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ゴールデンタイム (7) I'll Be Back (電撃文庫) 感想

ゴールデンタイム (7) I'll Be Back (電撃文庫)ゴールデンタイム (7) I'll Be Back (電撃文庫)
(2013/10/10)
竹宮 ゆゆこ

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恐怖に駆られる、お話


【簡略ネタバレストーリー】
 静岡に帰っていた万里は、母親の持っていた婚約指輪を譲り受け、香子へプレゼントしよう意気ごみながら帰って来た。
 しかし、万里を出迎えたのは香子だけじゃなく、柳澤、2次元くん、そしてボブカットにした千波だった。指輪を渡すタイミングがつかめないまま、5人は焼き肉屋へ向かった。
 食事中、柳澤が、映画作製のためにおまけんの練習風景を撮影したいと、万里と香子に頼んできた。しかし、その真意は、すこしでもリンダに近づきたいという下心であった。
 柳澤がリンダに片想いしていることを知っていた一同は、そこは黙っていようとしたが、空気ブレイカー香子がバラしてしまい、柳澤キレる。
 柳澤は万里だけを呼び出して、かねてから懸念していた万里とリンダの関係について問いただした。しかし、万里は本当のことを話すことに怖じ気づき、ただの先輩後輩関係だと嘘をついてしまう。
 その後、万里と香子は二人で万里の家に帰った。そして、万里はようやくプロポーズまがいの指輪プレゼントを決行しようと決意したのだが、先に香子からプレゼントを受け取る。
 それはエッフェル塔だと豪語される歪なモニュメントであったが、万里は素直に受け取った。このエッフェル塔?には香子なりのメッセージが込められており、もうパリに行って結婚するまで待てない、というものだった。
 すっかり出来上がってしまった香子に押し倒される万里だったが、香子がはりきりすぎてしまい、結局二人は何事もなく朝を迎えたのだった。
 おまけんの撮影ができるようになった柳澤だったが、どうにもリンダの様子がおかしい。探りを入れるべく、万里はリンダに柳澤の話題を振った。すると、リンダは柳澤のことが嫌いなわけではなく、ただ単に自分が柳澤と恋愛するイメージがつかないだけらしい。そして、少しは彼のことを意識している事も聞き取った。
 しかし、その現場を千波に目撃され、罵倒される。万里とリンダの距離感がただの先輩後輩でないことを感じ取ったのだ。だが、万里にはリンダとの関係を告白するだけの勇気が湧いてこなかった。
 それからというもの、万里は千波に無視される日々を送ることになった。
 おまけんの阿波踊りお披露目の日がやってきた。
 直前で4年生も参加することになったが、おまけん部員たちは楽しく踊っていた。そんな時、万里の人格が過去の万里の人格といきなり入れ替わった。すぐに元に戻ったが、祭りの空気や隊列を崩してしまう。
 さらに悪いことは続き、練習不足の4年生の参加が、連盟の怒りを買い、阿波踊りの衣装を取り上げられてしまう。
 それでも、とりあえずサークルの活動は続けていくことになる。
 そして万里は、人格の入れ替わりから来る恐怖や、千波や柳澤に打ち明けることのできないリンダとの過去で苦しんでいることを、香子に吐露した。だから香子は、万里がみんなに打ち明けられるようにバックアップすることを約束した。
 香子の作戦は、高級肉を使って全員を万里の家に集めることだった。最初に2次元くんをゲットすると、万里が柳澤を誘いに出かけた。ところが、柳澤は撮影のための落ち葉拾いの最中であり、話をするために万里もそれを手伝うようになった。その最中で、万里は千波に出くわし、喧嘩をしそうになるが、何とかこらえて千波を肉の集まりに誘った。だが、速攻で断られた。
 ところが、千波は一番最初に万里の家にやってきた。そして、エントランスでリンダに悪態をついてしまったと懺悔し始めた。それは、柳澤のことが好きだと自覚した千波が、万里とリンダがくっつけばいいのに、と思わず思ってしまったが故の行動であり、そんな自分が千波には許せなかった。万里に暴言を吐いたり避けていたのも、そんな自分の身代りにしていただけだったのだ。
 正直に話してくれたちなみにだからこそ、万里は打ち明けることができると思った。しかし、その瞬間に、過去の人格が入れ替わった。
 錯乱する万里を沈めたのは、リンダだった。千波が隣の部屋から呼んできたのだ。
 自分が自分じゃなくなる感覚の恐ろしさから、万里は部屋を飛び出してしまう。しかし、途中で柳澤に見つかり、2次元くんとの連係プレーで捕まってしまう。観念した万里は、自分が消えてなくなる恐怖を二人に吐露した。すると、二人はわけがわからないまでも、万里のことを忘れないと約束してくれた。
 万里が部屋に戻ると、香子の書き置きだけが残されていた。
 後日、千波に話を聞くと、肉は女子会で消費されたのだという。そして万里は、あの日千波に言えなかった告白をすることにした。オカメラにも納めて、自分がいなくなっても自分がいた証が残せるようにと。
 そのおかげか、万里は色んなものを吹っ切れて、香子に指輪を渡そうと決意した。だが、香子は指輪を受け取らなかった。そればかりか、万里に別れを告げたのだった。



【感想】
 今回も面白い内容でした。
 これまで何度も万里の苦悩が描かれていましたが、今回ほど暗く迷走し、葛藤していたときはないのではないでしょうか。それだけに、オカメラに自分を映した時の万里や、香子に別れを告げられた時の万里の悟りと落胆が心に突き刺さりますね。
 副題のI'll Be Backも、こうした現在の万里が「ここ」にいた証を残した事を指しているのか、それとも過去の万里が蘇りつつあることを指しているのか、そういった意味では、今回の副題が今巻を象徴しているように思えます。
 リンダに関しても、過去の万里と今の万里をしっかり区別できているように見えますが、指輪の嘘をついたときの彼女が、まだどこかで万里のことが心に引っかかっているように思えてなりません。はたしてあれは本当に嘘だったのかな?
 それと同時進行して、やなっさんの恋の行方はどうなるのでしょうか。今のところ勝率0%ですけど、ここから変動していくのか?
 そしてそして本音をようやく打ち明けた千波。彼女がこれほど彼女のイメージを壊す様な行動に出ていたのが、とても魅力的でした。妖精さんは実は妖精じゃなくて、ラフレシアでしたとさ。
 香子、万里、リンダの三角関係だけが描かれるのかと思いきや、ドロドロした恋愛模様が繰り広げられてきましたよ!
 物語も終盤っぽいですし、これから各人の行く末がどうなっていくのか楽しみでなりませんね!







2次元くんはやっぱり番外扱いですわ

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  1. 2014/01/04(土) 00:45:07|
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ゴールデンタイム列伝 AFRICA (電撃文庫) 感想

ゴールデンタイム列伝 AFRICA (電撃文庫)ゴールデンタイム列伝 AFRICA (電撃文庫)
(2013/08/10)
竹宮ゆゆこ

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人を想う力に変えていける、お話


【簡略ネタバレストーリー】
○AFRICA
 八月後半に見てしまった、柳沢とリンダの二人連れの姿に、千波は動揺していた。
 思えば、7月末の映研の飲み会の頃から柳沢の様子はおかしかった。その日は師匠の歓迎会も兼ねたものだったのだが、1年のリーダーである柳沢は欠席していた。さらに、約束していたと思っていた美術館へのお誘いも袖にされたこともあった。
 そんな柳沢への不満を抱えるのは千波だけではなかった。3年の玲那は柳沢をボロクソにこきおろし、それに腹を立てた千波は玲那にキツイ一言を浴びせてしまう。
 そんなことがあったせいか、千波は柳沢の心の変化をわかってしまった。
 それから、千波の引っ越しの日、静岡へ帰る前日にも関わらず万里と香子が荷ほどきの手伝いにやってきた。そんな嬉しい時間も、玲那からの電話でぶち壊される。
 玲那主催の合コンで人手が足りず、香子を誘って来いという連絡だった。当然千波は断るが、来なければ文化祭で千波たちの映像を上映させないと言ってきた。
 悩む千波は香子に話そうとはしないと決意したが、千波の変調を察した香子によって白状させられる。香子は玲那のことが気に食わないと主張し、泊まりがけで合コンを破滅させる準備に取り掛かるのだった。
 そして当日。二人は気合を入れて臨み、試行錯誤して作成した臭い袋を炸裂させた。その激臭によって合コンはご破算。部屋の脱臭をして脱出した二人は、自らの悪臭を嗅いで馬鹿笑いしながら、千波宅へ帰っていった。
 そして香子が帰った後、千波は猛烈に彼氏が欲しくなった。それは帰って来てから聞こえた香子と万里の会話から刺激されて湧き上がった。千波は思わず柳沢へこの気持ちを打ち明けようとするが、途中で思い直してしまうのだった。


○ユア・アイズ・オンリー
 その日も、柳澤は怪しげなクラブでダンサーをしていた。仲良しのジェイ君と踊り明かし、休憩に入った。キャットウォークに登った柳澤は、客に振舞っていたテキーラを飲みながら、夏休みの事故についてジェイ君に話していた。その時、全身に塗っていたオイルで手が滑り、頭から階下へ落下してしまう。
 場所的に救急車は呼べず、社長に連れられタクシーで向うことになる。怪しげな格好の二人を乗せてくれるタクシーはおらず、しかしなんとか社長が武田鉄矢のごとくタクシーを止めた。
 結果、柳澤は頭を4針縫って、念のため1日入院することとなった。
 そして目を覚ますと、香子と二次元くんがお見舞いにやって来ていた。千波はバイトで来れないし、万里は今静岡だ。万里が静岡にいることが、柳澤にあることを惹起させた。
 それは2週間前のこと、何度も食事を重ね、猛アピールしていたリンダが静岡へ帰るということで見送りに来ていたのだ。だが、なんの手ごたえもないことにいらついていた。万里の話題を振ってみたところ、リンダの様子が変わった。だから執拗に万里との関係を聞いてみたら、険悪なままその日は別れてしまった。
 病室では万里の話題となり、万里に傷跡があることを、香子と二次元くんは知っていたことを知らされ、疎外感を感じてしまった。
 二人が帰った後、再び眠りについた柳澤は、香子からかけられた呪いのことを思い出していた。
 高3の夏。香子から逃げるため受験勉強に必死だった柳澤だが、ボンボンの友人たちからの誘いを断れず、豪邸のプールにやってきていた。しかし彼は泳がず、勉強に集中するのみ。
 そこへ、柳澤を探していた香子が取り巻きを従えてやってきた。取り巻きたちに場を荒らさせる香子だったが、けっつまずいてラズベリータルトに顔面から突っ込んでしまった。
 格好のつかなくなった香子は立ち去ろうとするが、去り際に、香子を裏切ったら「落ちる」という3つの呪いを柳澤にかけて帰った。
 目を覚ますと、もう夜中だった。それから、リンダの行く先と万里の実家を思い出して、新幹線の停車駅などを照らし合わせると、万里とリンダの実家が同じことを知った。
 退院後、万里に電話をしてみたが、何も聞くことができなかったのだった。
 

○束の間の越境者
 ストーカー女王である香子は、静岡に帰省している万里に会えない寂しさから、万里の郵便受けを確認するという名目で、万里宅までやってきて、なんだかんだで合鍵をつかって不法侵入してしまう。
 万里の部屋でハッスルする香子は、ブリッジ状態で歩行するリアルエクソシストまでやらかしたところで我に帰った。
 が、その現場を窓からバッチリお隣のNANAに見られていた。それから香子はNANAの部屋に招かれ、エクソシストをライブで披露してほしいと頼まれる。もちろん断るが、万里に不法侵入をバラすと脅され、代替案として香子の恐怖体験や千波や柳澤、二次元くんに万里の恐怖体験も聞いて、ライブの参考にさせようとする。
 が、誰の恐怖体験も参考にならず、万里に至っては自爆して不法侵入がバレてしまった。
 すると、NANAはコンビニに出かけ、香子は留守番をすることになる。そこへ、どう見てもヤ○ザにしか見えにない男が押し掛けてきた。恐怖から香子はクローゼットに隠れたが、すぐに見つかってしまいそうになる。そこで、香子はエクソシストをかまして逆に男を驚かせて、蹴りやカバン攻撃でぼこぼこにしていたところを、NANAに止められた。
 実は、男はトモヤスで、香子の反応を見て、この一幕をライブに反映させようとしていたのだ。
 香子はすぐさま逃げるように帰って行き、万里の帰りを待ちわびるのだった。


【感想】
 今回もゆゆこ節が炸裂していましたが、『番外』のような爽やかなバカバカしさは控えめに、『外伝』のように恋愛模様の方に力が入っていたように思えます。
 それにしても、千波と香子の仲が『番外』以来急速によくなっているように思えます。それは、「ユア・アイズ・オンリー」で柳澤という第3者から見てもわかるほど顕著なものですし、「AFRICA」では友人以外の何者でもないように感じました。ああいう関係を、ある意味、親友や悪友と呼ぶことができるのかもしれません。とにかく、この二人が絡むととても面白い内容になっていました。
 そんな香子と仲良くなった千波も、柳澤が自分から離れてしまってから、彼がいることへの居心地の良さを実感してしまうあたり、彼女が恋愛に不慣れなことが伝わってきます。
 千波から慕われる柳澤は柳澤で、うまくいかないリンダへのアタックに業を煮やし、様々な想いが入り混じった怒りを万里へ向けそうになりますし、世の中うまくいかないものですね。
 こんな感じのシリアス分多めでしたが、エクソシストやクラブでのジェイ君のパンツや臭い袋のバカ騒ぎなど、ギャグ成分も十分に楽しかったです。
 ここ何冊か短編集挟んで本編、という刊行が続いているので、本編の進捗が遅れているように感じますが、こういったサイドストーリーを補完しながら進んでいく形式も面白味があっていいですね。
 万里とリンダが静岡で和解したことが、東京に帰って来てから周囲の人間関係にどういった影響を及ぼすのか、やなっさんと万里の友情はどうなってしまうのか、続きが気になりますね。
 



秋ちゃんマジメンヘラJKやで・・・
  1. 2013/09/16(月) 00:15:19|
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天鏡のアルデラミン―ねじ巻き精霊戦記 (電撃文庫 う 4-4) 感想

天鏡のアルデラミン―ねじ巻き精霊戦記 (電撃文庫 う 4-4)天鏡のアルデラミン―ねじ巻き精霊戦記 (電撃文庫 う 4-4)
(2012/06/08)
宇野 朴人

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怠けるために最小限の働きをする、お話


【簡略ネタバレストーリー】
 これはまだ科学という概念が世間に浸透していない世界のお話。
 アルデラ教という宗教が国教であるカトヴァーナ帝国。そこでアナライ・カーンという科学者は?信者と呼ばれながらも研究に励んでいた。助手であるバジンは、現在彼が研究している4大精霊の人工化について疑問を持ちながらも、彼に心酔するアナライの弟子の一人であった。そんな彼らは、帝国からの圧制により、隣国であるキオカ共和国へと亡命することになる。
 そんなアナライの弟子の一人であるイクタ・ソロークはその日、帝国高等学校の卒業式をエスケープしていた。相棒である光精霊のクスに促され、彼は祝賀会にのみ参加する。
 祝賀会では彼の同輩であり、旧軍閥の名家であり首席卒業を果たしたヤトリシノ・イグセムが多くの人から人脈作りのアプローチを受けていた。彼女はこの後に控える高等士官試験にてイクタの協力を仰具予定でいた。それはこの試験が難問であり、軍人家系である彼女には落ちることのできないものだからだ。イクタには彼の試験結果は問わず、安定した就職先を斡旋することになっている。
 二人は筆記試験を乗り越え、次の試験会場へ向かうべく、船に乗り込んだ。そこには、同じ試験を受ける看護科のハローマ・ベッケルと水精霊のミルがいた。イクタは女癖の悪さから彼女を口説き始めたが、ヤトリに成敗される。
 するとイクタとヤトリの同輩であり、旧軍閥のテトジリチ家のマシュー・テトジリチと風精霊のツゥがやってきた。イクタは彼をいつものようにからかい始める。彼も受験者だ。
 最後に、旧軍閥の名家レミオン家のトルウェイ・レミリオンと風精霊のサフィがやってくる。イケメンであるトルウェイを嫌うイクタだったが、トルウェイはとても友好的に接してくる。ちなみに、トルウェイはヤトリに想いを寄せているようでもあった。
 そんな5人は嵐に巻き込まれ、緊急ボートで避難した。だが、小さな女の子が船から振り落とされたのをイクタが目撃し、少女を救助した。
 その後6人はどこかの浜辺に漂着した。その頃には、ヤトリたちは少女がカトヴァーナ帝国第3皇女であるシャミーユ・キトラ・カトヴァンマニニクであることに気付いていた。
 イクタはその出自から皇族を嫌っていたが、彼女自身を嫌うことはなかった。イクタとトルウェイは周囲の散策に出かけたところ、ここがキオカ共和国の国境付近であることに気付いた。カトヴァーナ帝国の東にあたるここでは、現在キオカの天空兵という気球を駆使した攻撃が行われている。
 捕虜になるか強硬的に国境を突破するか考える一行だが、どちらも危険で実行に移せない。
 そんな折に、夜間に用を足していたシャミーユが敵兵に見つかりようになる。それを救ったのが、イクタの策と銃撃に長けたトルウェイ、白兵のイグセムで知られるヤトリによって事なきを得る。だが、初めての殺生を経験したトルウェイとヤトリは動揺を隠しながら、姫殿下を拠点へ連れ帰った。
 イクタは天空兵である敵兵の弔いをすませ、彼らになり済まして国教を渡ることを提案した。
 イクタは流暢にキオカ訛りで敵駐留部隊の少尉に気球が帝国兵に盗まれたと報告。そして気球のかわりにヤトリたちを帝国に移送することが条件であることを伝える。少尉は迷いながらも、イクタ野口車に乗せられ、彼の提案を飲み、イクタたちは無事帝国へと戻ることができた。
 そんなイクタたちを、東域鎮台司令長官ハザーフ・リカン中将が迎え入れた。彼は名将と謳われながら、帝国が持て余したこの東の地をキオカに負けたという口実につけて奪わせる役割をになっていた。これは腐敗した政治の尻拭いを軍が行わざるをえない現状を表していた。
 イクタはそんな非合理的、彼に言わせれば非科学的な行為を批判したが、軍人であるリカンはそれでもいいと言う。熱くなるイクタをヤトリが取りなして、一行は帝都バンハタールへ向い、そのひと月後にリカン中将の訃報を知らされる。
 そんな一行の前に宮廷武官が訪れ、リカン中将の遺言と、限皇帝への謁見が言い渡される。
 謁見場である白聖堂にて、5人は皇帝とシャミーユから東での功績を讃え、帝国騎士の称号を授かった。帝国騎士とは軍人としては最高級の誉れであり、貴族の末席にも加えられることになる。これにより、イクタはもっとも嫌悪する軍人、貴族、姫を助けた英雄にされてしまう。
 前例のない褒章は、東の土地を奪われたことで動揺する民衆へのカンフル剤だ。そのための生贄に5人はなったのだ。
 さらに、姫はイクタの素性を調べ上げ、彼の父であった帝国軍総司令官バダ・サンクレイ大将が軍律違反で戦犯となったことや、母親がキオカ出身のユーカ・サンクレイであることを語った。
 その後、5人は特例で高等士官試験をパスし、高等士官学校に入学。3ヶ月間のシゴキにあう。また、シャミーユも国民へのイメージアップ戦略や本人の俊才もあってか、5人と同じ准尉の位で入隊していた。そんな6人は嫉妬と蔑称を込めて「騎士団」と呼ばれていた。
 ある日、イクタとマシュー、トルウェイが次の講義へ急いでいると、トルウェイの兄であるサリハ大尉とスシュラ中尉、その取り巻き3人と出くわす。そこでサリハはトルウェイの射撃の腕をあざ笑うが、イクタはそんな彼が気に食わなくて言い合いとなるが、立場の違いを逆手に取られて袋叩きにあう。そこへやってきたヤトリ、シャミーユ、ハロの3人が、袋叩きを訓練とあえて認識し、イクタとヤトリを交代させたところ、ヤトリは連中に圧勝する。
 そうして3ヶ月の基礎訓練期間を過ぎ、各人は自分の部隊を受け持つこととなった。が、イクタの部隊の曹長は依然イクタが知らずに浮気相手となっていた女性の娘であるスーヤ・ミットカリフであった。また、イクタは怠け者で知られていたため、部隊からの信頼もなかった。
 そんな彼らは模擬戦を兼ねた進軍訓練の予定があり、その模擬戦相手にサハリとスシュラが選ばれた。もちろんこの間の報復だ。
 彼らに勝つためにも、イクタはスーヤを丸めこんで、訓練のときだけ自分に従うことを約束させた。
 そして進軍訓練では、イクタはその知識と知恵からスーヤの予想を上回るスピードで目的地にたどり着き、サハリたちを迎え撃つべく準備を始めた。
 ヤトリは部隊数の関係からサハリたちを友軍としていた。そしてイクタたちに遅れて目的地に着き、慌しい開戦を迎えた。
 サハリはイクタによる戦略に翻弄され、戦況を悪化させるが、イクタの策を読んだヤトリに救われ窮地を脱する。イクタは見事な手管とそれに伴う形で科学についての演説を熱演してしまったことで、部隊からの厚い信頼を得てしまう、スーヤも悔しながらイクタを認めるほかなかった。
 そして終盤になると、待ち伏せしていたトルウェイによってサハラは討たれてしまう。
 この模擬戦を観覧しようと、シャミーユは近衛兵を連れて来ていた。だが、その近衛兵を率いていたイソン・ホー大尉と仲間の近衛兵数人によって拉致されていまう。イソンはリカンを崇拝しており、そんなリカンを生贄にした帝国への反乱だった。これを察知したイクタは降参ののろしを上げ、姫に一番近いであろうヤトリに信号を送った。
 ヤトリはその白兵術から善戦を強いるも、イソンに殺されかける。それを助けたのがトルウェイであり、その隙をついて、ヤトリは敵と見なしたものすべてを斬殺した。ヤトリは一本の剣となったかのように、ある境地に辿り着きかけたが、イクタによって緊張をほどかれ、気を失う。
 訓練後、ヤトリはその境地が忘れられなかったが、相棒の火精霊シアの思いやりから、人としての生き方も大事であることを思い描いた。
 トルウェイは兄からの呪縛から解き放たれたような気分だった。そして自分の遠距離からの銃撃が十分武器になることあ、そしてもしかしたらその長距離銃撃を昇華させることによって、これまでの常識を覆せるかもしれないという青写真を思い描く。
 マシューはそんな戦果を挙げた二人やイクタに負けないためにも、もっと自分を磨くことを決意し、ハロはただ彼らを見守る。
 一方、イクタはシャミーユに呼び出されていた。用件は、イクタに元帥にまで上り詰めてもらうことだった。それはシャミーユが思い描く帝国崩壊のための前提だ。
 シャミーユは政治的人質としてキオカで育ったため、帝国の腐敗を客観的に受け止めることができていた。軍に尻拭いをすることで体制を保たせる軍事万能主義である帝国を、敗戦という形でキオカ共和国の傘下となることで、民衆を救おうと、シャミーユは考えたのだ。
 だが、ただ負けただけではキオカの言いなりとなってしまう。だからこそ、そうならないようにうまく負けることをイクタに託したのだ。
 「常怠常勝の知将」と呼ばれることになるイクタと、「カトヴァーナ帝国最後の皇女」となるシャミーユの物語が始る。
 一方で、アナライは精霊の解剖実験を行おうとしていた。それは精霊が自分たちの先祖によって作られたかもしれないという知的好奇心を刺激される内容だ。そんな先祖の文明を、アナライとバジンは、超古代文明を呼称した。


【感想】
 結構前から評判は聞いていましたが、面白いですねこの作品。
 帝政による軍事態勢が世を支配し、さらに科学が浸透していない世界だからか、イクタの主義主張が異質であり、イクタ自身も怠け者だけど熱い面を持ち合わせているという、背景と主人公の対立が燃える設定ですね。
 イクタの言う科学的とは言い換えれば合理的と言えるだろう。むしろそっちのほうがしっくりくる。ただ、彼のなかで合理的であること=科学的、だから彼は科学的だと称するのだろう。
 トルウェイもラストではロケットとかミサイルとか、そういった遠隔操作技術を夢想するようになっていたのか知りませんが、次世代の技術が現状を塗り替えていくような展開が起これば、『まおゆう』みたいにどんどん話しの規模が大きくなっていきますよね。というか、この作品の煽り自体がすでに壮大な物語を予想させていますね。
 他にも、登場キャラすべてがとても魅力を持っています。
 優等生であり、白兵戦にも優れたヤトリは家系のせいか軍人然としすぎ、その道に染まりかけながらも、イクタによって踏みとどまっているギリギリ感がいいですね。
 マシューはただのいぢられキャラかと思いきや、内に秘めた周囲へのルサンチマンをうまく熱意へと変換しているのが好印象です。『ダイの大冒険』のポップのように、最後には大成してほしいですね。
 ハロは今回見せ場と言えるような場面はありませんでしたが、奮闘する少年少女を優しく見守るお姉さん、という構図がとても自分好みです。
 姫様に関しては、幼いながらに達観した哲学を持ち、それでいて等身大の少女然としたイクタに心惹かれていく姿とかがかわいらしかったですね。
 脇キャラも信念に溢れた良キャラ揃いで、とても楽しめました。




サハラ兄様のかませ犬っぷりはもはや芸術の域

  1. 2013/06/01(土) 22:50:23|
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ゴールデンタイム (6) この世のほかの思い出に (電撃文庫) 感想

ゴールデンタイム (6) この世のほかの思い出に (電撃文庫)ゴールデンタイム (6) この世のほかの思い出に (電撃文庫)
(2013/04/10)
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過去を受け止めることが今に繋がる、お話


【簡略ネタバレストーリー】
 事故から1週間が経ち、香子は音信不通の引きこもりとなっていた。
 事故後は、香子の父親と母親が各人の両親へ直接頭を下げに行ったり、診察代金を肩代わりしていた。とはいえ、万里たちは大けがをすることはなかった。
 だけど、それ以来香子とは連絡が取れない状態で、それを打破すべく、万里たちは千波のバイト先で作戦会議をしていた。
 ちなみに、事故の際に親と合流した千波は、その時に新しい住居の契約を済ませていた。
 連絡が取れない以上、直接会いに行くしかないという結論になるが、千波はバイトでその日に会いに行けない。かといって男3人で出向くのも何か違うということで、彼氏である万里一人で香子に会いに行くこととなる。
 柳沢に聞いた香子の住所へ向かうと、そこは閑静な高級住宅街で会った。場違いな所へ来てしまったと怖気づいていると、車に乗った香子の父親に見つかってしまう。そして、そのまま香子父について行くように、加賀家へやってきた万里。
 香子の両親はともに外科医をしていた。だからこそバルセロナへバカンスに出かけることもできるのだが、今回はひと騒動あったせいでおじゃんとなっていた。
 香子父に連れられて、万里は香子の部屋まで案内された。香子父はすぐに居間へいってしまう。
 万里はなんとか香子を部屋から引きずり出そうと思うのだが、香子は万里を拒否した。それは自らの慢心が原因で起きた事故への自分なりの責任感の表れだった。あんなことをしでかした自分は、もう万里や千波たちと会わす顔がないと思っていたのだ。
 でもそれは過去の過ちから目をそむけているだけだと万里が言うと、香子はまくらで万里を叩きつけながら、万里も過去を捨てたことを指摘した。でもそれは香子のためだと万里は主張する。すると香子は、リンダを切り捨てたように自分も切り捨てるようになるのだと言い始める。それは悪夢となって香子を苛んでいた。
 そんな夢のことを心配していた香子を見て、万里はなんだか笑えてきた。香子は香子で、万里への罵声を反省した。そうして抱き合いながら、互いに温かい言葉を掛け合っている瞬間を、マルちゃん製麺を手にした香子父は見ていた。
 ちょうど香子父と対面する形にいた万里は、香子に悟られる前に消えろ、とアイコンタクトで訴えたのだが、テンパった香子父は声を上げてしまう。
 当然香子は怒り、再び引きこもりと化そうとしていたので、万里は無理やり香子を居間へ連れて行った。そこで香子は父親から説教を受ける羽目になり、万里は香子父の持っていたマルちゃん製麺を作ることになる。
 煌びやかで豪華なキッチンに圧倒されながらも、万里はマルちゃん製麺を作り上げた。居間にはソファで寝息を立てる香子がいた。どうやら不貞寝をしてしまったらしい。香子父は万里からマルちゃん製麺を受け取ると、ダイニングでそれを食べ始めた。万里は、寝息を立てる香子の寝顔を見ながら、彼女が悪夢に苛まれないようにエールを送るのだった。
 翌日。万里は人ごみでざわめく花火会場にいた。今日はおまけんの4年生の就職祝い兼合宿代わりの飲み会だった。コッシー先輩こと輿野のツテで、あるお店の屋上を貸し切って、花火を臨みながらの飲み会が行われる予定だ。
 万里が屋上に着くと、2,3年生はすでに準備に取り掛かっていた。そんな先輩たちが万里を認めるや否や、なぜか生温かく接してくる。その理由は、コッシー先輩が出欠メールの来ない万里と香子のことに考えを巡らし、結論として、二人は別れてしまったのだと思ったのだ。だから、別れてもどちらかがサークルを止めないように、生温かく接していたというわけだ。
 真相が明らかになった時、ちょうど香子も屋上に到着したのだが、彼女はまさしく極妻というメイクと浴衣で登場していた。急な話で、どこかのばあさんがやっているサロンへ行った結果が極妻だった。
 それからは、メイクを直した香子と準備を進める万里だった。
 すると、4年生も到着したのだが、ここから「30セカンズホワイトアウト」が始まる。
 まず、唯一のNNTだったホッシー先輩も内定が出たということではしゃいでいたのだが、実はNNTのままだったことが判明。(もちろんソースはコッシー先輩)さらにそこへ、万里と香子の事故を、おそらく柳沢経由で知ったリンダが、帰省していた静岡から飛んできて、万里と香子につめよる。すると思わず呆気にとられるほどの大量の花火が空に舞い、どこから突っ込めばいいのかわからずも、万里と香子は手を繋いで、「バルシーシャンス!?」と叫んだ。
 その後、コッシー先輩は見事小間使いとなり、リンダは万里たちの無事を知ることができた。そんなタイミングで、万里はリンダに過去の自分は花火を見たことがあるのかと問うた。
 それは過去から逃げず、捨てず、受けとめようと決意した万里の気持ちの表れだった。さらに、そこに便乗するKY香子の後押しもあってか、リンダは呆れ半分に万里との思い出を語った。
 すると、リンダはこの流れに乗るように、今度静岡で高校の同窓会を行うことが決まっているのだと打ち明けた。万里は行って、いいものかどうか悩むのだが、香子がなかば無理やりに参加することを決定してしまった。
 その後、万里と香子は「爆裂もんじゃ」という屋台を目指して屋上を出たのだが、あいにく完売していた。店へ戻る道すがら、二人は人ごみを割けて回り道をしていたのだが、その途中で「ロッキュー」の音程に合わせた花火が打ち上がり始めて、その花火見たさに近くにあった公園のジャングルジムによじ登りながら、花火を見上げた。
 花火が終わると、香子は勝手に同窓会参加を決めてしまったことを謝った。そして、香子の好きな面しか見えない万里よりも、万里すべてが好きだから、香子は万里に里帰りしてほしいと思っていた。そんな香子に、万里もこれまで抱えていた過去がないことの怖さを、スルリと吐き出した。思わず出てしまった本音に、万里は驚き、そんな万里も好きだと言ってくれる香子の言葉に、万里は涙した。
 万里が帰省すると、実家には新たな住人である猫がいた。両親はその猫をばんりと呼んでいるような節があったが、定かではない。
 そんな万里の元へ、ゴリラとしか思えない兄の運転する車に乗ったリンダがやってきた。ゴリラ兄ことアニは、久方ぶりの万里との再会を喜んでいた。
 そのまま二人は会場である母校へ、アニの車で送ってもらった。のだが、そこで万里は怖気づいてしまった。今日来る人たちの求めているのは、自分じゃなくて過去の万里なのだと思ってしまう。そんな万里の目をふさぎ、手を繋いで誘導するリンダに、恥ずかしくなるような感謝の言葉を述べた万里だったが、その手を繋いでいたのが、過去の同級生にすり替わっていて、恥ずかしい思いをするのであった。
 それからは、体育館で因縁だったドッチボールを元同級生たちと行い、教室ではわいわい賑やかした。元同級生の中には、妊娠し結婚したものや、中学時代からの友達、恩師もいた。その誰一人として覚えていない万里に、彼らは過去の万里ではなく、今の万里として接してくれた。そんな元同級生たちといたからか、万里もはしゃぎ、リンダとツーショットの写メをとったりした。いつか破った過去のリンダの写真を取り戻すかのように。
 夜の飲み会もお開きとなり、万里はリンダといっしょにアニの迎えを待っていた。その間、万里は事故に遭った時に見た、リンダのお見舞いの記憶のことを伝え、リンダはあの時の言葉がきちんと万里に届いていたことを内心で喜んだ。
 ふと、二人は万里がおぼれた川の橋までやってきていた。そこで、万里は香子に過去を乗り越えた証として、橋からの夜景を写メにとって送ろうとした。
 ところが、橋の中央まで来ると、質感を伴ったフラッシュバックが起こった。橋を渡る自分に、バイクがぶつかり、自分は川へ落ちていく。万里の目には、走り去るバイクの後ろ姿が見えていた。だが、すぐさま川に落ちかけた自分の腕をつかむ。だが、自分は万里の手をはがして行く。そしてもう自分が川に落ちそうになった瞬間、万里は現実に戻って来ていた。
 ふとポケットを探ると、香子にもらった手鏡が割れていた。アニの車のクラクションを聞きながら、万里は自分の記憶がよみがえりつつあることに思い至った。
 





【感想】
 ひとまず、祝アニメ化!
 ですが、ただアニメ化するだけでは喜べなくなってきた昨今、どうなるのか今の段階からすでにハラハラドキドキです。ですが、あまり悲観的になりすぎるのもよろしくないので、私はテレビ放送を楽しみに待っておきます!
 さて、今回は海の帰りに遭った事故後から始まったわけですが、事故の後処理や各人の落ち込みようが妙にリアルっぽくて、若干引きそうでしたが、そこはさすがのゆゆこ節。シリアスの中でも独特のギャグセンスを盛り込むことで、絶妙で奇妙な展開を繰り広げて言っています。
 親父のおネエ言葉は、始め親父の台詞だと認識できなかったw
 コッシー先輩はアホすぎるし、ドッチボールの試合なんかも面白かったです。
 ですが、今回の内容はシリアス分が多めとなっておりました。引きこもり香子の思いの丈や、万里が過去と向き合おうとしたり、リンダも万里と中途半端な関係を清算することができたりと、各人の立ち位置、想いの方向性というものが明確になり始めたのではないかと思います。
 万里は最後に、自分の記憶を失う瞬間を思い出したわけですが、この先は香子との関係がどうこうというよりも、亡霊万里との対面が重要となってくるのでしょうか。
 この先もひと波乱ありそうで、続きが楽しみです。





マルちゃん製麺、おいしいよね!


  1. 2013/04/22(月) 21:46:15|
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新約 とある魔術の禁書目録(インデックス)〈4〉 (電撃文庫) 感想

新約 とある魔術の禁書目録(インデックス)〈4〉 (電撃文庫)新約 とある魔術の禁書目録(インデックス)〈4〉 (電撃文庫)
(2012/03/10)
鎌池 和馬

商品詳細を見る


とりあえずバトルやっとくか、というお話


【簡略ネタバレストーリー】
 反学園都市サイエンスガーディアンの各社による格闘大会ナチュラルセレクターが開催された。目的は学園都市外の不思議な能力者を集めることだ。
 参加者の一人であるサファリー=オープンデイズは試合前に出会っていた上条が侵入者として捜索されていることを知り、自分の流儀に則り彼を助けに行く。ほどなくして上条は見つかるのだが、そこに支配人がやってきて、彼女たちを取り押さえようとする。
 とそこで、支配人は目を覚ました。支配人の目の前には木原乱数という学園都市から派遣された『木原』の一人がいた。乱数は自前のカビを使って支配人に幻覚を見せていたのだ。(なお幻覚は支配人とサファリーの出会いだけ)細菌兵器でナチュラルセレクター関係者を皆殺しにしようとする。しかし、そんな乱数もまたグレムリンの魔術師であるウートガウザロキの幻覚に捕らわれており、殺される。ウートガウザロキは乱数によって負傷している所を、上条に止めを刺される。
 学園都市の暗部部隊の介入で荒れ果てるバゲージシティに、参加者の一人であり、甲賀忍者の近江手裏は、甲賀発展のために学園都市の異能者を調べようとしていた。そこへ、木原加群を探す雲川毬亜というメイドと出くわし、彼女に負けて気を失う。
 他方、グレムリンの魔術師であり、人の構成を組みかえる力を持つマリアン=スリンゲナイヤーは、車椅子に乗る木原病理と敵対していた。そして彼女はあっけなく病理に勝利する。
 対して、手裏と毬亜の元には木原円周が来襲する。彼女はできそこないの『木原』であるが、木原一族の思考パターンを読みこんで『木原』らしく振る舞う。そこへ、木原加群が現れ、二人を救出する。残念ながら、この時毬亜は気を失っていた。その後、二人はバゲージシティから撤退しようとする。
 その頃、マリアンはグレムリンの魔術師であるシギンに『助言』(詳細はあとがきで)を求めていた所で、手裏と毬亜と出くわし、これを排除しようとする。が、手裏の毒に倒され、さらにシギンはすでに手裏によって倒されていたことを知る。そして、間一髪のところでマリアンは難を逃れる。
 そして円周は実は生きていた病理と合流した後、乱数のカビを採取して、バゲージシティの人間すべてを細菌兵器でジェノサイドしようとする。
 それを阻もうとしたのはサファリーだ。彼女も加群に助けられており、彼の助言に従って円周を止めようとしていた。そんな彼女は手裏と毬亜と出くわし、3人で円周が向かうであろう野菜工場へ向かう。
 その先で3人と円周は戦闘することになるのだが、毬亜の格闘技によって円周を一蹴し、円周は拘束される。それを狙っていたのは病理だ。病理は円周と合流した時に円周を殺すとして未遂に終わっていた。だから今度こそ彼女を殺そうとするのだが、そこへ加群がやってきた。
 加群は『木原』を抜けて一般教師として働いていたのだが、病理の「諦めさせる」という性質によって殺人を犯させられて、教師を辞めて学園都市すら去っていた。
 そんな彼はグレムリンに所属し、グレムリンに科学を教え、同時に魔術を会得していた。病理は第2位である垣根提督のダークマターで対抗するのだが、加群を負かしきれない。加群は、教え子を守るためとはいえ殺してしまった成年への罪滅ぼしとして、病理と相打ちすることを望んでおり、実際にそれは叶った。
 それを見ていたのは毬亜だ。彼女こそが、加群の守った教え子なのだ。
 そして加群ことベルシ(グレムリン内での名称)の死に憤っていたのはマリアンだ。彼女は魔神であるオティヌスと通信で繋がっており、彼女の制止を無視して『戦乱の剣』という魔術礼装を使用した。
 それによって毬亜たちは死にそうになるのだが、そこへ上条が登場し、これに勝利する。
 だが、気を抜いた瞬間、上条の右手首が握りつぶされた。そこにいたのはオティヌスという少女だ。オティヌスは次に毬亜を殺そうとするのだが、それを阻んだのが魔神のなりそこないであるオッレスルだ。彼の存在によって、オティヌスはマリアンを連れて帰るだけに留めた。
 上条の右手は、いつの間にか元どおりになっていた。それを見ていたのは、オッレルスと右方のフィアンマだ。そして二人は残された人々の救出に向かう。
 そしてこの騒動の影で、木原唯一が何かを企んでいた。
 また、バードウェイや金髪メイドの聖人が、ブリュンヒルド=エイクトベルという先天的ワルキューレであり聖人である彼女から、『主神の槍』の情報を引き出そうとしていた。
 



【感想】
 えー、今回もいい意味でも悪い意味でも禁書らしかったです。
 場面転換に次ぐ場面転換。意味のわからない次回への引き。強さのインフレ。無駄に科学的な能力の説明。
 多額の製作費用を割いたのに、迫力があるだけに留まった映画のような、コマ割りや描写の下手糞なマンガを見させられたような気分。キャラはどれも個性的で楽しいのだけど、なんか皆口調に特徴を持たせようとして、すでに出てきているキャラと口調が似てたりするから微妙に感じる。あと、傍点の使いすぎが非常に萎える。特に円周のセリフ。
 キャラの使い捨てもはなはだしいですね。それがいいように作用する場合もあるんですけど、個人的には微妙でした。
 あと、あとがきが全部キャラの説明だったんですが、そういうのはちゃんと本編でやってほしい。ムック本みたいなことはムック本でやればいいと個人的には思っています。
 今回のバトルでは相性みたいなのがあるのか、誰かに負けた奴が誰かには勝つ、といったシーンが多く見られました。こういうのは割と好物なので、その点は面白かったです。
 腕を蛇口に変えて血を流す発想は素晴らしいけど、もっとグロイ描写をしてほしかった。マリアンの猟奇的趣味はもっとおどろおどろしくしていてほしかった。
 なので、セリフに味を持たせたりキャラ増やす前に、説明をきちっとしてほしい。
 もう自分の中には、数年前のような中二スピリットがなくなってしまったのかもしれない。





オッレルスとかワルキューレとか、SSのキャラ?ようやっと出てきたね


  1. 2013/03/15(金) 23:02:38|
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※備忘録としても使っているので、ネタバレを含む内容となっているところがあります。
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