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好敵手オンリーワン2 (講談社ラノベ文庫) 感想

好敵手オンリーワン2 (講談社ラノベ文庫)好敵手オンリーワン2 (講談社ラノベ文庫)
(2012/06/01)
至道 流星

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グダグダしていた恋愛模様を正しく認識し直した、というお話



【ネタバレストーリー】
店舗経営はノウハウの共有化によってあまり差が生まれなくなった。
故に新事業に乗り出そうとした弥生は、全国の神社協賛による出張お祓いサービスの導入を検討する。
それに負けじと水貴も、自宅結婚式という新事業に乗り出す。
しかし、弥生の事業はうまくいく一方で、水貴の事業はニーズが少なく成果は芳しかった。
コーイチローは、二人の事業拡大の手伝いに奔走しながらも、高校3年生らしく進路に悩んでした。いつまでも二人といっしょにいると考えていたコーイチローだったが、もう子供じゃない事を自覚し、自分なりの進路を模索しようとする。
そんな最中、新事業の挽回を図っていた水貴が心労で風邪をひき、店長代理をすることとなる。
そこへ店舗でアルバイトに励んでいる楓に告白されてしまう。
そこで、家族を越えたような存在と捉えている弥生と水貴に告白されたことを相談する。
すると、アドバイスをされるどころが逆ギレをされてしまい、コーイチローは二人とケンカしてしまう。
楓には、とりあえず返事を保留してもらった。その代わり、今度集団デートのようなものをしようという話となる。
その間、コーイチローは受験勉強と進路相談にかかりきりとなる。その進路相談で、アメリカにいる母親を頼って留学するという選択肢を見つける。
さっそく母親に電話して、留学してきても大丈夫だという確認をとった。
しかし、そのことをアルバイトの女の子たちに聞かれてしまい、伝言ゲームのように誇張された内容で弥生と水貴に伝わってしまった。
そこで弥生は神道学部のある大学をコーイチローに勧めることで、遠回しに逆プロポーズをしてきた。
それを知った水貴も負けじと、キリスト教系の大学をコーイチローに勧めてくる。
その二人の行動から、コーイチローはようやく二人が恋愛対象として自分を見ている事を知った。
それならば、とコーイチローは改めて楓のことを二人と話合い、デートには二人も付いて行って楓とも話し合うということとなった。
デート当日、最大のライバルたちの登場に困惑する楓だったが、3人だけの話合いをして、淑女協定のようなものでも取り決めたのか、改めて仲良しとなった。
翌日、コーイチローは水貴に誘われて、あるビルの見えるバーのようなところへ連れて行かれた。
見ていたビルとは資格の専門学校。15億ほどの負債を抱えるこの学校を、水貴は買収しようとしていた。
水貴は今回の失敗を、この学校を起点とした事業で挽回するつもりのようだった。



【感想】
経済2:ラブコメ8、くらいの内容でした。
個人的にはもっと経済色強くしてほしかったです。でも、今回のことで、恋愛模様がごちゃごちゃすることなくスッキリしました。てっきり弥生と水貴がコーイチローのことが好きだということは、最後の方まで明言されないのかと思っていましたが、第3のヒロイン登場に従い、バラしちゃいました。そこらのラブコメではこういうことは先延ばしにしていますけで、あくまで経済主体だから、この巻はまるごとラブコメに費やして、以降は経済バトルに集中するのかな、と思っています。
でも、主人公とヒロインの関係性が、個人的には好きなので、ラブコメがあっても大丈夫なんですけどね。
それにしても、新事業の提案が具体的なので、こういう小さいところでもきちんと形にできる作者はやっぱりすごいんだろうな、って感じました。
次回は、水貴の学校を使った事業を展開させて、弥生を抜きにかかるのかと思うと、楽しみです。











勝也、暁に死す!
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  1. 2012/09/30(日) 17:18:28|
  2. 講談社ラノベ文庫
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世界の終わり、素晴らしき日々より (電撃文庫) 感想

世界の終わり、素晴らしき日々より (電撃文庫)世界の終わり、素晴らしき日々より (電撃文庫)
(2012/09/07)
一二三スイ

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最期の心のよりどころは大切な人だ、というお話



【ネタバレストーリー】
高国と呼ばれる国と、日本をモチーフにした国が戦争をしている世界が舞台。戦争は、日本をモチーフにした国が高国に空爆をしかけた途端に集結した。しかし、空爆が終戦の理由ではなく、空爆後に起きた謎の現象によって世界の大半の人間が消失したことが原因だった。なお、その謎現象についての情報は最後まで一切描かれていない。
そんな終末間近の日本のような国を旅する女の子二人、コウとチィの旅を描く。
戦争のせいなのか荒廃した地域を、トラック一つで旅する二人。
出会いはとある軍人が支配するコミュニティでチィが軍人に襲われていた所をコウが助けたことに起因する。
それから二人きりで旅をし、コウはある廃デパートで手負いの高国軍人と出会い、部下への遺言を聞き届けた上で、その軍人を殺した。
二人の旅の目的は、チィの家に帰ること。手掛かりは、チィのスケッチブックに描かれた赤い鉄塔だけ。
これだけだと何もわからないが、旅の途中で高国軍人と撃ち合いをしていた女性、上野に鉄塔の場所を聞きだした事で、二人はチィの家へたどり着いた。
そこには父親が暮らしていた。その父親はその国の総理大臣であり、空爆を敢行した本人だった。そのことをコウに糾弾された父親は自殺。
それを、チィはコウが父親を殺したのだと勘違いして飛び出してしまった。
そこへ運悪く、上野と撃ち合っていた軍人がやってきた。彼はコウが殺した軍人の部下で、上官はコウに殺されたのだと遺言から確信し、コウを殺そうとする。
しかしコウに返り討ちにあう。
こんな殺伐とした世界で、自分といっしょにいてはダメだと思ったコウは、チィを上野に預けようとする。
しかし、チィはコウがどんな人だろうとコウといっしょにいたいと言い、二人は再び旅に出る。





【感想】
超劣化版「旅に出よう、この世界の果てまでも」といった感じです。塩の街とも似ている感じがしました。
設定や世界観がドストライクだったので読んでみたものの、肩透かしを食らいました。
一番楽しみにしていた人類消失の理由がまったく語られていません。さらに、コウが高国の言葉を流暢にこなせることの理由がわからない、表現の幅は広いのに文章がクドイすぎて台無しになっている事や、オチが弱いこと、などちょっと残念に思う部分が多かったことが原因かと、個人的には思っています。
でも、最初の扉の四季の話しや、コウとチィの関係なんかは素敵だな、と思いました。
あとがきを読むと、紆余曲折あっての刊行だったようですが、個人的には次回作に期待したいと思っています。













頑張って生きよう
  1. 2012/09/30(日) 16:41:22|
  2. 電撃文庫
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まおゆう魔王勇者 エピソード0 砂丘の国の弓使い 感想

まおゆう魔王勇者 エピソード0 砂丘の国の弓使いまおゆう魔王勇者 エピソード0 砂丘の国の弓使い
(2012/06/30)
橙乃ままれ

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現在へ繋げるための決意の、お話



【ネタバレストーリー】
○砂丘の国の弓使い
老弓兵が若かった頃、先代勇者パーティーとして活躍していた頃の物語。
お調子者の弓兵と、カタブツの剣士、理屈屋の魔法使い、田舎娘の女勇者、逆ハーレムパーティはこれまでの冒険を休憩して、砂丘の国のオアシスへとやってきた。
そこで弓兵は道行く女性から行為を寄せられるほどのモテっぷりを発揮。弓兵の彼女である女勇者はそれが気に入らないが、弱気で打たれ弱い彼女は強く言えない。
そこへ、昔助けたお姫様が偶然合流。一目ぼれしていた彼女が弓兵に求婚を迫る。すると他の町娘も求婚をしてくる。しかし女好きの弓兵はなかなか断れない。そこへ、弓兵の彼女として自分に自信を持つために、あえて女勇者全員の前で、弓兵の彼女宣言をする。それを見て、弓兵も恋人宣言をする。
すると、お姫様や町娘も諦めて、二人の元を去って行った。
次の日、魔法使いと剣士は気を利かせて、二人を宿に残して遺跡の調査へ赴く。弓兵と女勇者はイチャイチャしていたのだが、不意の爆発音を聞き届ける。
その頃遺跡にいた二人は、聖堂教会からの刺客と戦闘中だった。遺跡の亡霊を使ってくる的に苦戦していると、戦闘音を聞いた弓兵と女勇者が転移してきて、これと合流。
しかし遺跡の魔方陣を起動させていた敵に苦戦し、女勇者と魔法使いだけ撤退することになる。
残された剣士と弓兵は、満身創痍となりながらも闘い続ける。劣勢ながらも、敵を屠り続ける二人を恐れた聖堂教会は人質として捉えていたお姫様を連れてくる。
万事休すかと思った時、遺跡崩壊の歯止めに成功した魔法使いと女勇者が帰ってくる。
そして改めて全員で脱出しようとするが、殿として弓兵が残った。そこへ、全員を転移させた女勇者が戻って来た。
彼女は弓兵を伴って戻る魔力はなかった。それでも、弓兵の元へ戻って来た。
二人は死を覚悟しながらも、最後の戦いへ立ち向かうのだった。
そして、おめおめと帰還してしまった剣士は己を責めた。それは魔法使いも一緒だったが、彼は剣士を叱責した。
ここから、二人は死んだ二人の遺志を失くさぬために、自分が世界に対して何ができるのかを探す旅に出た。
剣士は弓兵から預かった宝具を駆使して弓兵となり老弓兵として現代勇者パーティの一員となり、魔法使いは研鑚を積んで賢者と呼ばれるようになった。
この二人は、次世代の勇者を勇者たるものと育てるために、会うことはなくとも、同じ志を持つ者として繋がっていた。
そして、知らず知らずのうちに、先代勇者一向の意志を引き継いだ勇者の旅は続く。


○はじまりに至る物語
こちらは冬寂パパや魔王城討ち入り前の一行などがメインのお話と、それを待ち構える魔王や火竜大公、メイド長や農奴時代の姉妹が登場するお話。まさにはじまりへ至る物語。
朗読劇として公演されたものを、ドラマCD、複製台本という形で発売したものとなっております。
これは読むよりも、ぜひとも耳で感じて欲しいものです。
まおゆうは声優が豪華ですから是非!



【感想】
100ページにも満たないお話ながらに、とんでもなく重厚なお話となっておりました。
なにより、この短編でウルっとくるような話が待っていようとは思いもよらず、不意打ちでした。
そこへ老弓兵が実は剣士ということも同時にほのめかせてくるものだから、面白さが倍増ですよ。
前半のイチャイチャシーン、そして後半のシリアスシーン。短い間にこれだけの面白さを凝縮された今回は、本当に楽しませてもらいました。
そして、この物語は現代へと続く物語であり、ここで出てきた剣士と魔法使いが勇者に託した想いを知りながら、本編を読むとより面白くなること必至です。
ですが、その前にドラマCD,複製台本を読むことをお勧めします。
賢者となった魔法使いと勇者の対話(これは本編にもありましたが、より詳しく描かれています)、そして勇者が魔王に出会う直前の老弓兵との会話、これがまた深い味わいを醸し出しています。
Fate/Zeroもそうでしたが、こういう始まる前の物語って言うのは、どうにもワクワク感が出てきてたまらないものですね!
















とりあえず、勇者になればイチャつける権利が与えられることが判明しました
  1. 2012/09/22(土) 21:28:40|
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ゴールデンタイム5 ONRYOの夏 日本の夏 (電撃文庫) 感想

ゴールデンタイム5 ONRYOの夏 日本の夏 (電撃文庫)ゴールデンタイム5 ONRYOの夏 日本の夏 (電撃文庫)
(2012/09/07)
竹宮ゆゆこ

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決心を新たに二人で頑張ろうとした矢先に、思いもよらない周囲の変化に戸惑いを隠せない、お話



【ネタバレストーリー】
リンダへの想いと同時に、過去を切り捨て、香子といっしょの現在を大事にすると香子に誓った万里。
だが、切り捨てると決めたのに、記憶喪失のきっかけとなる事故の入院中に、リンダと山で出会っていたことを思い出した万里は、心揺さぶられる。
さらに、過去を捨てた万里を許さない幽霊万里。幽霊万里の呪いが降りかかる、ONRYOの夏が始まる。
夏休み序盤は、おまけんの課外活動による、阿波踊りや「んっほいほいへーいテンション」で楽しい思い出を作った。
しかしそれからは、柳澤や二次元くんはバイトで忙しく、香子も家の都合で万里と思い出になるようなイベントに行くことはできなかった。
それでも二人が会えなくなることはなく、ちゃんと自宅デートをした。
そこで手料理を披露しようとした香子だったが、あまりの忙しさに、自宅の家政婦さんに作ってもらったカレー焼きそばをタッパーで持ってくるだけという手抜きをしてしまう。これでは盛り上がるものも盛り上がらず、どうしようかと思っていた所へ、二次元くんから電話がかかる。
そこで、柳澤がバイトだと称しているのは、彼女と遊んでいる事を隠しているからではないかという話になり、相手は千波だろうと予想。一も二もなく三人は千波の家へ赴くことに。
隠れてリサーチしていたのだが、あっさり千波に見つかり岡家へあがることになる。
岡家はがらんどうで、聞けば親は実家の福岡へ帰り、これから一人暮らしをすることになるのだとか。さらに、柳澤とは連絡が取れなくて、どうも柳澤の彼女になったわけではなさそうだった。
四人は夜になると飲みに出かけ、そこでリンダと飲み屋へ入っていく柳澤を発見した。
しかし柳澤には声をかけず、影から柳澤を見守ることにする。
飲み会の中で、誰もが思い出になるような夏を過ごしていないことを愚痴り、二次元くんの発言がきっかけで海へ行くことを決定した。メンバーはこの四人+柳澤だ。
しかし、海にいく当日はいくつものすれ違いが重なり、どんよりムード。ようやく海に着くもあいにくの雨。
誰もが退屈していたその時、思い切って万里が香子を連れて車の外へ行ってはしゃぎまわる。
そうしている内に楽しくなってきた香子は、無理やり千波も雨の中へ連れ出す。そうすると、柳澤も二次元くんも外へ飛び出し、TMRごっこのように雨を、海を満喫した。
その帰り道、運転手を二次元くんから香子へ交代し、帰って行った。
しかし、ここで幽霊万里の呪いが降りかかり、疲れもあってか車の誰もが眠ってしまい、あやうくガードレールから崖下へ転落しそうになったところを、万里がブレーキを踏んで回避。
眠りの縁から万里を起こしてくれたのは、入院していた時に出会ったリンダからの言葉だった。




【感想】
今回はいつも以上にギャグのキレがよかった回でした。
「んっほいほいへーいテンション」や脳幹脱出、鼻口紅にエア焼きそば、とにかく笑わせてもらいました。
物語自体の進展はそれほどなかったのですが、次回へ繋がるための伏線はいくつも張り巡らされていたように思えます。
幽霊万里の変化、リンダと柳澤の関係、千波の今後、万里と香子の将来、とにかくこの先どうなるのか気になることだらけでした。
万里の過去の話を読むたびに、どうしてもリンダが万里とは切り離せない存在なのではないかと思わずにはいられません。香子といっしょになることを決意している万里ですが、まだまだリンダとなにかありそうな予感がひしひしと伝わります。
このまま香子とい続けるのか、それともやっぱりリンダを切り捨てることはできないのか。
前々回くらいからずっとこの問題が解決したり解決してなかったりを繰り返しているので、この問題が解決する時が、この作品の終わりになりそうな予感。
とにかく、このリア充たちの恋模様がどうなるのか、次回を正座待機して待っています!

















さすがに、ブーメランパンツはないわー
  1. 2012/09/22(土) 19:16:26|
  2. 電撃文庫
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サクラダリセット4 GOODBYE is not EASY WORD to SAY (角川スニーカー文庫) 感想

サクラダリセット4  GOODBYE is not EASY WORD to SAY (角川スニーカー文庫)サクラダリセット4 GOODBYE is not EASY WORD to SAY (角川スニーカー文庫)
(2010/11/30)
河野 裕

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ちょっとした思い出の一コマを切り抜いた、お話




【ネタバレストーリー】
○ビー玉世界とキャンディーレジスト
ケイと春埼が高校生になったばかりであり、高校の奉仕部初のお仕事の話。
二人と同じ新入生である世良佐和子という女の子が、自分の能力でビー玉の中に閉じ込められてしまった。
それを回避するため、津島にすぐにリセットしろと言われるケイたちだが、ケイは彼女の能力についてきちんと調べることにする。
ビー玉の中にいる彼女と話すうちに、彼女が真面目な性格であり、その性格を美しいと思いながらも、周囲との摩擦に嫌気がさしていたことを知る。そこから、ケイは彼女が自分が間違ったことから逃れたい、という想いから能力を使ったことを推理し、リセット後には、彼女の行いは正しいことなのだと後押しをしてあげた。
津島はこのケイの行動に満足していた。管理局の命令に背いてまで、命令以上のことをするケイを見て、今度は村瀬の対応に当たらせるように思い至るのだった。


○ある日の春埼さん~お見舞い編~
ケイが風邪をひいて学校を休んだ日、春埼はお見舞いに行くべきか迷っていた。
そこへクラスメイトの皆実未来に後押しされることで、お見舞いへ行くことを決意。その際、キスをすれば治りが早くなる、なんて迷信も教えられるが、信じるわけがない。
とりあえず、お見舞いの品として自作のおかゆと桃のゼリーを買いに行くが、あいにく売り切れだった。
しかし、店の店員さんにお勧めされて、リンゴのアイスを購入。
そうして、いざケイの家までやって来たのだが、どうにも躊躇してしまう。そこへ、ケイからタイミング良くアイスが食べたいとメールが来る。これ幸いと踵を返す春埼の視線の先に、尾行していた皆実を見つける。実は、皆実からケイに連絡が行っていたのだ。
そこでまた、帰ろうとする春埼だったが、再び皆実に背中を押され、ケイへのお見舞いへ向かうのだった。



○月の砂を採りに行った少年の話
野ノ尾盛夏と猫と少年のお話。
野ノ尾と少年は、ある猫を介して知り合った。
その猫は月を眺めるのが好きで、そんな猫と野ノ尾といっしょにいることが、少年は好きだった。
しかし猫が死んでしまい、少年は猫の代わりに月へ行く、と言って姿を消してしまった。
その少年の探索のために、ケイと春埼は聞き込みを開始した。
その結果から、ケイは少年が野ノ尾に行為を抱いていたが、引っ越しが迫っており、その上野ノ尾にはその気がなかったことを推理し、リセット後に、少年に接近して、未来を変えた。
結果、少年はきちんと気持ちを伝え、野ノ尾もそれに誠実に答えることとなった。



○ある日の春埼さん~友達作り編~
春埼は、以前ケイに言われた、野ノ尾とは友達になれるんじゃないか、という言葉を鵜呑みにして、野ノ尾と友達になろうとした。
ストレートに友達になってください、と言われた野ノ尾は、友達とは何だろうか、という話をしながら、益体もなく、ネコと戯れながら春埼と会話する時間を過ごした。
最終的に、友達とはまだいえないが、こういう時間を共有することが、友達っぽいのではないか、という結論に至り、再度の「こういう時間」の約束を交わして、春埼は野ノ尾と別れたのであった。



○Strapping/Goodbye is not an easy word to say
相麻が死んですぐの時期のお話。
ケイはリセットによって、他人に被害が出るなど考えていなかった自分を責め立て、春埼は相麻が死んだこと、リセットをすることに抵抗を感じているケイを知ることで、自らではリセットが使えなくなってしまった。
それでも、ケイに指示されたのなら、リセットは使えると春埼は言う。さらに、奉仕部の活動として、リセットが必要となった。それでも悩むケイはリセットの期限ギリギリまで悩むこととなる。
相麻が死んだ崖で物思いにふけるケイのところへ、謎の女性が現れる。
彼女は相麻の事故によって、崖が危ない場所なのか調査に来た人らしい。しきりにお菓子を勧める妙な人だった。
その女性との会話の中で、ケイは相麻への無意味な追悼を止める決意をした。
翌日、ケイは春埼へリセットを指示する。それは、ケイが相麻を復活させようとする決意の表れでもあった。
ケイの心配をしていた春埼も、ケイが自ら決意し、リセットを望む姿を見て、ケイに協力をすることにした。



○ホワイトパズル
サクラダリセットとは何の関係もない、ある男女のお話。
夏の間、ある洋館で出会った男の子と女の子がいた。二人は夏の間だけ、そこで毎年逢っていた。
彼女にはある能力があり、過去や未来の彼女と突然入れ替わる時があった。少年はそんなところも受け入れて、彼女と楽しい夏を過ごしていた。
しかしある日、彼女はもうすぐ自分は消えてしまうのだと言いだした。
理由は、入れ替わる彼女の未来の姿は、15歳の姿以上の未来の彼女が現れず、なお且つ過去の入れ替わりの回数から、残りの入れ替わり回数を逆算することで、もう数回の入れ替わりの後に、自分は消えてしまうのだと推察していた。
それに反論するように、彼は最後の入れ替わりのときに、自分も一緒に入れ替われば、新しい入れ替わりになるんじゃないかと言うが、彼女はその入れ替わりすらも、過去に体験していた。少年が誰かを抱きしめている姿を見たということは、抱きしめられているのは自分じゃない。だから、彼女の未来は残りの入れ替わりの回数分しかない、ということが決定づけられていた。
だから、二人は残りの日数を噛みしめるように、パズルを解くことにした。交互にピースをはめていく二人だったが、ピースが一つ足りないことに気付く。
足りないピースは、彼女が入れ替わりの際に気付かぬままいっしょに過去へ持って行っていたのだ。
そして、最後のピースを見つけた二人だったのだが、そこへ入れ替わりの予兆が起こる。
それでも少年は、彼女を離すまいとしっかりと彼女を抱きしめた。
その時、彼の視線の先に、幼い彼女の姿を認めた。
押さない彼女はすぐに消えてしまったが、抱きしめた彼女が消えることはなかった。







心がほっこりするようなテイストはそのままに、いつもよりもまったりした内容で綴られていました。
特に、ある日の春埼さんシリーズはとても素晴らしかったです。
ミステリアスガールっぽい春埼が、不器用な感じでケイや野ノ尾、皆実と接する姿が実にグッド!このシリーズは是非続いて欲しいと思います。
ビー玉のお話は、思春期にありそうな話で、周囲に馴染めない気持ちと、それを肯定していいのか否定するべきなのか、よくわからない気持ちが伝わってきました。それでも、やっぱり自分がやりたいと思うことに突き進むのが、若い時の特権なんじゃないかと思いました。そして、この件が1巻に続く内容である、と。
野ノ尾のお話も、なんというか、彼女らしいお話だったと思います。猫にしか興味のない彼女にも、きちんと人と接するだけの余裕や、人に対する興味がなくなっていないことが分かる、貴重なお話でした。それに、なんだか綺麗なお話でもありました。
過去編のお話は、補足なんてものじゃなくて、結構重要な話だと思ってます。
ケイが相麻復活をきちんと意識していたことや、春埼のリセット能力の変化、そして謎の女性の登場。この先のお話に関わりそうな伏線と、これまでの謎の回収を行っていたお話でした。
そして最後のサクラダには全く関係ないお話(笑)。
でも、これはこれですごい素敵なお話だったので、むしろ短編に挟んでもらってありがとうございます、と言いたいです。
本編のようなシリアスな面はそれほどなかったですが、その反面、楽しさがてんこ盛りの一冊となっておりました。
次からはまた本編に戻ると思うので、短編とは違った、本編らしいサクラダに期待しております。



















それにしても、春埼が健気過ぎてかわいいな!
  1. 2012/09/20(木) 17:04:52|
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アクセル・ワールド〈3〉夕闇の略奪者 (電撃文庫) 感想

アクセル・ワールド〈3〉夕闇の略奪者 (電撃文庫)アクセル・ワールド〈3〉夕闇の略奪者 (電撃文庫)
(2009/10/10)
川原 礫

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新たな局面が容赦なく襲い来る、お話




【ネタバレストーリー】
季節も巡り、ハルユキたちは進級し、新入生がやってくる時期となった。
そんな中、チユリはバーストリンカーとなり、回復スキルを持つ貴重なアバターを手に入れ、タクムは剣道部へ入部をすることとなり、黒雪姫は修学旅行へ出掛けるなど、様々な変化が訪れていた。
しかし、中には悪い変化もあった。
新入生であり、剣道部に所属する能美によって、ハルユキは再び学校内で窮地に陥る。
能美もバーストリンカーであり、能美は過去のタクムのように加速能力を現実世界のいたるところで使用し、望むがままの生活を送っていたのだ。そして、ハルユキの翼を狙って、ハルユキを罠にはめた。能美はマッチングリストに名前が表示されない何らかの裏技を使っているので、ハルユキから勝負を仕掛けることはできず、再戦もままならない。能美はそれだけじゃなく、ハルユキをかばったチユリも脅すことで、完全に優位に立つこととなった。
翼を奪われたハルユキは、偶然対戦したアッシュローラーに連れられて、無制限フィールドにある東京タワーの頂上へ行った。
そこにはスカイレイカーという、黒雪姫の元チームメイトであり、最も空に近かったと呼ばれる車椅子に乗ったアバターが待っていた。彼女に翼を取り戻すための方法であり、ブレインバーストの裏ワザである心意システムを知らされ、それを習得するための修行として、自力で東京タワーを登らされることとなる。
加速したまま衣食住を行うことで、修行を続け、修行終わりには彼女からプレゼントをもらった。
これによってヤル気の湧いたハルユキは、能美が接触してくるのを待っていたのだが、それより先に、タクムが能美と対戦を始めた。
タクムは能美との戦いに苦戦しながらも、能美を追いつめるに至る。しかし、窮地に立たされた能美は、奥の手である心意システムの使用をすることで、形勢を逆転する。
ギャラリーとして参加していたハルユキは、能美に対戦を申し込むと、3人によるバトルロワイヤル戦を提案され、承諾。
ハルユキの心意と、スカイレイカーにもらった強化外装<ゲイルスライダー>による対空戦、そしてタクムとの連携によって能美を追いつめることに成功した。
しかし、止めを刺そうとしたその時、背後からチユリが現れ、能美の傷を癒し始めた。
その裏切り行為に愕然とするハルユキたち。
果たして、チユリはハルユキたちの敵となってしまったのだろうか!?



今回、早くもハルユキのアイデンティティでもある翼が奪われました。いじめられたり、ピンチの連続だったり、幸の薄い主人公だ。まあ、その分良い思いもたくさんしてるのでザマミロと。
そんなことが起きたものだから、今回は修行回なのかと思っていたんですけど、修行は早々に終わりましたね。しかもほぼ地力で修業完遂するあたり、なんだか肩すかしくらった気分です。熱い展開には、熱い修行がつきものだと思うのですけどねえ…。
それにしても、タクムが相変わらず高性能すぎる。それだけに噛ませ犬っぽさが半端ない。
黒雪姫に関しては、単なるお色気要員でしかなかったというね。
でも、なんといっても今回は能美のクズっぷりが際立つ内容でした。幼い外見とのギャップが実にいい感じ。このまま会心なんかせずに退学まで行って欲しい。
同じく新キャラであるスカイレイカーは、黒雪姫との絡みが楽しみ。
なにより楽しみなのは、最後の引きに出てきたチユリの裏切りの意味ですね。
間を開けずに読んでみたくなります。











アッシュローラーがいいやつすぎてつらい
  1. 2012/09/19(水) 20:30:35|
  2. 電撃文庫
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アクセル・ワールド〈2〉紅の暴風姫 (電撃文庫) 感想

アクセル・ワールド〈2〉紅の暴風姫 (電撃文庫)アクセル・ワールド〈2〉紅の暴風姫 (電撃文庫)
(2009/06/10)
川原 礫

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仮想現実にハマることで、現実生活に弊害が出るのだ、というお話




【ネタバレストーリー】
初めての飛行ユニットとなったハルユキであったが、正確な狙撃能力に苦戦していた。それは、まだまだ未熟な彼が、同じレギオンのメンバーとなったレベルの高いタクムや黒雪姫に迷惑をかけてしまうと思い込ませるほど、重大な欠点だった。
そんな欠点を補おうと特訓する中、彼の家に小学生のはとこであるサイトウトモコがやって来た。しかし、彼女は本当のサイトウヨウコではなく、上月由仁子・赤の王であるスカーレット・レインであった。それを看破したハルユキは勝負を仕掛けられ、攻撃に特化されたユニコの前に敗れてしまう。そして、ユニコに<親>である黒雪姫に会わせろ、と要求される。
結果、タクムと黒雪姫をユニコと引き合わせたハルユキ。そこで彼女はあるお願いをしてきた。それは<災禍の鎧>討伐の協力申請だった。この災禍の鎧を纏ったアバターは赤のレギオン所属であり、ユニコの<親>でもあった。その処分のために、ユニコは彼を追っているのだ。
黒雪姫は、ハルユキの特訓にもつながると思い、これを承諾。
災禍の鎧討伐のため、一向は無制限フィールドへ向かった。
そこで災禍の鎧を纏ったクロム・ディザスターを待ち伏せしようとしていたのだが、黄の王の軍勢による襲撃を受ける。
そもそも、災禍の鎧は数年前に王たちによって討伐されていたのだが、黄の王がこれを保管し、赤の王を貶めるために、利用したのだ。
さらに黄の王は、黒雪姫のトラウマである、王たちへの裏切りを思い出させることで、戦闘不能にさせた。
これにより、多勢に無勢となり戦況は困難を極めた。それでも諦めずに闘い続けるハルユキは、トラウマから黒雪姫を引き戻し、彼女を戦線へ復帰させた。
黒雪姫により、戦況は盛り返し、黄の王との一騎打ちとなった。しかしそこへ、探していた災禍の鎧を纏ったクロム・ディザスターが現れ、二人を強襲。
黄の王の軍勢は撤退し、黒雪姫は再び戦闘不能となる。
そんな中で、軍勢との戦いで、自らの闘い方を見出したハルユキが立ち上がる。
王に匹敵するほどのポテンシャルを持つ敵を相手に、彼はなんとか勝利をもぎ取った。
そして、クロム・ディザスターは赤の王によって処分され、幕を閉じた。
現実に戻ったユニコは、<親>と仲たがいすることはなかった。



専門用語と近未来のテクノロジーが満載の上、オンラインゲームのような様相のアプリが主題になっているので、その辺はもう流し読みしていくしかない、と諦めました。
今回は、現実の関係から出来上がった仮想の関係である、<親>と<子>がテーマのように感じました。
つまり今回の内容を要約すると、弟子に越えられてしまった師匠がヤケを起こした、ってことです。
そして、そんな関係になってしまうんじゃないかと怯えるハルユキを、厳しく柔らかく、否定する黒雪姫という構図でした。
将来、ハルユキが黒雪姫に近い存在となった時、二人の関係がどうなるのか、気になりますね。
それと、前回の重大事であるチユリとの仲直りも、除々に進んでいるようでなによりですね。
タクムが転校したりメガネキャラになったりしている辺りは驚きでしたが、こういう外見や環境の変化が合った方が、心変りしたのだ、ということがわかりやすくていいですね。











黒雪姫の嫉妬した時の対応が、なんともクールなようで愛らしいので、そんな黒雪姫分をもっとください
  1. 2012/09/13(木) 22:16:45|
  2. 電撃文庫
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大日本サムライガール 2 (星海社FICTIONS) 感想

大日本サムライガール 2 (星海社FICTIONS)大日本サムライガール 2 (星海社FICTIONS)
(2012/08/17)
至道 流星

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家族って、千差万別だな、というお話




【ネタバレストーリー】
前回アスデッド社長室でテーブルを叩き切り、逮捕された日毬。大勢の群衆とテレビで生中継されたことで、一気に話題の人となる。
メディアは日毬のことを調べ上げ、報道することで、日毬の認知度は急上昇し、今回の件で賛否両論の議論が交わされる。
しかし、日毬が鑑別所行きとなった時、街路は日毬のファンで埋め尽くされるようになった。
日毬は日頃の行いが良いおかげや、罪状も軽微なため、ほどなくして解放される。
それからは、仕事の量が激増した。しかし、世間の風当たりは強くもあった。高校は退学処分となり、正式な記者会見の場でも、非難する声が出てきた。
それでも日毬は自分を貫き通す。今回の原因となったアスデッドへ赴き、謝罪をしたのだ。そんな日毬の実直な性格に心打たれた千石社長は、以降のひまりプロダクションへの協力を惜しまないと約束してくれるようになる。
事務所は移設し、収入も安定してきて順風満帆の今、由佳里の提案でアイドルの募集をかけることとなる。
これによって、日毬の姉の凪紗にマネージャーのまねごとの仕事をしてもらうようになったり、朝霧千歳の入社が決定する。
千歳は自ら守銭奴と評し、アイドル活動は歩合制で契約し、それとは別に事務員としても休日なしの10時間労働で月収30万円の契約を交わす。
それには理由があり、彼女の親が経営するアパレル工場を営むステッチライン株式会社の業績が芳しくなく、その支援をするためにアイドルになったのだという。
颯人は、親への挨拶もかねて、社長である千歳の父親と話しをすることにした。
ステッチラインはハンディキャップを持つ人の雇用に積極的であり、それは息子に起因する。
千歳の兄は、千歳を庇って交通事故に遭い、車椅子生活を宿命づけられた。千歳はそんな兄に対する罪悪感も抱えてアイドルを目指してもいた。
そういった事情を聞いた結果、颯人はステッチラインの再建計画に一枚噛むこととなる。条件は、株式の51%の保有。
社長に代わって、資金繰りを始めた颯人だったが、思うようには資金を借り入れることができなかった。
自らの信念を曲げてまで親父に金を借りに行くも、一蹴。
悩んだまま仕事を続けていた所へ、アスデッドの狩谷常務にグチを吐く。すると、千石社長に呼び出され、利息なしで足りない分の2500万を借りることができた。
これにより、資金繰りは成功。さらに千歳の初レギュラー番組も決まり、ホテルの広間を借りて、ひまりプロダクションとステッチライン合同の祝賀会が執り行われた。





政治・経済・芸能を主題に置いている今作。現状は下積み時期のせいか、芸能に関する話しばかりで、至道さんの経済ストーリーはまだまだなりを潜めています。
それでも、エンタメの華やかな部分しかしらない自分としては、かなり面白く読ませてもらっています。
前回の日毬の騒動の引きがあまりにも気になって、ワクワクしながら読んでました。
社会現象にもなってしまった日毬には、驚きでした。
そして、アステッドの変わり身の早さには驚かされましたが、日毬にカリスマ性があったのだろう、と納得することにします。
とはいえ、今回の目玉はなんといっても千歳ですね。
おっちょこちょいで、生真面目で放っておけないタイプの彼女は、日毬や由佳里とは違った魅力を持つ新しいヒロインです。
あまりにもおっちょこちょい過ぎるので、そういったところで何か展開するのかと思いきや、親の会社がつぶれそう、というところにスポットライトが当たってました。
そのせいか、少し経済の話がでてきたことは嬉しかったです。
千歳がこれからひまりプロダクションにどう貢献していくのか、気になります。
そして、日本大志会の党員も徐々に増えていき、これから日毬がどう政治に首を突っ込んでいくのかという、本題も期待しています。

そして、あまり目立ってはいませんでしたが、やはり颯人と親父の関係性が、後に大きく関わって来てほしいな、と思います。
今回颯人が、朝霧家のアットホームな雰囲気や由佳里の家庭を羨ましがる所が印象強かったです。










自分の中で凪紗株が急上昇中なので、早いとこ正ヒロインに上場してください。
  1. 2012/09/06(木) 19:38:41|
  2. 星海社FICTIONS
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サクラダリセット3 MEMORY in CHILDREN (角川スニーカー文庫) 感想

サクラダリセット3  MEMORY in CHILDREN (角川スニーカー文庫)サクラダリセット3 MEMORY in CHILDREN (角川スニーカー文庫)
(2010/08/31)
河野 裕

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本当に「自分」を持っていないのは誰なのか、というお話




【ネタバレストーリー】
物語は2年前の、ケイや春埼たちが中学2年生だった頃の過去話。そして、相麻菫が亡くなった夏の話。
ケイは魔女の誘いによって、咲良田へやってきて、能力によって起こる不思議な現象が当たり前なこの街に惹かれて、家へ帰ることを拒絶していた。それは、両親からの愛情を感じられていなかったケイには、抗いがたい誘惑だった。そして、そんなケイの気持ちを後押しするように、ケイに能力が発現する。管理局のはからいにより、ケイは智樹の家に預けられ、咲良田で生きていくこととなる。
そんなケイが中学2年生になったある日のこと、相麻菫に屋上へ呼び出される。しかし、屋上で待っていたのは春埼であり、そこでリセットが使用される。
以前からリセットの感覚を知っていたケイは、春埼が原因であることを知り、二人が出会ったのは菫の仕組んだことだと知った。
それから3人は屋上で集まるようになった。その中で、ケイはどんどん春埼に惹かれて行った。それは、自分を排してルールにのみ従う彼女の生き方が、あまりにも美しいと感じてしまったからだ。
春埼のリセットのルールは、誰かが泣いていたら、というものだった。春埼は公園で出会ったクラカワマリという少女の涙を見たから、屋上でリセットしたのだ。
そんな感情を持たずに、ルールだけで生きる春埼を矯正するため、菫はケイを伴って、生徒会を訪れる。
そこの生徒会長である坂上の能力は能力のコピー。ケイの能力で春埼の感情の会った頃の記憶を思い出させようとする。
これを繰り返すことで、徐々に春埼は感情を取り戻し始める。
そんな中、クラカワマリが、春埼に助けを求めてくる。
クラカワマリは、母親の能力によって生まれた存在であり、厳密には人間ではなかった。母親は流産した子どもの代わりに、マリを生み出したのだ。それでも、母親はマリを愛せなくなり、咲良田を出ることを決意した。残されたマリは管理局に追われるハメとなった。
そんなマリを、春埼は助けたいと思い、菫の策略によって、ケイを頼ることとなる。
ケイは、春埼に感情の会った頃の記憶を思い出させたように、母親にもマリを愛していた頃の記憶を思い出させようとして、菫、坂上、智樹に協力を仰いで、計画を実行した。
マリを追っていた管理局員は、津島であり、人情味あふれる彼の対応が見られる。坂上の混乱や、智樹の能力の後押しもあり、計画は成功。なんとか母親はマリの下へ戻って来た。
この件を通して、春埼はケイを全面的に信用することとなり、持っていたルールの大前提とした。
夏休み最終日、菫はケイを尋ね、他愛のない会話をして、別れた。
翌日、ケイは春埼に告白されてしまい、それは純粋な恋愛感情に則るものじゃないとして、春埼にリセットを使わせた。
しかし、リセット後の夏休み最終日、菫は死んでしまった。ショックで春埼は自らリセットを使えなくなり、告白もしないままとなった。
そして、話は現代へ戻り、菫を復活させたケイは、彼女に問うた。どうしてわざわざ死んだのか、と。具体的な答えは得られなかったが、彼女にはどうしてもやらなければならないことがあり、マクガフィンとケイがそれに関係あることだけを臭わせていた。






アンドロイドは誰?
この問いが、まさしく今回の主題と言ってもいいでしょう。
一見しただけでは感情を持たない春埼がそうと思えますが、未来を見ることができ、最良の選択を選んでしまい、一つの未来しか目指せない菫もまたアンドロイドのように見えます。ケイも、善い行いをしようとする自らを偽善とするような、自らを律する信念を持っていました。誰がアンドロイドのように感じられるかは人それぞれでしょうが、やはりケイがいったように、アンドロイドはいない、という結論が一番のように思えました。
それと気になるのは、菫が智樹に頼んだ、声を届ける頼みです。結局、復活した菫に、智樹の能力による声は届いたのでしょうか。それがわからない以上、彼女がスワンプマンなのか、本物の菫なのか、気になります。
春埼のルールといい、そんな自分を無視した春埼のあり方を真の善として仰いでしまう、自らを悪人と思うケイといい、ケイに想いを寄せながらも、ケイと春埼を出会わせなければならないほど、達成したい何かを持つ菫といい、3人の抱える葛藤が交差するように描かれていて、とても読み応えがありました。
この先、復活した菫がどのような事件を起こしていくのか、楽しみです。










津島先生があまりにも人情味あふれていて、だらけきっている今とまるで別人のようだ
  1. 2012/09/06(木) 17:45:45|
  2. 角川スニーカー文庫
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サクラダリセット2 WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL (角川スニーカー文庫) 感想

サクラダリセット2  WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL (角川スニーカー文庫)サクラダリセット2 WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL (角川スニーカー文庫)
(2010/02/27)
河野 裕

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誰しも何かに捕らわれているのだ、というお話

【ネタバレストーリー】
自分の撮った写真を再現する能力を持つ佐々野という中年と、魔女と自称する未来視の老婆、そしてケイが中学時代に人生を変えてしまった岡絵里という洗脳能力を持つ少女。
彼女たちとケイと春埼が交わることで、いくつかの思惑が交差する。
マクガフィンを狙っていると思われた佐々野は、端からマクガフィンではなく、ケイに絵里によって能力を奪われたことを知らせることが目的だった。
そして同じく、幼い頃のケイを咲良田へ誘った魔女も、ケイを狙っていた。
それは、佐々野と魔女の約束を果たすため。管理局創立メンバーである二人は想い合っていた。しかし、魔女の未来視を咲良田管理のシステムとして利用するために、彼女は監禁される生涯を送ることになった。二人はそれを受け入れるも、生涯最後の一週間だけは、自由に二人で暮らそうと約束していた。
そしてその約束を果たすために、利用されたのがケイと絵里である。
絵里は、中学時代にケイの後輩であり、ケイの助言によって両親の離婚を後押ししたのだ。絵里はこの頃のケイを崇拝しており、現在の丸くなったケイに憤慨し、ケイへのいやがらせとして、春埼のリセット能力を奪った。奪ったとはいえ、彼女の能力によって、春埼にリセットの仕方を忘れさせただけだ。解除方法も簡単だ。
一方、絵里は管理局関係者らしき何者かの手引きによって、佐々野の写真と魔女の洗脳に乗り出した。しかし、それはリセットによって書きかえられる。
村瀬や津島に協力を仰ぎながら、ケイは絵里と接触し、春埼の洗脳を解除した。
すると、宛名のない郵便で、ケイの中学の知り合いで、もう死んでしまった少女の写真と、桜の写真と、海岸に移った若かりし魔女の写真が届く。
魔女の写真に入りこんだケイは、今回のあらましを聞く。魔女が監禁から脱出するための手段として、絵里の能力が利用される予定だったことを知る。
若かりし頃の魔女の告白によって、魔女の計画は破綻した。代わりに、ケイの計画によって、魔女は脱出を果たし、佐々野と共に行方をくらました。
ケイの手元には桜と少女の写真が残った。
ケイは桜の写真と、春埼、村瀬の能力の応用で、写真の中の事物を、現世に持ち帰ることが可能であることを立証した。これによって、ケイは猫のような少女――未来視の能力を持つ相麻菫の復活を決意した。






今回は過去のしがらみや約束といったものがキャラクターの行動の鍵となっていました。
佐々野と魔女は過去の約束を守るために、他人を利用してでも二人の誓いを果たそうとしました。それは幼少のケイや絵里の能力などを調べ、未来視によって綿密に計画されたものでした。
これだけで、二人がどれだけ想い合っていたのかわかりますね。二人が幼い頃に交わした即興のお伽噺が、現実になるような描写がとても綺麗でした。
絵里は絵里で、とても歪んだケイへの尊敬の念が見て取れました。ただ、中学時代のケイがニヒルすぎて、苦笑い。
そしてなにより、ケイと春埼の関係の揺るぎなさが、顕著でした。恋愛感情ではないけど、互いに想い合い、尊敬し合っている。魔女が二人を個別に問答しますが、二人の答えは同じでした。二人のこの揺るぎない気持ちは、次回の過去篇で明らかになることでしょう。
そして、絵里をそそのかした人物は誰なのか。相麻菫の詳細は?マクガフィンって結局どういう役目をもっているのか?
まだまだ疑問は尽きません。
次回がすごく楽しみです。











村瀬さんケイの舎弟っぽくなってしまわれてます。
  1. 2012/09/06(木) 16:49:42|
  2. 角川スニーカー文庫
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※備忘録としても使っているので、ネタバレを含む内容となっているところがあります。
文章がおかしな点が多々あるとは思いますが、勢いだけで書いているので見逃してください。

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