず、それゆえに友達はいなかった。ステラは、将来、彼女と対等に向き合える相手との出会いがあるように、祈った。そしてその祈りは、数年後に叶えられる。

○カムパネルラ
 小鷹が転校してきたように、小鳩も転校してきていた。転校先のクラスでも、小鳩は中二病全開だったせいか、なかなかクラスに友達ができないでいた。そんな様子を見ていたクラスの男子である光太は、小鳩を慰めるのだが、逆に怒られてしまった。何で怒られたのか分からず、光太は古本屋で働く夜空に助言を乞いに行った。夜空のアドバイスによって、光太は小鳩と一応の仲直りを果たす。
 ある日、教室にゴキブリが出現し、誰もが恐れおののく中、小鳩は気合い一閃でゴキブリを仕留めたことで、クラス内で神のような地位を獲得した。また小鳩は、持ち前の美貌や運動神経から、人気者の地位を確固としたものに築きあげて行った。
 だが、小鳩はそれでもクラスに積極的に寄り付こうとはしなかった。それは、クラスよりも隣人部や家の方が彼女にとっては居心地のいい場所だったからだ。そのことが、光太には少しだけ悔しかった。だが、そんな悔しさも、オトナとして尊敬する夜空のようなオトナになればわかるのだろうと思い、彼は彼女であるミキとともに、オトナの階段を上るのであった。

○ブレス
 ケイトが小鷹と出会う前の、マリアとケイトの日常。

○クオリア/もう一つの動き出した時間
 理科が小鷹と出会い、文化祭でぶっ倒れるまでを理科の視点から描く。
 理科は天才ゆえに周囲を凡夫と蔑み、理解に苦しむ彼らの行動に関わらないようにしていた。理科は天馬の理想である「面白い」学園づくりのために、聖クロニカ学園へ連れて来られた。そこで彼女は小鷹と出会い、彼が自分の境遇に共感を抱かれたことに腹を立てる。もちろん、そんなことはおくびにも出していないが。しかし、彼と話すうちに、理科は彼との時間を居心地良く感じ始めた。理科は小鷹が隣人部にいることを突き止め、隣人部に入部する。本当は自分の体型や容姿にコンプレックスを持っていて、美少女揃いの隣人部にビビっていた。だが、彼女は天馬に言われた「面白い」学園生活を過ごしてみるために、自分らしくもなく、陽気なキャラを気取ることにした。
 そんな過去を思い返していた理科は、馴染みである養護教師に、変わった、と言われる。理科自身、自分が以前の自分とは少し違ったことを自覚していた。養護教師は続けて、何かいいことがあったのかと聞く。理科は彼女に、「友達ができた」とにこやかに告げた。

○魔人が生まれた日
 隣人部でプールに行った日の翌日に、「スーパーサラブレット人」夜空が誕生した。

○スターゲイザー
 ステラは困っていた。友達のできなかった星奈がギャルゲーやエロゲーにどハマリしてしまったからだ。星奈は自分が認めるほどの完璧な者しか友達と認めない。そのせいで、現実では考えられないような設定をもつゲームの中のキャラに惹かれてしまったのだ。
 しかし、そんな星奈が興味を持ち始めた人物。夜空と小鷹に、ステラも興味を引かれた。
 ある日、星奈が小鷹とプールへ行くと言うので、ステラはこっそりと二人を監視していた。果たして小鷹がどのような人物なのかを見極めようとしたのだ。
 小鷹がトイレへ行っている間に、ステラは星奈にチンピラをけしかけた。結果として、小鷹は見事にチンピラを撃退し、さらには星奈に説教をかました。そんな彼の姿に感心したステラは、小鷹を認めるようになる。
 それと同時に、二十歳を超えて年齢=彼氏いない歴の彼女は、リア充たちに苛立ちを覚えるのだった。

○曇りなき心の月を先だてて
 幸村は母子家庭で育った。彼女の母親は辣腕ゲームクリエーターであるものの、下積み時代は相当の苦労人だった。女性の社会進出が今ほど認められていなかった時代のせいか、セクハラに苦労し、女性というだけで企画書も通らない。挙句の果てには、ヒモ男に妊娠させられて逃げられてしまう。それでも彼女は不屈の想いで育児と仕事を両立させる。信頼できる仲間とともに会社を立ち上げた彼女の初ゲームが大ヒットを記録した。主人公は、学生時代に町で見かけたアイリの眼帯姿がモチーフとなっている。
 そんな彼女は、自分の好きな武士の名前である真田幸村の名前をとって、子どもに幸村と命名した。
 母は幸村に父親のことを真田幸村のような男らしい存在であると嘘をついていた。幸村はそんな父親のようになると宣言する。
 その宣言は行動に移され、幸村は女でありながら男子に交じるようになる。一見すると、性同一性障害のように見えたせいか、理解のある教師の助けもあって、幸村はいじめに遭うこともなくすくすくと成長していった。中学入試も持ち前の奇妙な芯の強さと立ち振る舞いで得た学校の内申によって合格した。母は今度こそ幸村に関する誤解を解こうと理事長である天馬に相談しに行ったのだが、彼のオーラにあっけにとられ、誤解を解くことができなかった。
 高校生になると、さすがに身体に変化が訪れたのだが、それすらも周りからの温かな気遣いによって、いじめもなく、幸村は平穏な学園生活を送っていた。
 しかし、そんな幸村も、自分が女であることを知り、そのことを母に打ち明けた。母はこの時になって、ようやく嘘の父親像や、幸村は女だと告げなかった自分のことを謝った。それでも、幸村は母を憎まず、むしろ自分は幸せだと言う。幸村は多くの人の想いと勘違いと優しさの重なりによって奇跡的に性格が歪むこともなく成長していた。そして、彼女の輝きは、小鷹の心に深く刻まれることとなる。

○手を取れるように
 星奈の告白から逃げ出した小鷹は生徒会の手伝いをすることで、隣人部から逃げ出していた。そんな小鷹を、連れ戻して、あの「面白い」隣人部に戻すために、理科は友達と初めての喧嘩に臨む。

○コネクト/プロローグが終わり、羽瀬川小鷹が主人公になったとき
 小鷹と理科が初めての喧嘩をして、友達であることを認めた時、その様子を夜空は覗き見していた。そして、タカである小鷹の友達という、自分の欲したポジションに理科が座った。そのことが悲しくて、彼女は涙をこぼす。小鷹の友達は私じゃない。そんな認めたくない悲しみから逃げ出すように、夜空は隣人部メンバーに「旅に出ます、探さないでください」というメールを送った。






【感想】
 今回は短編集という形をとっていますが、サイドストーリのようでいて欠かしてはならないような内容でした。
 これまでは小鷹の視点だけで、面白おかしい部活の様子だったり、こじれる人間関係が描かれていましたが、それらの内容を視点を変えてみるだけで、見えてくるものが違っています。
 例えば、夜空の場合は、小鷹がタカだとわかっていながら、なかなか近づくことができないもどかしさが描かれていました。一方で理科は、表面的な性格とはまるで違った内面をしていて、周囲を蔑んだり、意外なところにコンプレックスを持っていたり、周りには明かしていないことだらけでとても新鮮でした。
 逆に、本人じゃなくて周囲の人から見た評価として描かれていたのは星奈や幸村、小鳩でした。
 星奈はステラという異母姉妹から見た、超人然とした彼女の評価が伺えます。しかし、小鷹の視点だと、おバカな印象がとても強い。それはつまり、見ている人によって、星奈の面は変わるということです。また、天才である理科も心のうちでは彼女を超人と称しているので、この巻で星奈の印象がちょっと変わりました。
 幸村は幸村で、なんとも奇妙な人生を歩んでいたんですね。幸村という人格が出来上がるためには、母親の苦労や周囲からの勘違いと温かな好意あってこそなのだと。そして、そういった幾重にも重なる想いによって、奇跡的に幸村のような真っすぐでいて芯の強い人物が出来上がった。それが、幸村の輝きなのだ、ということかしら。
 小鳩に関しては、単純ですよね。ゴキブリ退治で英雄扱いとか、小学生かと思いました。でも、ここでも周囲のやさしさが光っていました。それも、天馬の学園方針により賜物なのかと。中学生であろうとも、リア充には変わりないってことですよね。
 まあ、色々ありましたが、一番のお気に入りは天馬や隼人たちの過去話ですね。
 小鷹たちの物語ができあがるための土台作りのような話でした。この人たちが、このような青春を送ったからこそ、今の小鷹たちはある。それはつまり、親世代の行いが、子ども世代に繋がれているということです。そして子どもたちは、親とのつながりによって自らを形成し、親によって友達との繋がりを断たれたり、結んだりする。そうしたすべての出来事は、小鷹が主人公となる物語に繋がる出来事でもあったわけです。
 そして次回は、最後の短編の続きであります。果たして夜空はどうなってしまうのか。あとがきを読む限りでは夜空メインぽいですね。楽しみです!
 





天馬理事長もスーパーリア充人ってことは、リア充度って遺伝するものなのかな―



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  1. 2012/12/22(土) 19:32:30|
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サクラダリセット7 BOY, GIRL and the STORY of SAGRADA (角川スニーカー文庫) 感想

サクラダリセット7  BOY, GIRL and the STORY of SAGRADA (角川スニーカー文庫)サクラダリセット7 BOY, GIRL and the STORY of SAGRADA (角川スニーカー文庫)
(2012/03/31)
河野 裕

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子どものように我儘で純粋な願いを、大人のように複雑な手段で叶えた、お話



【簡略ネタバレストーリー】
 能力がなくなった世界で、ケイは学校に通った。そこには春埼の姿はなく、春埼のポジションには相麻が入れ替わるように存在していた。その世界の相麻は年相応に可愛げのある少女だった。それはケイが望む形に近い相麻の姿だった。
 一方で、春埼は持病で入退院を繰り返していたこととなっており、その日退院することとなった。その折に、ケイから電話で呼び出される。
 ケイは能力の制限がなくなったことから、外へ出て母親と再開する。母親の傍らには少女がいて、名を恵といった。ケイの本名も恵と書く。男女どちらの子どもが生まれてもそう名付けるつもりだったそうだ。
 春埼と再会したケイは、背負う者のなくなった相麻や、母親と会うことのできる世界を惜しみつつも、残された佐々野の写真に入りこむことで春埼にリセットの存在を思い出させ、リセットを使わせる。
 リセット後の世界で、相麻は会合するはずだった浦地たちから逃げ出すことにする。
 ケイは、リセット前の世界で相麻にアドバイスをされた通りに、相麻に代わって未来視を使うことにする。そのために、ケイは坂上と智樹と春埼を連れて相麻が映った写真の中に入り、未来視を行使した。
 相麻はケイが未来視を使うことで能力がなくなる未来を回避するまで、自分が捕まらないようにするつもりだった。しかし、ケイは相麻を助けることに時間を費やした。その結果、ケイの意志を智樹による伝言により村瀬へ伝えて相麻を救出した。
 ここからケイの計画が始まる。
 ケイはカラオケボックスへ、いっしょにいた春埼たちの他に岡絵里、宇川、を呼び出した。そして作戦会議が終わると、その場所へ浦地を呼び出した。
 浦地とケイは互いに自分の理想に準拠した現実的な方法を語りあったが、決裂した。浦地は加賀谷の能力でケイを捉えようとしたのだが、宇川と岡絵里の能力によって、逆に浦地はケイに捉えられることとなる。
 浦地に連れて来られた管理局員たちは宇川たちが引き付け、ケイは智樹と津川を同行させて再び浦地と対話を試みた。
 一方で、わざとカラオケボックスに残った春埼は、索引さんと加賀谷と相対していた。
 ケイは、坂上の能力で浦地の両親の能力を移し、永久起動させる方法を提案するも、浦地は能力の存在自体を否定することで、平行線をたどる。しかし、ケイが実際に呼び掛けていたのは浦地ではなく、智樹の能力を介して対話の内容を伝えられていた加賀谷であった。
 加賀谷は自らの能力で浦地の両親の時間を止めてしまったことに罪悪感を抱いていた。だから、浦地を説得するよりも加賀谷を説得するべきだと、ケイはふんだのだ。
 加賀谷はケイの思惑通りに能力の解除を望んだ。
 浦地との対立が集結した後、ケイの指示で咲楽田の外へ出ていた相麻が戻って来た。だが、彼女は咲楽田での記憶を取り戻すと同時に意識を失った。
 相麻は片桐穂乃歌の病室の隣に移されることで、彼女の夢の世界にいた。そこへ、ケイと春埼が現れる。春埼は夢の中に入る前に、ケイを盲信的に信じず、すべてを知った上でケイを信頼するために、坂上の能力を使ってケイの能力でリセットした過去を思い出していた。そして、それもでケイといっしょにいることを決意していた。
 夢の中のチルチルとミチルは相麻に協力し、ケイと春埼を分断させた。そして、相麻はケイへと自分は何者なのかと問いかけ、春埼にはケイは石になったのだと宣告し、それでも彼を愛せるのかと問いかけた。
 春埼はそれでも石を愛せると言った。そしてケイを助けるためにもリセットを自ら使おうとするのだが、相麻がケイを石にできるはずもないことに思い至り、自らがケイにとってどのような存在なのかを自覚するように相麻に言い渡されてから、二人は眠りから覚めた。
 ケイは「彼女」を「相麻菫」だと断言した。「彼女」である「相麻菫」には智樹の声が届いていたからだ。だが、そんなことより、「彼女」は「相麻菫」として「ある」のだ。それだけで、「彼女」はスワンプマンなどではなく、「相麻菫」たりえるのだろう。
 いつまでもケイのことだけを案じていた相麻に、ケイはこれからも自分を支えてくれるように頼むのだった。
 春埼より先に目覚めたケイと相麻は、互いに素直に胸の内を打ち明け、これからも手を取り合っていくことを約束し、相麻は病室を去った。
 途中から起きていた春埼は、改めてケイと会話する。春埼は相麻と友達にはなれそうになかったが、彼女を軽視することもない、対等な関係でありたいと望んだ。
 それから二人は買い物に出かける。あの雨の日に約束し、果たすことのできていなかった料理を二人で作るために。


【感想】
 話の内容を忘れないために上記のように内容を書き留めているわけですが、この物語についてはこういうのを読んで内容を思い出すよりも、ちゃんと本編を読んだ方が何倍もいいんじゃないかと思ってみたりもしてます。
 この物語は本当に大好きなお話です。
 この巻では、ケイの考えるところの、能力という人に彩りを加えてくれる力を守るために、そして春埼と相麻二人の少女を守るための闘いが描かれていました。
 能力に関する闘いでは浦地さんの頑固さだったり、加賀谷がキーパーソンになってたり、登場人物大集合だったりと、クライマックスらしい怒涛の勢いと結果がとても面白かったです。
 そして、相麻と春埼とケイの関係のまとめ。2巻の頃くらいからこの3人の気持ちが揺らぐようなことはまったくと言っていいほどありませんでした。あるとすれば、春埼がケイへの信頼と恋心に折り合いつけて、改めてケイといっしょにいたいと思えるようになったことや、ケイを守るだけの考えをしていた相麻が、ケイに助けを求めたり素直な気持ちで向き合えるようになってたところくらいですかね。
 でもなにより、この物語はケイの物語でした。能力も、相麻も、春埼も、咲楽田と外の世界も、全部彼が望んだ形にあってほしいという気持ちがなければこのようなお話にはなっていません。彼は人の幸せな姿を見たいという究極の自己中的信念があったからこそ、ここまで行動を起こせたのでしょう。そして、その例外が春埼と相麻であり、その二人のためだからこそ、彼はここまで頑張ってこれたのではないかなと思いました。
 この物語については、読んでいる内に感じることや考えることや素敵な妄想が止めどなく溢れてしまって、全部を書き切ることができません。なので、この感想を読み返しても物足りないと思います。その時はまた、この物語を読み返して、ああ、昔はここ読んでてこう感じたけど、本当はこういうことなんじゃないかな、とか自問自答できるようになってみたいですね。
 こういう大作というかしっかりした物語の最後には、「愛」がキーワードになることが多いと、個人的には感じてます。
 本当に素敵で面白い物語でした!







最終巻にしてようやく二人の表紙になっているところがニクイです
  1. 2012/12/06(木) 17:44:05|
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灼眼のシャナSIII (電撃文庫) 感想

灼眼のシャナSIII (電撃文庫)灼眼のシャナSIII (電撃文庫)
(2012/11/09)
高橋弥七郎

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有終の美を飾る、お話



【簡略ネタバレストーリー】
○ソロー
 アメリカ大陸が未開拓地だったときから大地の4神は現地人の行く末を見守っていた。しかし、そこへ西欧人の侵略が起き始め、ネイティブアメリカンたちは虐殺され始めた。
 人間界に不干渉を貫く4神だったが、そのあまりのあり様から人間界の混乱を収めることも使命であるとし、自ら戦場に参戦した。そんな彼らを止めるべく、フレイムヘイズたちは4神と対立した。これがちょうど南北戦争と同時期に起きていたため、ネイティブアメリカンを引き連れたフレイムヘイズに周辺の村が襲撃に遭うことがあった。
 その村の生き残りである少年は、自分の世界である村を壊したフレイムヘイズを憎み、その憎しみを利用して新たな宝具を作ろうとするフリアグネと手を組んだ。
 結果、少年は村を襲ったフレイムヘイズに一矢報いることに成功し、フリアグネは少年のフレイムヘイズを殺したいという願いの本から生まれたトリガーハッピーを手に入れた。
 

○ノーマッド
 フリアグネが討滅された後も、彼の燐子の一つが生きていた。燐子はフリアグネが消滅したことに気付かないふりをしながら、フリアグネのために零時迷子の捜索に乗り出した。
 一方で悠二たちは、悠二・シャナ・吉田・池のメンバーでドーナツ屋で道草を食っていた。悠二はそこでシャナがフレイムヘイズとしての彼女が、彼女の一面でしかないことを再確認する。そして、池は執拗に吉田を悠二をくっつけようと画策する。
 その帰り道、悠二は吉田といっしょの所を燐子に襲われるが、二人を尾行していたシャナによって燐子は返り討に遭う。
 燐子は最後までフリアグネの消滅を信じようとはしなかった。


○ヴァージャー
 ある北欧の地で、ある紅世の王に幾人ものフレイムヘイズが返り討に遭っているため、腕利きのフレイムヘイズが招集された。それがシャナだった。
 彼女は修行の一環としてその地を訪れ、唯一の生き残りであるセシリアと合流し、問題の王がいる森へ案内される。
 森に入ると、すぐさま王であるオオナムチが現れる。しかし、セシリアは封絶を張るとすぐさま戦線を離脱する。それに気を取られたシャナは劣勢を強いられるが、間一髪でセシリアに助けられ、一時撤退をする。
 セシリアはオオムナチが居着いている森の中にある村に用がある。だから封絶で村を壊さないようにしていた。そして、村にいくために戦闘は避けていた。そのことに腹を立てかけるシャナだったが、どうでもいいことと考え直し捨て置いた。自分はオオムナチを討滅しに来ただけだと言い聞かせた。
 そして2度目の戦闘。シャナはオオムナチと互角の勝負を繰り広げる一方で、セシリアは念願の村を見つけた。その村にはかつての想い人の忘れ形見が隠されていたのだ。しかし、その忘れ形見を手にしたところで、彼女はオオムナチに殺される。死ぬ間際だというのに、彼女は満ちたりていた。
 オオムナチはセシリアと彼女の想い人であるフレイムヘイズとは、敵同士とはいえ戦友であった。オオムナチは彼にセシリアを村に近づけないで欲しいという遺言を守っていたのだ。それは、彼の忘れ形見はセシリアではなく、彼のフィアンセへ向けたものだったのだ。
 そして闘いは三度目を迎え、辛くもシャナは勝利するのだった。
 彼女には使命を優先させるはずのフレイムヘイズであるセシリアが、なぜあのようなことに固執したのかが理解できなかった。だが、彼女にもいつか理解できる日が訪れるのだろう。


○フューチャー
 シャナたちの記録が消え去った世界には、大戦で起きた悠二の宣告だけが住民の脳裏に色濃く残っていた。また、記憶の整合性をはかるために、御崎市の住民たちは限定的な健忘症と診断されるようになり、これを御崎市症候群と名付けられた。そんな中で、唯一の例外はシャナの依り代であった平井ゆかりだ。彼女だけは断片ながら、シャナが割り込んでからの記憶も保持していたのだ。
 それでも、彼女たちの日常に支障はない。坂井家の新たな家族のために、お花見が開催された。参加者は坂井夫妻に娘の三悠、緒方、田中、佐藤、吉田、マージョリー、池、平井の面々だ。
 現世に残ったフレイムヘイズと徒の管理に奔走するマージョリーと佐藤や、悠二たちのことを忘れるまいと心に刻み込む田中に吉田。彼女たちは、繋がるかどうかもわからない宝具による新世界への呼びかけで、悠二とシャナの先行きを案じるのだった。
 そんな中で、坂井夫妻は悠二の宣告である、忘れるな、という言葉を胸に刻み、その宣告の主を忘れず、また最初の子供も忘れることののいように、娘に三という漢字を名付けたのだった。
  

○ホープ
 新世界に移り住んだ一行には、さまざまな問題が待ち受けていた。両界の嗣子であるユストゥスはヴィルヘルミナに育てられ、そして事情を知るレベッカが補佐するようになっていた。
 新世界では徒は人間との共存のために人化をしたりして歩み寄ろうとしていた。しかし、新世界開通に際して、紅世にいた徒もまた新世界へやってきていた。これらの徒を新参と称し、現世からきた徒を古参と称した。新参は人間の虐殺を嗜好していた。その新参のなかにはフレイムヘイズに力を貸していた王も紛れており、彼らはそんな新参たちの退治に力を貸していた。
 そして、この新参たちの退治の主力となっていたのが、悠二とシャナである。
 悠二は大戦後に親しくなったリベザルから、情報交換とお説教を喰らうこととなった。悠二は人を頼らず、人と人を繋げようとしている。しかし、そのためには手段を選ばず、それが逆に人を繋げる妨げとなっていたのだ。それを克服するためには、己への過小評価の修正と周囲への助けを求めることが大切だと言われたのだ。
 そんな悠二はシャナとともに、新参のある団体の集会を襲撃した。悠二とシャナの戦力は圧倒的で、集会の元締めを瞬殺するのだった。しかし、悠二は新参すべてを殺すことはなく、彼らに恐怖を植え付けることで、人を殺すことの枷とした。当初のシャナとの話し合いでは全滅が目標だったのだが、リベザルの助言で目標を変更したのだ。
 悠二はなるべく被害を出さず、誰もが手を取り合える世界を作ろうともがき、説き回っていた。それゆえに、「廻世の行者」という称号を得ていた。
 そんな悠二ではあるが、シャナはいつまでも彼の隣にいると固く誓い、そして、二人は共に歩み続ける。

○狩人のフリアグネⅣ
 Q&Aのコーナー



【感想】
 ついに本当に終わってしまいました。買い始めた頃はこんなに続くとは思ってもいませんでしたが、長いだけに面白味のある物語だったと思います。
 この短編集では、フリアグネが超久々のちゃんとした登場でしたね。ソローではトリガーハッピーの誕生秘話が描かれており、フリアグネは変わり者らしく、ビリーの生き様に感心をもっていたところが見どころかなと。ビリーはビリーで満足のいく人生だったのではないかと思います。
 ノーマッドは、話がかなり古い上に、それほどすごいお話でもなかったですね。本当に短編というか、おまけというか、ただシャナがやきもち焼きだ、という内容だった気がします。
 ヴァージャーは、シャナが悠二に恋をする予備知識のためのお話のような感じがしました。それにしてもセシリアはなんというか、哀れですね。彼を盲信して自分のためじゃない形見に満足しながら死ぬって…。セシリアの契約者である王の言葉が印象的でした。あと、何気にオオムナチがカッコイイという!
 フューチャーは、つじつま合わせと平和な日常が描かれていて、まあハッピーエンドなのかなぁ、と。三悠の名前に三が入っている所が一番の救いだったりしますね。
 ホープの新世界のその後は面白かったですね。理想郷のはずなのに問題は続出で気の休まる時がないのは個人的に好きな展開です。さらには、悠二に見方は増えてるし、神器にいなきゃいけなかった王たちは普通に顕現できるし、敵は増えてるし、なんだかもう新世界編とかできそうな勢いですよね。でも、悠二とシャナが共に歩むことに迷いがなくなっている気持ちがきっちり描かれているので、お幸せにー、と言って送り出せる終わり方でいいような気がします。
 後日談も特段不満もなく、大団円で終わってもらえたことを嬉しく思います。長い間面白く読ませてもらえた作品でした。









全部読み返そうと思ったら結構な時間が必要そうだな
  1. 2012/12/05(水) 19:27:43|
  2. 電撃文庫
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けーけんち

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ラノベとゲームの感想を中心に気ままに更新しているブログです。
※備忘録としても使っているので、ネタバレを含む内容となっているところがあります。
文章がおかしな点が多々あるとは思いますが、勢いだけで書いているので見逃してください。

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